今年のインフルエンザワクチンは「3株」|4価から3価になった理由とA型・B型の違いを理事長 五藤良将が解説
― 理事長より、はじめに ―
こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。「まだ9月なのに、保育園のクラスが閉鎖になりました」「小学校で学級閉鎖が出ています」——この数週間、センター南の外来でこうしたお話を毎日のように伺います。例年なら秋が深まってから聞こえてくる言葉が、今年は昨シーズンよりさらに1か月以上早く届いています。
結論からお伝えします。2026-2027シーズンのインフルエンザは、統計が示すとおり異例の早さで動き出しています。そして今シーズンのワクチンに入っているのは「3株」です。4価から3価に減ったのは供給の都合ではなく、B型山形系統というウイルスが世界から姿を消したためで、守りが薄くなったわけではありません。
本記事では、東京都感染症情報センターの最新データで今どこまで流行しているのかを確認したうえで、今季の3株の中身、A型とB型はどう違うのか、A型の亜型(AH1pdm09・AH3)とは何か、そして「打ったのにかかった」が起こる理由を整理します。最後に、軽く見てはいけない合併症と、当院で入荷が充実している経鼻ワクチン「フルミスト」を含めた選び方までお伝えします。
THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY
医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将
日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医
この記事は五藤 良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。
📖 目次
- いま何が起きているか|東京都は9月に注意報基準を超えました
- 今シーズンのワクチンに入っている「3つの株」
- なぜ4価から3価になったのか|B型山形系統が消えた
- 今季は3株すべてが入れ替わっています
- A型とB型は、どう違うのか【比較表】
- A型の「亜型」とは|AH1pdm09とAH3(香港型)
- 「打ったのにかかった」が起こる理由|ワクチンの本当の役割
- 軽く見てはいけない合併症|脳症・肺炎・心筋炎・心血管イベント
- いつ・誰が打つか|フルミスト(経鼻)という選択肢
- 🔁 3軸クロスポイント(糖尿病×認知症×抗加齢)
- センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)
- 関連ブログ・関連クリニック
- よくあるご質問(FAQ)
1. いま何が起きているか|東京都は9月に注意報基準を超えました
まず、いまの状況を数字で押さえておきましょう。東京都が「流行開始」を発表したのは2026年8月27日。昨シーズン(2025年9月下旬)と比べても1か月以上早いスタートで、夏のうちに流行が動き出したことになります。
📊 東京都の流行状況(東京都感染症情報センター/2026年9月17日更新・第37週まで)
- 東京都は2026年8月27日に「流行開始」。昨シーズン(第39週・9月下旬)より1か月以上早い立ち上がりです。
- 2026年9月17日、「注意報基準を超えた」と発表されました。このとき都全体の定点当たり報告数は9.53人。注意報は「定点当たり10人」のほか、注意報レベルの保健所管内の人口が都全体の30%を超えた場合にも発表され、今回は47.87%に達したことによるものです(警報の基準は定点当たり30人)。
- 集団感染事例は今季累計225件。内訳は保育所103件、小学校88件、社会福祉施設15件、中学校9件、高等学校6件、幼稚園4件。
※数値は公開時点のものです。最新の状況は東京都感染症情報センターのページでご確認いただけます。
注目していただきたいのは、集団感染の約85%が保育所と小学校で起きているという点です。つまり今の流行は、子どもを起点に広がっています。お子さんから親へ、そして祖父母へ——ご家庭の中で世代を越えて伝わっていく形が、すでにできあがりつつあります。旧・浜クリニックとして地域のご家族を診てきた当院としては、ここが最も気がかりなところです。
2. 今シーズンのワクチンに入っている「3つの株」
インフルエンザワクチンは、毎年同じものを作り直しているわけではありません。世界中の流行を観測したうえで、「次のシーズンはこのウイルスが来る」と予測し、その年の株を決めて製造します。2026-2027シーズンの製造株は、次の3つです。
| 型・亜型 | 2026/27シーズンの製造株 |
|---|---|
| A型(H1N1)pdm09 | A/スイス/6849/2025(IVR-278) |
| A型(H3N2)=香港型 | A/ミシガン/105/2025(SAN-049A) |
| B型(ビクトリア系統) | B/東京/EIS13-175/2025 |
💡 株の名前は「どこで・いつ見つかったウイルスか」を表しています
たとえば「B/東京/EIS13-175/2025」なら、B型・東京で分離・2025年に見つかった株、という意味です。今季のB型株は日本で見つかったウイルスが選ばれました。暗号のように見える名前ですが、読み方がわかると「今年のワクチンは何を狙っているのか」が見えてきます。
3. なぜ4価から3価になったのか|B型山形系統が消えた
「以前は4種類入っていたのに、3種類に減った。効きが悪くなるのでは」——外来でよくいただくご質問です。結論から申し上げると、そうではありません。
かつてのワクチンには、B型がビクトリア系統と山形系統の2つ入っていました(合わせて4価)。ところがB型山形系統は、2020年3月ごろを最後に、世界中のどこからも検出報告がなくなりました。新型コロナウイルス流行時の世界的な感染対策のなかで、このウイルスは消滅したと考えられています。
📊 3価への変更は「削減」ではなく「不要になったものを外した」
世界保健機関(WHO)は、存在しないウイルスの成分を入れ続ける意味はないとして、B型山形系統をワクチンから外すことを勧告しました。これを受けて日本では令和7(2025)年度シーズンから3価となり、2026/27シーズンも3価が続いています。
つまりいま流行しているウイルスに対する守りは、まったく薄くなっていません。むしろ不要な成分が1つ減った分だけ、すっきりしたワクチンになったと考えていただいて差し支えありません。
4. 今季は3株すべてが入れ替わっています
ここは、ぜひ知っておいていただきたい点です。2026/27シーズンは、3つの株がすべて前シーズンから変更になりました。
| 型 | 2025/26シーズン | 2026/27シーズン(今季) |
|---|---|---|
| A(H1N1) | A/ビクトリア/4897/2022 | A/スイス/6849/2025 |
| A(H3N2) | A/パース/722/2024 | A/ミシガン/105/2025 |
| B(ビクトリア) | B/オーストリア/1359417/2021 | B/東京/EIS13-175/2025 |
3株そろっての更新は、めずらしいことです。ウイルスが変化しているからこそ、株も入れ替えられたのであり、これは「去年打ったから今年は大丈夫」が成り立たない理由そのものでもあります。インフルエンザワクチンを毎年打つ必要があるのは、免疫が1年で薄れるからだけではなく、狙う相手そのものが毎年変わるからです。
5. A型とB型は、どう違うのか【比較表】
検査で「A型でした」「B型でした」と言われても、違いがぴんとこない方は多いと思います。治療薬は共通ですが、流行する時期・かかりやすい年齢・症状の出かたには、知っておくと役に立つ違いがあります。
| A型 | B型 | |
|---|---|---|
| 流行の時期 | シーズンの前半(例年12〜1月、今季は9月から) | シーズンの後半(例年2〜3月)に多い |
| 症状の傾向 | 高熱(38〜40℃)が急に出て、関節痛・筋肉痛・倦怠感が強い | 熱はやや低めのことも。お腹の症状(下痢・腹痛)を訴えるお子さんもみられます |
| かかりやすい年齢 | 全年齢。高齢者の重症化が問題になりやすい | 学童期の子どもに比較的多い |
| 変異のしやすさ | 変異しやすい。亜型が複数あり、大流行を起こしうる | 変異は比較的ゆるやか。ヒト以外にはほぼ感染しない |
| 治療 | 抗インフルエンザ薬はA型・B型どちらにも使えます。ただしB型はA型よりやや効きが緩やかという報告があります | |
⚠ 「1シーズンに2回かかる」ことがあります
A型とB型は別のウイルスですから、A型にかかった後にB型にかかることがあります。さらにA型には亜型が複数あるため、AH1pdm09のあとにAH3、ということも起こりえます。「今年はもうかかったから安心」とは言えません。今季のように早く流行が始まった年は、シーズン後半のB型にも備えが必要です。
6. A型の「亜型」とは|AH1pdm09とAH3(香港型)
A型はさらに細かく分かれます。この分類は、ウイルスの表面にある2種類のとげHA(ヘマグルチニン)とNA(ノイラミニダーゼ)の組み合わせで決まります。「H1N1」「H3N2」という記号は、この組み合わせを表したものです。
🦠 AH1pdm09(H1N1)
2009年に新型インフルエンザとして世界的に大流行したウイルスの子孫です。「pdm」はpandemic(パンデミック)の略。いまは季節性インフルエンザの一つとして毎年流行しています。若い世代や妊婦で重症化した例が報告されています。
🦠 AH3(H3N2・香港型)
1968年の香港かぜに由来します。最も変異が速い亜型で、この型が主流の年は流行が大きくなり、高齢者の重症化や施設での集団感染が増える傾向があります。前シーズン(2025/26)の東京都では、このAH3が優位でした。
🦠 B型ビクトリア系統
現在流行しているB型は、実質この系統だけです。シーズン後半に学童を中心に広がることが多く、今季のワクチンにはB/東京/EIS13-175/2025として入っています。
🦠 B型山形系統
2020年3月ごろを最後に、世界で検出されていません。このためワクチンから外され、4価から3価になりました(第3章)。ウイルスが一つ姿を消したという、公衆衛生上まれな出来事です。
なお、鳥インフルエンザで話題になるH5N1などもA型の亜型です。A型が動物にも感染し、亜型が多いという性質が、インフルエンザを毎年注意深く監視しなければならない理由になっています。今季どの亜型が主流になるかは、これから検出データが積み上がるなかで見えてきます。
7. 「打ったのにかかった」が起こる理由|ワクチンの本当の役割
「去年ワクチンを打ったのに、インフルエンザになりました。意味がないのでは」。これも、毎年必ずいただくご質問です。ここは誠実にお答えしたいところです。
インフルエンザワクチンは、感染を100%防ぐものではありません。理由は2つあります。1つは、ワクチンは製造の半年ほど前に株を決めるため、その間にウイルスが少しずつ変化(抗原ドリフト)して、実際の流行株とずれることがあるから。もう1つは、注射のワクチンが作る免疫は主に血液中で働くもので、鼻やのどの粘膜でウイルスの侵入そのものを止める力は限定的だからです。
🏥 ワクチンの主目的は「重症化を防ぐこと」です
インフルエンザワクチンが最も期待されているのは、かからないことよりも、かかったときに重くしないこと——肺炎や脳症で入院に至るのを防ぎ、命を守ることです。厚生労働省も、ワクチンの効果として発症をある程度抑え、重症化と死亡を防ぐことを挙げています。
「打ったのに熱が出た」というご経験も、打っていなければもっと重くなっていたかもしれない——そう考えていただくのが、実際に近い見方です。とくに高齢の方、持病のある方、小さなお子さんでは、この差が決定的になることがあります。
8. 軽く見てはいけない合併症|脳症・肺炎・心筋炎・心血管イベント
インフルエンザが「ただの重い風邪」と違うのは、合併症があるからです。頻度は高くありませんが、起きたときの重さが違います。
⚠ インフルエンザ脳症(小児が中心・大人にも起こります)
発熱から数時間〜1日程度という短い時間で、けいれん・意識障害・異常な言動があらわれます。国の急性脳炎サーベイランスでは、2014/15〜2018/19シーズンの5年間に845例(2015/16シーズンは223例、2018/19シーズンは220例)が報告されています。年齢の中央値は7歳で小児が中心ですが、20歳以上も15〜30%を占め、大人にも起こります。届出時の死亡割合は0〜4歳で6.9%に対し60歳以上では15.2%と、むしろ高齢になるほど高いことが報告されています。
ご家庭で見ていただきたいのは、「呼びかけても目が合わない」「意味の通らないことを言う」「怖がって暴れる」「けいれんした」というサインです。これらがあれば、夜間でもすぐに受診・救急要請をご検討ください。なお異常な言動は、薬の有無にかかわらず発熱そのものに伴って起こりうるため、発熱から少なくとも2日間は、お子さんを一人にしないことが大切です。
😷 肺炎(二次性細菌性肺炎)
インフルエンザが気道の粘膜を傷つけたところに細菌が入り込んで起こります。いったん下がった熱が再び上がるのが典型的なサインです。高齢の方で入院に至る最大の原因で、肺炎球菌ワクチンの併用が勧められます。
💗 心筋炎・心膜炎
まれですが重篤です。強い倦怠感、動悸、息切れ、胸の痛みが続くときは注意が必要です。「熱は下がったのに、やけにだるい」が手がかりになることがあります。
🧠 心筋梗塞・脳卒中のリスク上昇
見落とされがちですが重要です。感染に伴う強い炎症が血管に負担をかけ、発症後しばらくのあいだ心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まることが報告されています。高血圧・糖尿病・心房細動のある方では、この点がワクチンを勧める理由になります。
🩺 そのほか
中耳炎、熱性けいれん、横紋筋融解症(強い筋肉痛と褐色尿)、高齢の方の誤嚥性肺炎や、糖尿病・心不全・呼吸器疾患といった持病そのものの悪化も起こります。
9. いつ・誰が打つか|フルミスト(経鼻)という選択肢
ワクチンは接種から効果が出るまで約2週間かかり、効果は約5か月持続するとされています。厚生労働省は例年、12月中旬までに接種を終えることを目安としていますが、今季はすでに流行が始まっています。「例年どおりでよい」とは言いにくいというのが率直なところです。
💡 とくに早めの接種をお勧めしたい方
- 保育園・幼稚園・小学校に通うお子さん(今の流行の中心です)とそのご家族
- 65歳以上の方、施設に入所されている方
- 糖尿病・心疾患・呼吸器疾患・腎疾患をお持ちの方、免疫を抑える治療中の方
- 妊娠中の方(母体と、生まれたお子さんの両方を守ることが期待できます)
- ご高齢のご家族と同居されている方、医療・介護に従事されている方
🏥 当院はフルミスト(経鼻ワクチン)の入荷が充実しています
フルミスト点鼻液は、注射ではなく鼻にシュッと噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。対象は2歳以上18歳以下。針を使わないため、注射を怖がるお子さんでも受けやすいことが大きな利点です。また弱毒化した生ワクチンで、ウイルスが入ってくる鼻の粘膜に直接はたらくという特徴があります。
当院では今シーズン、フルミストの入荷が充実しております。ご希望の方はお早めにご相談ください。なお、気管支喘息などで喘鳴を繰り返しているお子さんや免疫を抑える治療中の方など、生ワクチンのため接種できない場合がありますので、適否は診察のうえで判断いたします。フルミストは任意接種(自費診療)で、鼻づまり・鼻水・のどの痛み・発熱などの副反応が起こることがあります。詳しい手続きや注射タイプとの比較は、横浜市の助成と予約の記事でご確認いただけます。
💴 当院の接種費用(2026-2027シーズン・税込・自費)
- 👃 フルミスト点鼻(2歳以上18歳以下):7,500円(1シーズン1回で完了)
- 💉 注射(生後6か月以上):1名でのご来院 4,000円/ご家族2名以上で同時にご来院 1名あたり3,500円
※ 横浜市の高齢者定期接種の対象の方は、別途助成があります。13歳未満のお子さまの注射は2回接種が標準です。
また、新型コロナワクチンとの同時接種も可能です。高齢者の定期接種の時期とも重なりますので、当院では受診の際に接種歴を確認し、肺炎球菌ワクチン・帯状疱疹ワクチンも含めて、その方にとっての優先順位をご一緒に整理しています。何本も別々に来院いただく負担を減らすことも、継続の助けになると考えています。
🔁 3軸クロスポイント:インフルエンザを「糖尿病」「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる
インフルエンザは「冬に流行る感染症」として語られがちですが、当院の3軸アプローチ——糖尿病・生活習慣病、認知症・神経、抗加齢医学——で見直すと、まったく違う顔が見えてきます。一度の感染が、その後の健康寿命を削ることがあるという顔です。
🩸 軸1: 糖尿病・生活習慣病との関連 ― かかりやすく、重くなりやすい
🧠 軸2: 認知症・神経系との関連 ― 入院が認知機能を落とすことがあります
🌱 軸3: 抗加齢医学・健康寿命 ― 1回の感染で戻らない体力があります
🏥 センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)
ワクチンは、どこで受けても同じものです。それでも当院を選んでいただける理由があるとすれば、ご家族全員を同じ窓口で診られることと、持病を持つ方の背景まで含めて判断できることだと考えています。
理由① フルミストの入荷が充実しています
経鼻ワクチン「フルミスト」(2〜18歳)をご用意しています。注射が苦手なお子さんの選択肢としてご相談いただけます。適否は診察のうえで判断します。
理由② 内科・小児科を併設しています
生後6か月のお子さまからご高齢の方まで、ご家族そろって同じ窓口で接種を受けられます。今の流行は家庭内で広がるため、家族単位で守る意味があります。
理由③ 糖尿病専門外来があります
糖尿病専門外来は水曜午前、理事長・五藤 良将(日本糖尿病協会登録医・日本抗加齢医学会専門医)が担当します。シックデイの備えまで含めてご相談いただけます。
理由④ ワクチンをまとめて整理できます
インフルエンザ・新型コロナ・肺炎球菌・帯状疱疹。接種歴を確認し、その方にとっての優先順位と同時接種の可否をご一緒に整理します。
理由⑤ 月・水・木・金は18:30まで
2026年9月より平日午後を18:30まで延長しました。土曜は9:00〜14:00・休憩なし。学校やお仕事の後でもご家族そろって来院いただけます。
理由⑥ センター南駅徒歩9分・駐車場4台
市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」から徒歩9分。駐車場4台。小さなお子さん連れでもお車でお越しいただけます。
効果が出るまで約2週間。今季はすでに流行が始まっています。ご家族そろってのご予約をお待ちしています。
melmoのWEB予約は24時間受付中です。フルミストをご希望の方は、その旨お知らせください。
10. 関連ブログ・関連クリニック
📚 当院ブログ・関連テーマ
🦠 今季のワクチンは「3株」|A型・B型・亜型
4価から3価になった理由と、合併症、フルミストの選び方まで解説しています。
📍 ご覧の記事です
🏥 五良会グループ 姉妹クリニックの関連ブログ
DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院
子どものインフルエンザ「おうちケア」完全ガイド【2026-2027年】
解熱剤の選び方、異常行動の見守り、登園・登校の目安まで。お子さんが発症したときに手元に置いていただきたい内容を、院長・五藤 良将が解説しています。
SHIROKANETAKANAWA 五良会クリニック白金高輪
インフルエンザが8月に全国流行入り|製造株決定・接種時期の考え方
異例の早期流行を受けた、今季の製造株の決定経緯と接種時期の考え方。高用量ワクチンの見送りについても、理事長 五藤 良将が解説しています。
11. よくあるご質問(FAQ)
Q1. 4価から3価に減って、効果は落ちないのですか?
落ちません。外れたB型山形系統は2020年3月ごろを最後に世界で検出されていないウイルスで、WHOが「もう入れる必要がない」と勧告したことによる変更です。いま実際に流行しているウイルスに対する成分は、すべて入っています。むしろ今季は3株すべてが最新の流行株に更新されています。
Q2. もう9月に流行しています。いま打っても、冬まで効果が持ちますか?
効果は接種の約2週間後からおよそ5か月持続するとされています。一方で厚生労働省は、例年の流行のピークを1月末から3月上旬とし、12月中旬までに接種を終えることを目安として示しています。今季はすでに流行が始まっているため、いま打って早い時期の流行に備え、ピーク期が心配な方は主治医と相談する——という二段構えが現実的です。ご高齢の方やお子さんなど重症化リスクのある方は、「効果が切れる心配」より「流行に間に合わない心配」を優先していただく段階だと考えています。
Q3. 今シーズンすでにA型にかかりました。ワクチンは必要ですか?
必要とお考えください。A型にかかって得られる免疫は、基本的にかかった亜型に対するものです。シーズン後半に流行するB型には備えられませんし、A型の別の亜型にかかることもあります。体調が回復していれば接種できますので、受診の際にご相談ください。
Q4. フルミストは誰でも受けられますか?
対象は2歳以上18歳以下です。弱毒化した生ワクチンのため、喘息などで喘鳴を繰り返しているお子さん、免疫を抑える治療中の方、妊娠中の方などは接種できない場合があります。ご家庭に免疫が低下している方がいらっしゃる場合も配慮が必要です。費用は7,500円(税込・自費、1シーズン1回)です。当院では今季フルミストをご用意しておりますので、適否も含めてお気軽にご相談ください。
Q5. 新型コロナワクチンと同時に接種できますか?
インフルエンザワクチンと新型コロナワクチンは同時接種が可能です。左右の腕に分けて接種します。高齢者の定期接種の時期とも重なりますので、当院では肺炎球菌・帯状疱疹も含めて接種歴を確認し、優先順位を整理したうえでご案内しています。来院回数を減らせることは、続けるうえでの助けになります。
Q6. 子どもが発熱し、様子がおかしいです。どこで見分ければよいですか?
呼びかけても目が合わない、意味の通らないことを言う、怖がって暴れる、けいれんした、ぐったりして起きられない——これらはインフルエンザ脳症を含む危険なサインです。夜間でもためらわず受診・救急要請をご検討ください。異常な言動は薬の有無にかかわらず起こりうるため、発熱から少なくとも2日間はお子さんを一人にしないこと、玄関や窓の施錠、高層階での転落防止もあわせてお願いします。
AUTHOR / SUPERVISOR
医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)
- 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
- 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
- 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
- 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
- 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
- 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数
執筆・監修責任について
本記事は、五藤 良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良ファミリークリニック センター南(045-942-7783)までお知らせください。
📚 主要参考文献・出典
- 東京都感染症情報センター「インフルエンザの流行状況(東京都 2026-2027年シーズン)」(2026年9月17日更新)/東京都報道発表「都内のインフルエンザ、注意報基準を超える」(2026年9月17日)・「流行開始」(2026年8月27日)
- 東京都感染症情報センター「2026〜2027年シーズン インフルエンザHAワクチン製造株」
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「インフルエンザワクチン株」/「令和7(2025)年度インフルエンザワクチン用製造株とその推奨理由」IASR Vol.46(前シーズンとの比較に使用)
- 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「急性脳炎サーベイランス(2014/15〜2018/19シーズン)」IASR Vol.47/「インフルエンザ脳症について」
- 厚生労働省「インフルエンザQ&A」「2026/27シーズンの季節性インフルエンザワクチンについて」
- 日本感染症学会「シーズンに向けたインフルエンザワクチン接種に関する考え方とトピックス」
| 内科 | 小児科 | 神経内科 | 認知症外来 | 頭痛外来 |
| アレルギー科 | 糖尿病内科 | 予防接種 | 健康診断 | 心療内科 |
〒224-0006 神奈川県横浜市都筑区荏田東4-3-19
横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」徒歩9分/駐車場4台
| 診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日・祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 9:00〜12:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 9:00 〜 14:00 |
休 |
| 15:00〜18:30 | ○ | 休 | ○ | ○ | ○ |
休診日:火曜午後・日曜・祝日/土曜は9:00〜14:00(休憩なし)
|
|
|
|
| LINE 公式アカウント | Instagram センター南公式 | 電話 045-942-7783 |
理事長 五藤 良将
