夕方になると、まぶたが下がって物が二重に見える〜その「疲れやすさ」は年のせいではなく、重症筋無力症かもしれません。理事長 五藤良将が解説〜
― 理事長より、はじめに ―
こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。「夕方になると片方のまぶたが下がってきて、テレビの字が二重にダブって見える。でも朝起きたときは、うそのように普通なんです」——旧・浜クリニックとして地域に親しまれてきた当院の外来で、ご本人ではなくご家族から「最近、父の目つきが変わった」「母の声が食事の後半になると小さくなる」とご相談いただくことも少なくありません。
結論からお伝えします。「朝は良くて、夕方や使ったあとに悪くなる」という日内変動をともなう、まぶたの下がり・物が二重に見える・疲れやすさは、加齢のサインではなく「重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)」の可能性があります。そして重症筋無力症は、採血・生理検査で診断でき、治療によって多くの方が日常生活を取り戻せる、治療法のある神経の病気です。
本記事では、この病気が最初に出すサイン、加齢性の眼瞼下垂や脳梗塞・眼瞼けいれんとの見分け方、日本神経学会「重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022」および「2025追補版」(2025年5月)に沿った現在の治療目標、そして見逃してはいけない「筋無力症クリーゼ」の前ぶれまでを、ご家族が今日から確認できる形で整理してお伝えします。
THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY
医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将
日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医
この記事は五藤 良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。
📖 目次
- 重症筋無力症とは|「神経から筋肉への伝達」が邪魔される病気
- 最初のサインは目に出る|まぶたが下がる・物が二重に見える
- 決定的な手がかりは「日内変動」|朝は良く、夕方に悪くなる
- まちがえやすい病気との見分け方|加齢性眼瞼下垂・眼瞼けいれん・脳梗塞
- 全身型のサイン|話す・飲み込む・首が疲れる、そして「クリーゼ」
- いま増えているのは高齢発症|患者29,210人・発症年齢の中央値59歳
- 診断の進め方|採血(抗AChR抗体)・アイスパックテスト・電気生理検査・胸部CT
- 治療の考え方|ガイドライン2022/2025追補版が示す「目標」と新しい薬
- 日常生活で気をつけること|注意が必要な薬・感染・指定難病の医療費助成
- 🔁 3軸クロスポイント(糖尿病×認知症×抗加齢)
- 🏥 センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)
- 関連ブログ・関連クリニック
- よくあるご質問(FAQ)
1. 重症筋無力症とは|「神経から筋肉への伝達」が邪魔される病気
私たちが体を動かすとき、脳から出た命令は神経を伝わり、神経の末端からアセチルコリンという物質が放出され、それが筋肉側の受け皿(アセチルコリン受容体)に結合することで、はじめて筋肉が収縮します。この「神経と筋肉のつなぎ目」を神経筋接合部と呼びます。
重症筋無力症(Myasthenia Gravis:MG)は、本来は外敵を攻撃するための免疫(自己抗体)が、あやまってこの受け皿そのものを攻撃してしまう自己免疫疾患です。筋肉そのものが痩せてしまう病気でも、脳が壊れる病気でもありません。「命令は届いているのに、受け取り口が目減りしているので、使っているうちに反応が鈍ってくる」——これが、この病気のすべての症状を貫く仕組みです。
💡 イメージで理解する重症筋無力症
受け皿が10個あれば、1日中しっかり反応できます。しかし受け皿が3個に減っていると、朝のうちは何とか間に合っても、使い続けた夕方には信号が届かなくなる。だから「休むと回復し、使うと悪くなる」という、ほかの病気ではあまり見られない動き方をするのです。この一点が、診断への最短ルートになります。
2. 最初のサインは目に出る|まぶたが下がる・物が二重に見える
重症筋無力症は、多くの場合目の症状から始まります。まぶたを持ち上げる筋肉と、眼球を動かす筋肉は、ごく小さな力で精密に働き続けているため、受け皿の減少の影響をいちばん早く受けるのです。
👀 眼瞼下垂(がんけんかすい)
片方、あるいは左右差をもってまぶたが下がる。上を見続けると、みるみる下がってくるのが特徴です。左右が日によって入れ替わることもあります。
👓 眼球運動障害・二重に見える
左右の目の動きがそろわず、物が二つにダブって見える(両眼性の二重視)。片目を閉じると一つに見えるのが目印です。
😑 目が閉じにくい
目を開ける筋肉だけでなく、ぎゅっと閉じる力も弱くなることがあります。顔の表情が乏しく見える原因にもなります。
🚗 生活の中での気づき
夕方の運転で標識がダブる、新聞を読むうちに見えづらくなる、写真で片目だけ眠そうに写る。ご家族の指摘が最初の受診理由になることが多くあります。
目の症状だけにとどまるタイプを眼筋型、のみこみ・手足・呼吸にまで広がるタイプを全身型と呼びます。はじめは眼筋型でも、経過のなかで全身型へ移行することがあるため、「目だけだから様子を見ましょう」と自己判断で放置しないことが大切です。
3. 決定的な手がかりは「日内変動」|朝は良く、夕方に悪くなる
重症筋無力症を疑うときに、私たちがもっとも重視するのが日内変動(にちないへんどう)です。朝や休んだ直後は軽く、夕方や使ったあとに強くなる——この「波」があるかどうかで、受診の優先度が大きく変わります。
📊 ご家族といっしょに確認できる「日内変動チェック」
| 確認すること | 重症筋無力症を疑うサイン |
|---|---|
| 朝いちばんと、夜の入浴前に顔写真を撮る | 夜の写真でまぶたの高さが明らかに違う |
| 30秒ほど、まっすぐ上を見続けてもらう | 見ているあいだにまぶたが下がってくる |
| 数分間、続けて声に出して本を読んでもらう | だんだん声が小さく・鼻に抜ける声になる |
| 食事の前半と後半を比べる | 後半にむせる・かむのに疲れて残す |
| 15〜20分ほど横になって休む | 休むと、はっきり症状が軽くなる |
※ このチェックは診断ではなく、受診の際に医師へ伝えるための「記録」です。スマートフォンで撮った朝夕の写真や短い動画は、外来でとても有力な情報になりますので、ぜひお持ちください。
逆に、朝からずっと同じ程度で、一日のなかで変化しないまぶたの下がりは、加齢によるもの(皮膚とまぶたの支えのゆるみ)である可能性が高くなります。このように「変動するか、しないか」で入口を分けていくのが、脳神経内科の診察の考え方です。
4. まちがえやすい病気との見分け方|加齢性眼瞼下垂・眼瞼けいれん・脳梗塞
「まぶたの異常」「物が二重に見える」という訴えの背景には、まったく治療方針の違う複数の病気が並んでいます。整理しておきましょう。
| 考えられる病気 | 見分けるポイント |
|---|---|
| 重症筋無力症 | 日内変動あり。痛みはない。二重に見える、声・のみこみの疲れをともなうことがある |
| 加齢性眼瞼下垂 | 数年かけてゆっくり、左右ほぼ同じように進む。日内変動はない。二重に見えることは通常ない |
| 眼瞼けいれん・眼瞼ミオキミア | まぶたが「下がる」のではなく勝手にピクピク動く・閉じてしまう。まぶしさをともないやすい |
| 脳梗塞・脳動脈の病気 | 突然発症。手足の麻痺・ろれつ障害・強い頭痛・瞳孔の左右差をともなうことがある。ためらわず救急要請 |
| 甲状腺の病気(甲状腺眼症) | 目が前に出る・まぶたが「上がる」・充血や違和感。甲状腺機能の採血で確認できる |
| ミトコンドリア病など筋疾患 | 非常にゆっくり進み、日内変動に乏しい。専門施設での精査が必要になります |
⚠ 救急車をためらわないでいただきたい場合
まぶたの下がりや二重視が突然(分〜時間の単位で)出現し、そこに片側の手足の力が入らない/言葉が出ない・ろれつが回らない/これまでにない激しい頭痛/意識がもうろうとするのいずれかが加わる場合は、重症筋無力症ではなく脳卒中や脳動脈の病気を優先して考えます。時間が結果を左右しますので、受診の相談より先に119番をお願いします。
5. 全身型のサイン|話す・飲み込む・首が疲れる、そして「クリーゼ」
症状が目だけにとどまらない場合、次のような形であらわれます。いずれも「続けているうちに弱くなる」という共通点を持っています。
🗣 話しづらさ(構音障害)
会話の後半に声が小さくなる・鼻に抜ける声になる。電話が長くなると聞き返されることが増えます。
🍚 のみこみにくさ(嚥下障害)
食事の後半にむせる、水分でせき込む、かむのに疲れて食べ残す。体重が落ちる原因にもなります。
💪 手足・首の力が続かない
洗髪で腕を上げ続けられない、階段の後半で足が出ない、首が前に垂れてくる(首下がり)。
😮💨 息苦しさ(呼吸筋の障害)
横になると苦しい、少し歩くと息が上がる。これはもっとも注意すべきサインで、後述のクリーゼにつながります。
⚠ 「筋無力症クリーゼ」を知っておいてください
のみこみと呼吸の筋力が急に低下し、人工呼吸器による呼吸の助けが必要になる状態を筋無力症クリーゼと呼びます。多くは前ぶれがあり、きっかけもはっきりしています。
きっかけになりやすいもの:かぜ・肺炎などの感染、手術や外傷、疲労・睡眠不足、出産、一部の薬剤(次章で解説)、治療薬の自己中断、ステロイド開始直後の一時的な悪化。
ただちに救急受診・救急要請をご検討いただきたいサイン:息が浅く速い/横になると息が苦しい/唾液や水でむせ続ける/声がほとんど出ない/首が上がらない。「いつもの夕方の症状」と決めつけず、短時間で悪化しているかどうかを目安にしてください。
6. いま増えているのは高齢発症|患者29,210人・発症年齢の中央値59歳
「重症筋無力症は若い女性の病気」という印象をお持ちの方は多いと思います。しかし、いまの日本の姿はかなり変わっています。
📊 数字で見る、日本の重症筋無力症(2018年 全国疫学調査ほか)
- 推定患者数 29,210人/人口10万人あたりの有病率 23.1人(2006年の15,100人から約2倍に増加)
- 発症年齢の中央値は59歳。50歳以上での発症が66.1%を占めます
- かつてピークだった5歳未満での発症は全体の2.5%にとどまります
- 男女比は 1:1.15 と、女性がやや多い程度です
出典:難病情報センター(指定難病11 重症筋無力症)/2018年全国疫学調査
つまり、この病気はいま「高齢の方に発症する病気」へと重心を移しているということです。そしてここに、大きな落とし穴があります。60代・70代で「まぶたが下がってきた」「疲れやすい」「食事でむせる」「声が出にくい」という症状が出ると、ご本人もご家族も——ときに医療者側も——加齢・フレイル・認知機能の低下・うつのせいと受け取ってしまいやすいのです。
💡 「年のせい」と「病気」を分けるひとこと
加齢による衰えは、一日を通してだいたい同じで、月単位・年単位でゆっくり進みます。重症筋無力症は一日のなかで良くなったり悪くなったりするのが本質です。診察室で私が必ずお聞きするのは「朝と夕方で、違いますか?」という一問です。ここに「はい」と答えられる衰えは、加齢ではありません。
7. 診断の進め方|採血(抗AChR抗体)・アイスパックテスト・電気生理検査・胸部CT
診断は「症状の波」を丁寧に確認したうえで、次の検査を組み合わせて進めます。特別な準備はいりませんので、まずは症状のある時間帯に受診していただくのがいちばんの近道です。
| 検査 | わかること・ポイント |
|---|---|
| 血液検査(自己抗体) | 抗アセチルコリン受容体(抗AChR)抗体は全体の約85%で陽性。抗MuSK抗体は数%に陽性。両方が陰性の方も10%未満おられ、抗体が陰性でも重症筋無力症は否定できません |
| アイスパックテスト | 下がったまぶたを数分間冷やすと一時的に開きやすくなる、体にやさしい簡易テストです |
| 反復刺激試験(電気生理検査) | 神経をくり返し刺激したときに筋肉の反応がだんだん小さくなる現象(waning)を確認します |
| 胸部CT | 胸の中央にある胸腺を確認します。胸腺腫(きょうせんしゅ)が見つかった場合は、手術(胸腺摘出)の検討対象になります |
| 甲状腺機能・ビタミンB12・血糖・HbA1cなど、似た症状を起こす別の病気や、併存する病気を同時に確認します |
⚠ 「抗体が陰性でした」で終わらせない
抗AChR抗体の陽性率は約85%ですから、10%前後の方は抗体検査だけでは診断がつきません。症状の日内変動がはっきりしている場合は、電気生理検査や経過の再評価を含めて検討します。「採血で異常なしと言われたが、夕方の症状は続いている」という方は、そのまま様子を見ずにご相談ください。
8. 治療の考え方|ガイドライン2022/2025追補版が示す「目標」と新しい薬
重症筋無力症の治療は、この10年で考え方が大きく変わりました。かつては「症状を抑えるために、ステロイドを多めに長く使う」治療が行われてきましたが、日本神経学会「重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022」、および「2025追補版」(2025年5月)が掲げるのは、まったく別の目標です。
🎯 いまの治療目標:「軽微症状(MM)」かつ「プレドニゾロン5mg/日以下」
ガイドラインは、患者さんのQOL(生活の質)と長期的なメンタルヘルスの維持を治療の基本理念に置いています。具体的な到達目標は、日常生活にほとんど支障のない「軽微症状(minimal manifestations:MM)」の状態を、プレドニゾロン5mg/日以下という少ないステロイド量で保つこと。「ステロイドをたくさん使って症状を抑え込む」ことは、もはや目標ではありません。
治療の組み立ては、ガイドラインで次のように整理されています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 基本の治療 | 少量の経口ステロイド + 免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬) + 抗コリンエステラーゼ薬で開始します |
| ② 目標に届かないとき | 早期速効性治療(EFT)を行います。ステロイドパルス療法、血液浄化療法(血漿交換など)、大量免疫グロブリン療法(IVIg)が含まれます |
| ③ 胸腺への治療 | 胸腺腫がある場合は手術(胸腺摘出)を検討します。抗体の種類や年齢などにより適応が異なります |
| ④ 分子標的治療薬 | 2022〜2024年に6種類の分子標的治療薬が承認されました。補体阻害薬や、抗体そのものを減らすFcRn(胎児性Fc受容体)阻害薬などで、治療の選択肢は大きく広がっています |
💡 新しい薬が増えても、進め方の原則は変わっていません
ガイドライン2025追補版は、6種類の新薬が加わったことを踏まえたうえで、「少量ステロイドを基本に、届かなければ早期速効性治療」という原則は現在も有効であるとして、治療アルゴリズムそのものは変更していません。新しい薬をどこに置くかは、エビデンスの蓄積を待つ段階とされています。つまり「新薬から始める」のではなく、「基本の治療で目標に届いているかを、きちんと評価する」ことが要になるということです。
なお、難病情報センターの情報によれば、約半数の方は発症後も日常生活や仕事に支障のない生活を送っておられます。一方で完全に治療が不要になる方は6%程度とされており、多くの場合は「治療を続けながら、普通の生活を保つ」という形になります。だからこそ、通いやすい場所で治療を継続できる体制が重要になります。
9. 日常生活で気をつけること|注意が必要な薬・感染・指定難病の医療費助成
この病気とつきあうなかで、ご本人とご家族に知っておいていただきたい実務が3つあります。
⚠ ①「症状を悪化させることがある薬」を自己判断で飲まない
重症筋無力症では、神経筋接合部の伝達をさらに妨げる薬があり、なかにはクリーゼのきっかけになりうるものがあります。代表的なのは、一部の抗菌薬(アミノグリコシド系・マクロライド系・キノロン系など)、一部の抗不整脈薬、筋弛緩薬、マグネシウム製剤などです。
大切なのは「これらを一生避ける」ことではなく、他院・歯科・救急を受診するときに「重症筋無力症です」と必ず伝えること、そして市販薬やサプリメントを含め、飲み始める前に主治医か薬剤師に確認することです。お薬手帳の表紙に病名を書いておく、これだけで多くのリスクを防げます。
😷 ② 感染と疲労を避ける——だからワクチンが意味を持ちます
かぜ・インフルエンザ・肺炎などの感染症は、症状の悪化やクリーゼの引き金になりえます。免疫を抑える治療を受けている方では、インフルエンザワクチン・肺炎球菌ワクチンなどによる予防が、そのまま「悪化を防ぐ治療」の一部になります。接種の可否や時期は治療内容によって異なりますので、必ず主治医とご相談ください。加えて睡眠不足・過労・暑さ・強いストレスを避けることも、実際に症状を左右します。
📄 ③ 重症筋無力症は「指定難病11」——医療費助成の対象になりえます
重症筋無力症は国の指定難病(告示番号11)です。診断基準を満たし、かつ重症度などの認定基準に該当する場合、申請により医療費の自己負担に上限が設けられる助成を受けられます。手続きは、指定医が作成する臨床調査個人票を添えて、お住まいの自治体(横浜市の方は区の窓口・保健所)へ申請します。当院は難病指定医として、書類作成のご相談にも対応しています。
🔁 3軸クロスポイント:重症筋無力症を「糖尿病」「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる
重症筋無力症は、脳神経内科だけで完結する病気ではありません。治療にステロイドを使うことで血糖が動き、症状が「もの忘れ」や「老化」と誤解され、高齢発症が主流になったことでフレイルとの境目が問題になる——当院が大切にしている3軸アプローチ(糖尿病×認知症×抗加齢を分断せずに診る)が、そのまま必要になる病気です。
🩸 軸1: 治療のステロイドと血糖——「ステロイド糖尿病」への備え
🧠 軸2: 認知症・神経系との関連——「もの忘れ」ではなく「筋力の波」
🌱 軸3: 抗加齢医学・健康寿命——「年のせい」の中に隠れる治せる病気
🏥 センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)
ここまでお読みいただいた「夕方に強まるまぶたの下がり・二重に見える・疲れやすさ」を、当院ではこのように診ています。旧・浜クリニックとして地域に親しまれてきた当院の、いまの体制をお伝えします。
理由① 脳神経内科・頭痛外来・認知症外来を併設
まぶたの症状・二重に見える・しびれ・めまい・ふるえ・もの忘れを、同じ窓口で診ることができます。頭痛外来は頭痛専門医・指導医である篠原伸顕院長が担当しています。
理由② まずは採血から始められます
抗AChR抗体・抗MuSK抗体をはじめ、甲状腺機能・ビタミンB12・血糖など、似た症状を起こす病気をまとめて確認する血液検査を当院で手配します。
理由③ ステロイド治療中の血糖を同じ法人内で管理
水曜午前は糖尿病専門外来(理事長 五藤 良将が担当)。神経の治療と血糖管理を切り分けずに進められます。
理由④ 難病指定医として、書類のご相談にも対応
重症筋無力症は指定難病11です。医療費助成の申請に必要な書類について、院内でご相談いただけます。
理由⑤ 専門医療機関との連携
電気生理検査・胸腺の手術・血液浄化療法・分子標的治療薬の導入などが必要な場合は連携医療機関へご紹介し、その後の維持治療を地域で継続して支えます。
理由⑥ 通いやすさ(夕方の症状に合わせて受診できます)
月・水・木・金は18:30まで、土曜は9:00〜14:00(休憩なし)。市営地下鉄「センター南駅」徒歩9分・駐車場4台。日曜・祝日は五良会クリニック白金高輪のオンライン診療へご案内しています。
「夕方だけまぶたが下がる」「夕方になると物が二重に見える」。
その症状がある時間帯に、一度ご相談ください。
10. 関連ブログ・関連クリニック
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重症筋無力症|夕方に強まるまぶたの下がり・物が二重に見える症状と治療 📍 ご覧の記事です
11. よくあるご質問(FAQ)
Q1. 70代です。まぶたが下がってきたのは、やはり加齢でしょうか?
A. 加齢によるまぶたの下がりは、数年かけてゆっくり、左右ほぼ同じように進み、一日のなかでは変わりません。一方で朝は軽く夕方に強くなる、左右差がある、物が二重に見える、声やのみこみも疲れるという場合は、重症筋無力症を考えて検査を行う理由になります。実際、日本では50歳以上での発症が66.1%を占め、発症年齢の中央値は59歳です。「この年齢だから加齢」という判断は、いまの実情には合いません。
Q2. 採血だけで診断できますか?「抗体は陰性」と言われたのですが……
A. 抗アセチルコリン受容体抗体は約85%の方で陽性になるため、多くの場合は採血が大きな手がかりになります。ただし抗MuSK抗体が陽性の方が数%、どちらも陰性の方が10%未満おられます。つまり抗体が陰性でも重症筋無力症は否定できません。症状の日内変動がはっきりしている場合は、電気生理検査や経過の再評価を含めて検討しますので、そのまま様子を見ずにご相談ください。
Q3. 治る病気なのでしょうか。ずっと薬を飲むことになりますか?
A. 現在のガイドラインが目指しているのは、日常生活にほとんど支障のない「軽微症状(MM)」の状態を、プレドニゾロン5mg/日以下という少ないステロイド量で保つことです。難病情報センターの情報では、約半数の方は日常生活や仕事に支障のない生活を送っておられる一方、完全に治療が不要になる方は6%程度とされています。多くは「治療を続けながら普通の生活を保つ」形になりますが、2022〜2024年に6種類の分子標的治療薬が承認され、選択肢は広がっています。
Q4. 市販のかぜ薬や、歯科で出される抗菌薬は飲んでも大丈夫ですか?
A. 重症筋無力症では、一部の抗菌薬(アミノグリコシド系・マクロライド系・キノロン系など)、一部の抗不整脈薬、筋弛緩薬、マグネシウム製剤などで症状が悪化することがあります。すべてを一生避ける必要はありませんが、受診先(他院・歯科・救急)では必ず病名をお伝えいただき、市販薬やサプリメントも飲み始める前に主治医か薬剤師にご確認ください。お薬手帳の表紙に病名を書いておくことをおすすめしています。
Q5. どの科を受診すればよいですか。医療費の助成はありますか?
A. まぶたの症状で眼科を受診される方が多く、それも自然な流れですが、日内変動や二重に見える・声・のみこみの症状があるときは脳神経内科が診断の中心になります。当院は脳神経内科・認知症外来・頭痛外来を併設しています。また重症筋無力症は指定難病11であり、診断基準と認定基準に該当する場合は申請により医療費の自己負担に上限が設けられる助成を受けられます。当院は難病指定医として書類のご相談にも対応しています。
AUTHOR / SUPERVISOR
医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)
- 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
- 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
- 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
- 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
- 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
- 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数
執筆・監修責任について
本記事は、五藤 良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。参照した主な資料は、日本神経学会「重症筋無力症/ランバート・イートン筋無力症候群診療ガイドライン2022」および「2025追補版」(2025年5月)、難病情報センター「重症筋無力症(指定難病11)」、2018年全国疫学調査です。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良ファミリークリニック センター南(045-942-7783)までお知らせください。
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理事長 五藤 良将
