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歯みがきで血が出る人は、血糖値も下がりにくい〜歯周病は「糖尿病の第6の合併症」。歯周治療でHbA1cは約0.4%下がります〜

[2026.09.09]
DIABETES & PERIODONTAL DISEASE
歯みがきで血が出る人は、血糖値も下がりにくい
〜歯周病は「糖尿病の第6の合併症」。歯周治療でHbA1cは約0.4%下がります〜

医療法人社団 正友会 理事長・五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)より、糖尿病と歯周病の「双方向の悪循環」と、その断ち切り方をわかりやすくお伝えします。

糖尿病内科 歯周病・医科歯科連携 HbA1c改善 横浜市都筑区センター南

― 理事長より、はじめに ―

こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。水曜日の糖尿病専門外来で、こんなご相談をよくいただきます。「食事も運動もがんばっているのに、HbA1cがどうしても下がりません」。そこで何気なくお聞きします。「歯みがきのとき、血が出ませんか?」――すると、多くの方がハッとした表情で「出ます……でも、それは歯医者の話ですよね?」とおっしゃいます。

結論からお伝えします。歯周病は「糖尿病の第6の合併症」と位置づけられており、糖尿病と歯周病はお互いを悪化させ合う"双方向の関係"にあります。そして歯周病をきちんと治療すると、HbA1cは平均でおよそ0.4%下がることがわかっています。これは、飲み薬を1剤追加したときに匹敵しうる大きさです。

本記事では、旧・浜クリニックとして地域に親しまれてきた当院の糖尿病内科の視点から、なぜ歯ぐきの炎症が血糖値を押し上げるのか、そのメカニズムと数字、ご自宅でできるセルフチェック、そして「医科歯科連携」の実際までを、ご家族にも読んでいただける形で整理してお伝えします。

1. 歯周病は「糖尿病の第6の合併症」です

糖尿病の合併症といえば、多くの方が「し・め・じ」(神経障害・目/網膜症・腎症)を思い浮かべます。これに大血管障害(心筋梗塞・脳梗塞)と足病変を加えた5つが古典的な合併症です。そこに6番目として国際的に加えられたのが、歯周病です。

日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』でも歯周病は糖尿病の合併症として明確に扱われ、日本歯周病学会『糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン(改訂第3版・2023年)』とあわせて、糖尿病の方には定期的な歯科受診が推奨されています。つまり歯周病は「歯医者さんの領域」ではなく、内科の治療計画に組み込むべきテーマなのです。

📊 まず知っていただきたい数字

  • 糖尿病のある方の歯周病リスクは、ない方のおよそ2〜3倍
  • 日本では35歳以上のおよそ半数に、深さ4mm以上の歯周ポケットが認められます(令和4年 歯科疾患実態調査)
  • 歯周病治療を行うと、3〜4か月後のHbA1cが平均約0.4%低下(Cochrane Review 2022)
  • 重度の歯周病があると、糖尿病そのものの発症リスクも上昇すると報告されています

💡 「第6の合併症」という言葉の意味

網膜症や腎症は「糖尿病が原因で起こる」一方通行の合併症です。ところが歯周病だけは糖尿病→歯周病と歯周病→糖尿病の両方向に作用します。私はこれを外来で「ダブルジオパディ(二重の危険)」とご説明しています。裏を返せば、どちらか一方を治療すれば、もう一方も同時に良くなる——数少ない「一石二鳥」の合併症でもあるのです。

2. なぜ歯ぐきの炎症で血糖値が上がるのか

「口の中の話が、どうして血液の糖に関係するのですか?」——外来で必ず出る質問です。鍵になるのは慢性炎症とインスリン抵抗性という2つのキーワードです。

中等度以上の歯周病では、歯ぐきの内側に手のひら1枚分に相当するといわれる潰瘍面ができています。そこは血管が豊富で、歯周病菌やその毒素(内毒素・LPS)が血流に乗って全身へ入り込みます。すると体は防御反応としてTNF-αやIL-6といった炎症性サイトカインを放出します。

このTNF-αが厄介で、筋肉や肝臓・脂肪でのインスリンの効きを直接鈍らせます。つまり同じ量のインスリンが出ていても糖を細胞へ運び込めなくなる——これがインスリン抵抗性です。結果として、食事も運動も変えていないのにHbA1cが下げ止まるという現象が起こります。

📊 これは何を意味するのか?

歯周病は「口の中の局所の病気」ではなく、全身をじわじわ燃やし続ける小さな火事です。メタボリックシンドロームの内臓脂肪が慢性炎症の火種になるのと、まったく同じ仕組みが口の中でも起きています。だからこそ、血糖・血圧・脂質と並べて「歯ぐき」も管理項目に入れる必要があるのです。

🦷 ① 細菌と毒素の侵入

歯周ポケットの潰瘍面から、細菌とその内毒素が毛細血管へ入り込みます。

🔥 ② 炎症性サイトカインの放出

TNF-α・IL-6・CRPが上昇し、全身が「慢性炎症モード」になります。

🩸 ③ インスリン抵抗性の悪化

インスリンが効きにくくなり、空腹時血糖・食後血糖・HbA1cが押し上げられます。

🔁 ④ 高血糖が歯周病を悪化

上がった血糖が免疫力と修復力を落とし、歯周病がさらに進む——悪循環の完成です。

3. 逆方向:糖尿病が歯周病を悪化させる4つの理由

今度は逆向きの矢印です。高血糖の状態が続くと、歯ぐきには次の4つの不利が重なります。

メカニズム 歯ぐきに起きること
① 免疫細胞の機能低下 高血糖で好中球の働きが鈍り、歯周病菌を排除しきれなくなります。
② AGEs(終末糖化産物)の蓄積 歯を支えるコラーゲンが糖化して硬くもろくなり、骨の吸収が進みます。
③ 微小血管障害 歯ぐきの毛細血管が傷み、酸素と栄養が届かず治りが遅くなります。
④ 唾液の減少(口腔乾燥) 高血糖による多尿・脱水で唾液が減り、口の自浄作用と抗菌力が落ちます。

⚠ 「口が渇く」は高血糖のサインかもしれません
口腔乾燥は、糖尿病のごく初期からみられるサインのひとつです。「最近やたらと水が飲みたい」「朝、口の中がカラカラ」という自覚があれば、歯科の前にまず血糖の検査をおすすめします。

4. 数字で見る「双方向の関係」──歯周治療でHbA1cは下がる

ここが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。歯周病を治療すると、血糖コントロールが実際に改善します。世界中の臨床試験をまとめたCochrane系統的レビュー(2022年、Simpsonら)では、2型糖尿病のある方に歯周基本治療(歯石除去・スケーリングルートプレーニング)を行うと、3〜4か月後のHbA1cが対照群より約0.4%低いという結果が示されました。12か月後でも約0.3%の差が保たれています。

📊 HbA1c 0.4%という数字の重み

「たった0.4%」と思われるかもしれません。しかしこれは、経口血糖降下薬を1剤追加したときの効果に匹敵しうる大きさです。しかも歯周治療には低血糖も体重増加も起こりません。薬を増やす前に、まず歯ぐきを診る——私が水曜の糖尿病外来で大切にしている順番です。

介入 HbA1cの目安の変化 備考
歯周基本治療 約 −0.4% 低血糖・体重増加なし(Cochrane 2022)
1日30分の速歩き(週5日) 約 −0.5〜0.7% 身体活動・運動ガイド2023
体重の5%減量 約 −0.5%前後 血圧・脂質も同時に改善
経口血糖降下薬の1剤追加 約 −0.5〜1.0% 薬剤により副作用・費用の考慮が必要

※ 数値は代表的な報告のおおよその目安であり、個人差があります。実際の治療方針は主治医とご相談ください。

5. 歯周病セルフチェック10項目

下の項目に3つ以上当てはまる方は、歯周病が進行している可能性があります。糖尿病または境界型(予備群)と言われたことのある方は、1つでも当てはまれば歯科受診をご検討ください。

🦷 お口のセルフチェック

  • 歯みがきのとき、歯ブラシに血がつく
  • 朝起きたとき、口の中がネバネバする
  • 口臭を家族に指摘されたことがある
  • 歯ぐきが赤く腫れぼったい/押すと膿が出る
  • 歯が以前より長く見える(歯ぐきが下がった)
  • 硬いものを噛むと歯がぐらつく感じがする
  • 歯と歯のすき間が広がってきた/食べ物が詰まりやすい
  • 冷たいものがしみるようになった
  • 口の中が乾く/水をよく飲む
  • 歯科を1年以上受診していない

💡 「歯みがきで血が出る」は正常ではありません

「強くみがきすぎたから」と片づけられがちですが、健康な歯ぐきは、多少強くみがいても出血しません。出血は「そこに炎症がある」という体からの明確なサインです。手の甲をブラシでこすっても血は出ませんよね——それと同じことです。

6. 歯周病は「痛くないまま」進みます──歯科で行う検査

歯周病がやっかいなのは、糖尿病の合併症とまったく同じで自覚症状がないまま静かに進む点です。痛みが出るころには、歯を支える骨(歯槽骨)がかなり失われています。網膜症を眼底検査で、腎症を尿アルブミンで早期に見つけるのと同じように、歯周病にも数字で測る検査があります。

検査 わかること 目安
歯周ポケット測定 歯と歯ぐきの溝の深さ 3mm以下=健康/4mm以上=歯周炎/6mm以上=重度
BOP(プロービング時出血) 今、炎症が活動しているか 出血する部位の割合が低いほど良好
歯の動揺度 支えている骨の残り具合 0〜3度で評価
レントゲン(パノラマ等) 歯槽骨がどこまで溶けたか 全顎の進行度を一目で把握

📊 内科の検査値と対応させてみると

  • 歯周ポケット4mm以上 = 糖尿病でいう「合併症が始まっている」段階
  • BOP陽性 = CRPが上がっているのと同じ「現在進行形の炎症」
  • 歯槽骨の吸収 = 腎症のeGFR低下と同じく、失った分は基本的に戻りません

7. 医科歯科連携の実際──糖尿病連携手帳の使い方

日本糖尿病協会の糖尿病連携手帳には、実は歯科の記入欄があります。ところが実際にそのページが埋まっている方は、まだ多くありません。当院(日本糖尿病協会登録医)では、この手帳を内科と歯科の共通言語として活用することをおすすめしています。

📖 ① 手帳を歯科にも持参する

HbA1cの値を歯科医師が知ることで、抜歯や外科処置の安全性判断が的確になります。

🤝 ② 歯科の所見を内科へ戻す

歯周病の重症度がわかると、HbA1cが下げ止まる理由の説明がつくことがあります。

💊 ③ 服薬情報の共有

抗血栓薬・骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート等)・SGLT2阻害薬の情報は歯科処置に直結します。

📅 ④ 受診間隔をそろえる

内科3か月ごと/歯科3〜4か月ごとに合わせると、通院の負担なく両輪で管理できます。

⚠ 歯科処置の前に知っておいていただきたいこと
抜歯やインプラントなどの外科処置では、血糖コントロールが不良(目安としてHbA1c 8.0%以上)だと感染や治癒遅延のリスクが高まります。歯科から「内科で血糖を整えてから」と言われた場合は、遠慮なく当院にご相談ください。また、SGLT2阻害薬を服用中の方は処置前後の休薬を検討することがあります。自己判断で中止せず、必ず主治医にご確認ください。

🏥 当院(センター南)でできること

  • 水曜日の糖尿病専門外来で、HbA1c・血糖の推移と歯ぐきの状態をあわせて評価します
  • 歯科での処置に必要な血糖コントロール状況の情報提供を行います
  • 口腔乾燥・口臭が気になる方には、糖尿病の有無をまず血液検査で確認します
  • 慢性炎症の観点から、認知症外来・抗加齢の視点もあわせてご説明します
  • 心療内科専門外来(火曜午前)と連携し、ストレスによる歯ぎしり・食いしばりのご相談も承ります

8. 今日からできる7つのセルフケア

🪥 ぜひ取り入れていただきたい7つ

  • ① 歯間清掃を「毎日1回」:歯ブラシだけでは歯垢の約6割しか落ちないとされます。デンタルフロスまたは歯間ブラシを足すと8〜9割まで届きます。夜だけで十分です。
  • ② 夜のみがきに3分かける:就寝中は唾液が減り細菌が最も増えます。1日のうち夜が最重要です。
  • ③ 力を入れず「小刻みに」:毛先を歯と歯ぐきの境目に45度で当て、軽い力で小刻みに動かします。ゴシゴシは逆効果です。
  • ④ 禁煙:喫煙は歯周病の最大級の危険因子です。血管が収縮するため出血しにくく、発見が遅れるという落とし穴もあります。
  • ⑤ よく噛んで、ゆっくり食べる:唾液が増えて口の自浄作用が高まり、食後の血糖上昇もゆるやかになります。一石二鳥です。
  • ⑥ だらだら食べ・甘い飲み物を控える:口の中が酸性の時間が延びると、むし歯と歯周病の両方が進みます。
  • ⑦ 3〜4か月ごとの歯科定期受診:歯石は自分では取れません。プロのクリーニングが最も確実です。

💡 まず1つだけ、と言われたら

私が外来で必ずおすすめするのは①のフロス(歯間清掃)です。歯周病が最初に始まるのは歯と歯の間で、そこは歯ブラシの毛先がどうしても届きません。夜、1日1回。これだけで2週間ほどで出血が減ってくる方が少なくありません。

9. 歯を失うことの本当の怖さ──咀嚼・低栄養・フレイル

歯周病の行き着く先は抜歯です。日本人が歯を失う原因の第1位は、むし歯ではなく歯周病だと報告されています。そして歯を失うことの本当の怖さは、見た目でも食事の楽しみだけでもありません。健康寿命そのものが縮むという点にあります。

噛む力が落ちると、無意識のうちにやわらかいもの=炭水化物中心の食事に偏ります。肉・魚・野菜が減り、たんぱく質不足から筋肉が落ちる。これがサルコペニアであり、フレイルの入り口です。同時に、糖質に偏った食事は食後高血糖を招き、血糖コントロールをさらに難しくします。

📊 「オーラルフレイル」という考え方

日本歯科医師会が提唱するオーラルフレイルとは、「滑舌が落ちる」「わずかにむせる」「硬いものが食べにくい」といったごく小さな口の衰えのことです。これを放置すると、咀嚼機能の低下 → 低栄養 → 全身のフレイル → 要介護、という下り坂に入ります。「8020(80歳で20本)」は、単なる歯の本数の目標ではなく、健康寿命の指標なのです。

💡 センター南で大切にしている視点

日本人の健康寿命と平均寿命のギャップは、およそ男性8〜9年・女性11〜12年とされています。この「支援や介護を必要とする年月」を短くする鍵のひとつが、実はお口です。血糖・血圧・脂質と同じ重みで、歯ぐきと噛む力を守る——これがセンター南の3軸アプローチの実践形です。

🔁 3軸クロスポイント:歯周病を「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる

当院が掲げる3軸クロス診療(糖尿病×認知症×抗加齢)の視点で歯周病を眺めると、この病気が「歯の問題」ではまったくないことがはっきり見えてきます。共通するキーワードは、たったひとつ——慢性炎症です。

🩸 軸1: 糖尿病・生活習慣病との関連

本文で述べたとおり、歯周病はインスリン抵抗性を介してHbA1cを押し上げます。さらに歯周病由来の慢性炎症は動脈硬化にも関与し、心筋梗塞・脳梗塞のリスク上昇との関連が複数の研究で指摘されています。血糖・血圧・脂質を整えているのに頸動脈エコーの所見が改善しない——そんなときは、口の中に「見落とされた火種」が残っていないかを疑う価値があります。関連記事:メタボリックシンドロームが脳梗塞を招くメカニズム

🧠 軸2: 認知症・神経系との関連

福岡県久山町研究をはじめとする日本の疫学研究では、残っている歯が少ない人ほど認知症の発症リスクが高い傾向が報告されています。噛むという行為そのものが脳血流を増やす刺激であること、歯を失うと会話や外出の機会が減ること、そして歯周病による慢性炎症が脳にも影響しうること——複数の経路が想定されています。近年は歯周病菌(P. gingivalis)とアルツハイマー病の関連を示唆する報告もありますが、これはまだ因果関係が確定した段階ではなく、研究途上のテーマです。過度に恐れる必要はありませんが、「歯を守ることは脳を守ること」という方向性は、現時点の知見と矛盾しません。関連記事:レビー小体型認知症の症状・アルツハイマー型との違い

🌱 軸3: 抗加齢医学・健康寿命

抗加齢医学では、老化を加速させる主犯格として慢性炎症(インフラメイジング)と糖化(AGEs=終末糖化産物)の2つを重視します。歯周病はその両方に同時に関わる、きわめて珍しい病態です。歯ぐきの炎症が全身の炎症レベル(CRP)を押し上げ、高血糖によるAGEsが歯を支えるコラーゲンを劣化させる。つまり歯ぐきは「老化の見える化」ができる窓でもあるのです。80歳で20本の歯を保つ「8020」は、抗加齢医学的にみても最も費用対効果の高い健康投資のひとつだと私は考えています。

10. 関連ブログ・関連クリニック

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11. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 歯ぐきの治療をすれば、糖尿病の薬は減らせますか?

A. 「減らせます」と断言はできませんが、減薬を検討できる状態に近づく方はいらっしゃいます。歯周治療によるHbA1cの改善は平均で約0.4%です。もともとHbA1cが7.2%前後で薬を1剤使っている方なら、歯周治療+生活習慣の見直しで目標域に入り、減量を相談できるケースがあります。ただし自己判断での中断は危険ですので、必ず治療後3か月のHbA1cを確認してからご相談ください。

Q2. 痛くもかゆくもないのですが、歯科に行く必要がありますか?

A. はい、症状がないうちに行っていただきたいのが歯周病です。網膜症や腎症と同じで、自覚症状が出るころには進行しています。糖尿病または境界型と言われたことがある方は、症状の有無にかかわらず3〜4か月に1回の歯科定期受診をおすすめします。

Q3. 電動歯ブラシに替えれば、フロスはしなくてよいですか?

A. 残念ながら、どちらも必要です。電動歯ブラシは歯の表面を効率よく清掃してくれますが、歯と歯の接触点の下——歯周病が最初に始まる場所——には毛先が届きません。電動歯ブラシ+フロス(または歯間ブラシ)の組み合わせが最強です。

Q4. 抜歯を予定していますが、HbA1cが高いと言われました。どうすればよいですか?

A. 目安としてHbA1c 8.0%以上では、感染や治癒遅延のリスクが高まるため、歯科から内科受診を勧められることがあります。当院では、歯科と連携しながら数週間〜数か月で血糖を整え、安全に処置が受けられる状態を目指します。急を要する感染がある場合は、抗菌薬の併用など歯科医師の判断が優先されますので、まずは歯科医師にご相談のうえ、その内容をお持ちください。

Q5. 歯周病は、家族にうつりますか?

A. 歯周病菌そのものは、食器の共有やキスなどで移行しうることが知られています。ただし菌がいるだけでは発症せず、血糖コントロール・喫煙・免疫・清掃状態といった宿主側の条件が揃って初めて進行します。過度に神経質になる必要はありませんが、ご家族そろってのケアと定期受診が、結果的にいちばん効率的です。

Q6. センター南で、歯周病の検査はできますか?

A. 歯周ポケット測定などの歯科的検査は歯科医院で行っていただきます。当院(内科・糖尿病内科)では、血糖・HbA1c・炎症反応(CRP)の評価、歯科処置に必要な全身状態の情報提供、そして歯ぐきの状態を踏まえた治療計画の立て直しを担当します。水曜日の糖尿病専門外来のほか、通常の内科外来でもご相談いただけます。

執筆|医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)

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