メニュー

「そこに、子どもがいる」と父が言う 〜レビー小体型認知症の症状・アルツハイマー型との違い・治療を認知症外来が解説〜

[2026.09.08]

【お知らせ】心療内科専門外来の終了について(2026年10月追記)

火曜午前の心療内科専門外来を担当していた阿部靖彦 医師は、2026年9月末をもって退職いたしました。これに伴い、当院の心療内科専門外来は2026年9月で終了しております。本記事中の心療内科に関する記載は掲載当時の内容です。
2026年10月からの火曜午前は、玉井博修 医師による消化器内科・肝臓内科の専門外来となりました。また、月・水・木・金曜の午後診療は18:30まで延長しております。

DEMENTIA WITH LEWY BODIES
「そこに、子どもがいる」と父が言う
〜レビー小体型認知症の症状・アルツハイマー型との違い・治療を認知症外来が解説〜

医療法人社団 正友会 理事長・五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)より、幻視・寝言・歩きにくさが結びつく「3番目に多い認知症」の本質をわかりやすくお伝えします。

レビー小体型認知症 幻視 認知症外来 横浜市都筑区・センター南

― 理事長より、はじめに ―

こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。「父が、誰もいない廊下を指して『子どもが立っている』と言うんです。認知症でしょうか。それとも、幻覚が出るなんて精神科なのでしょうか」——認知症外来で、ご家族から本当によくいただくご相談です。しかもよくよく伺うと、「そういえば数年前から、寝ている間に大声で叫んだり、手足を振り回したりしていました」「最近、歩幅が狭くなって転びやすい」と続くことが少なくありません。

結論からお伝えします。「はっきり見える幻視」「寝言・寝ぼけて暴れる」「動作が遅く転びやすい」「日によって別人のように調子が違う」——この4つが揃うとき、それはレビー小体型認知症(DLB)の可能性が高く、しかも“やってはいけない薬”があるため、自己判断や市販薬での対応がもっとも危険な認知症です。

本記事では、日本人の認知症の約4.3%を占め、アルツハイマー型・血管性に次いで3番目に多いとされるレビー小体型認知症について、アルツハイマー型との決定的な違い、発症の5〜10年前から現れる“前ぶれ”、当院・旧浜クリニックの認知症外来で行う検査の流れ、そして絶対に避けたい薬までを、ご家族の目線で整理してお伝えします。

1. レビー小体型認知症とは〜「3番目に多い認知症」の正体

レビー小体型認知症(Dementia with Lewy Bodies:DLB)は、α-シヌクレインというたんぱく質が異常に固まった「レビー小体」が、脳の広い範囲の神経細胞にたまることで起こる認知症です。同じレビー小体が主に脳幹(黒質)にたまるとパーキンソン病になります。つまりDLBとパーキンソン病は“親戚”のような病気で、症状が重なり合うのはそのためです。

📊 日本の認知症の内訳(厚生労働省研究班・都市部調査より)

アルツハイマー型認知症 67.6%/脳血管性認知症 19.5%/レビー小体型認知症 4.3%/前頭側頭型認知症 1.0%
※欧米の剖検研究ではDLBが認知症全体の10〜20%を占めるという報告もあり、「実際にはもっと多いのに、見逃されている」と考えられています。

なぜ見逃されるのか。理由はシンプルで、DLBは「もの忘れ」から始まらないことが多いからです。初期に記憶障害が目立つのは約60%にとどまり、残りは幻視・寝言・歩きにくさ・うつ症状・便秘といった「認知症らしくない症状」で始まります。その結果、精神科でうつ病と診断されたり、整形外科で腰の病気とされたり、「年のせい」で片づけられたまま何年も経ってしまうのです。

💡 ここがポイント

DLBは「早期に正しく診断できれば、暮らしの質が大きく変わる認知症」です。適切な薬を選べば幻視やぼんやりが軽くなり、逆に不適切な薬を一度使っただけで寝たきりに近い状態まで悪化することがあります。だからこそ、「診断がつくかどうか」そのものが治療なのです。

2. アルツハイマー型との決定的な違い【比較表】

ご家族が最初に気づく違いを表にまとめました。診察室で「どちらに当てはまりますか?」とお見せしている一覧です。

比べるポイント レビー小体型認知症 アルツハイマー型認知症
最初の症状 幻視・寝言・歩きにくさ・うつ・便秘 最近のことを忘れる(記憶障害)
調子の波 日・時間単位で大きく変動(別人のよう) 比較的一定で、ゆるやかに進行
幻視 初期から高頻度。人・小動物・虫が鮮明に見える まれ。出ても進行してから
歩行・転倒 早期から小刻み歩行・転びやすい 中期以降まで歩行は保たれやすい
睡眠 大声の寝言・手足を振り回す(RBD)/日中の強い眠気 夜間の徘徊など(RBDは典型的でない)
自律神経症状 頑固な便秘・立ちくらみ・失神・発汗異常 目立たない
薬への反応 抗精神病薬に極めて過敏(危険) 過敏性は一般に軽い

📊 見分けの決め手は「もの忘れ以外」

ご家族が受診時に伝えるべきは、もの忘れの程度よりも「寝言」「幻視」「転倒」「便秘」の4つです。この4つを最初の5分でお話しいただけると、診断はぐっと早くなります。スマートフォンで寝ているときの様子や歩き方を動画で撮ってお持ちいただくのも、非常に有用です。

3. 中核症状①「認知の変動」と②「幻視」

2017年に国際的に改訂されたDLB臨床診断基準(McKeithら, Neurology 2017)では、①認知の変動 ②幻視 ③レム睡眠行動障害 ④パーキンソニズムの4つが「中核的特徴」とされ、このうち2つ以上があれば臨床的にDLBの可能性が高いと判断します。まず①と②を見ていきましょう。

🔁 ①認知の変動(ゆらぎ)

「午前中はしっかり新聞を読んでいたのに、午後は一日中うとうとして会話にならない」「昨日は普通だったのに、今日は自分の家がわからない」——この日・時間単位の大きな波がDLBの特徴です。

ご家族が「調子のいい日を見てしまう」ために受診が遅れる、という悩ましい面もあります。実際、外来にお越しになった日がたまたま「良い日」だと、認知機能検査の点数が高く出てしまうことも珍しくありません。ご自宅での“悪い日”の様子こそ、診断に必要な情報です。

👀 ②幻視(本人には本当に「見えて」いる)

DLBの幻視は、ぼんやりした影ではありません。「知らない子どもが座っている」「小さな虫が床を這っている」「亡くなった母が台所に立っている」——このように具体的で、色や形まではっきりしているのが典型です。

しかも初期は本人が「見えたこと」をはっきり覚えている点が、意識が混濁するせん妄との大きな違いです。また、カーテンのしわが人の顔に見える、ハンガーにかけた服が人に見えるといった「錯視(見間違い)」も高頻度で、暗がりや薄暮どきに増えます。

💡 ご家族へ:幻視への向き合い方(詳しくは第9章)

「そんなものいないでしょう」と強く否定すると、ご本人は「家族に信じてもらえない」と傷つき、不安・興奮が強まります。まずは「そう見えるんですね」と受けとめ、一緒にその場所を見に行って明かりをつける——これだけで幻視が消えることが少なくありません。

4. 中核症状③レム睡眠行動障害〜5〜10年前からの警告

レム睡眠行動障害(RBD:REM sleep Behavior Disorder)は、この記事でもっとも知っていただきたい症状です。健康な人は夢を見ている間、体の筋肉がゆるんで動けなくなっています。ところがRBDでは、この仕組みが働かず「夢の内容をそのまま体で演じてしまう」のです。

😱 大声の寝言・怒鳴り声

「やめろ!」「こら!」など、はっきりした叫び声。内容が聞き取れることが多い。

🥊 手足を振り回す

追われる・襲われる夢が多く、殴る・蹴る動作に。隣で寝ている配偶者がケガをすることも。

🛏 ベッドから転落

飛び起きて壁にぶつかる、階段から落ちるなど、実際の外傷につながる。

😌 起こすとすぐ我に返る

声をかけると比較的すぐ覚醒し、「◯◯に追われる夢を見ていた」と説明できる。

📊 RBDは「認知症の5〜10年前」に現れる

RBDは、DLBやパーキンソン病の認知・運動症状が出る5〜10年前(時に20年前)から始まることが知られています。国際共同研究(Postumaら, Brain 2019, 1,280例)では、RBDと診断された方が神経変性疾患を発症する率は年間およそ6.3%、追跡12年で約73.5%に達したと報告されました。

つまりRBDは、「将来の認知症・パーキンソン病を、もっとも早く教えてくれるサイン」です。これは怖い話ではなく、予防に使える時間が10年あるということでもあります。

⚠ ただし「寝言=RBD」ではありません

いびきが強く、息が止まってもがくように暴れる場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)による覚醒反応のことがあります。また、抗うつ薬の副作用でRBD様の症状が出ることもあります。見分けには専門的な評価が必要ですので、自己判断せずご相談ください。

5. 中核症状④パーキンソニズム〜転倒・骨折という最大のリスク

パーキンソニズムとは、動作緩慢(動きが遅い)・筋強剛(体が固い)・安静時振戦(じっとしているときのふるえ)といった、パーキンソン病に似た運動症状のことです。DLBでは手のふるえより「動きの遅さ」「体の固さ」「姿勢の不安定さ」が前に出やすいのが特徴で、ご家族は「ふるえがないから違う」と思い込みがちです。

🚶 ご家族が気づきやすい「歩き方」のサイン

  • 歩幅が狭くなり、すり足で「ペタペタ」歩く
  • 歩き出しの一歩目が出ない(すくみ足)
  • 前かがみの姿勢で、腕の振りが片方だけ小さい
  • 方向転換のときによろける/後ろに引っぱられると倒れてしまう
  • 椅子から立ち上がるのに手をつく回数が増えた
  • 表情が乏しくなり「怒っている?」と誤解される(仮面様顔貌)

⚠ 「起立性低血圧 × パーキンソニズム」という二重の危険(ダブルジオパディ)

DLBでは自律神経も障害されるため、約50%の方に起立性低血圧がみられます。立ち上がった瞬間に血圧が下がってふらつくところへ、姿勢を立て直す反射も鈍っている——この組み合わせが、大腿骨頸部骨折という寝たきりの最大の入口をつくります。

だからこそ当院では、認知症外来で必ず臥位・立位の血圧測定を行い、ご自宅の段差・照明・スリッパ・浴室の手すりまで含めた転倒予防の具体策をお話ししています。

6. 見逃されがちな前ぶれとご家族のセルフチェック

DLBは、中核症状が出そろうずっと前から、体のあちこちに小さなサインを出しています。特に「頑固な便秘」「においがわからない」「うつっぽさ」の3つは、10年以上前から始まることがある“前駆症状”です。

✅ ご家族セルフチェック(当てはまる項目に☑)

□ 夜、大きな寝言を言う・手足を振り回す・ベッドから落ちる
□ 「いない人・動物・虫」が見えると言う
□ ハンガーの服やカーテンを人と見間違える
□ 日によって、時間によって、しっかり具合が大きく違う
□ 昼間、話しかけてもうとうとしている時間が長い
□ 歩幅が狭くなった・転びやすくなった・すくみ足がある
□ 立ち上がるとふらつく、失神したことがある
□ 何年も続く頑固な便秘がある
□ においがわかりにくくなった(料理の焦げに気づかない)
□ 意欲が落ちて「うつ」と言われたが、抗うつ薬があまり効かない

→ 3つ以上当てはまる場合、とくに上から2つのどちらかがある場合は、一度、認知症外来・脳神経内科でのご相談をおすすめします。

💡 「うつ病」と診断されている方こそ、ご注意を

DLBは高齢期のうつ症状で発症することがあり、抗うつ薬の効きが悪い・副作用ばかり強く出るという経過をたどりがちです。当院は火曜午前に心療内科専門外来を設けており、こころの症状と神経の病気を切り分けながら診ていくことができます。「精神科か、神経内科か」で迷われる必要はありません。まずはご相談ください。

7. 診断の進め方〜センター南の認知症外来でできること

DLBの診断は「画像でひと目でわかる」ものではなく、症状の丁寧な聞き取り+検査の組み合わせで行います。2017年の国際診断基準では、中核的特徴に加えて「指標的バイオマーカー」が重視されるようになりました。

検査 何がわかるか 実施場所
問診・ご家族からの聴取 中核症状4項目の確認。診断の8割はここで決まります 当院
認知機能検査(MMSE・HDS-R等) 注意力・視空間認知の低下。DLBでは時計描画や図形模写が苦手になりやすい 当院
起立性血圧測定・自律神経評価 起立性低血圧の有無(転倒リスクの評価) 当院
血液検査 甲状腺機能低下症・ビタミンB12欠乏・低血糖など「治せる認知症もどき」の除外 当院
頭部MRI/CT 慢性硬膜下血腫・脳梗塞・水頭症の除外。DLBでは海馬萎縮が比較的軽い 連携医療機関
MIBG心筋シンチグラフィ 心臓の交感神経の障害を見る。DLBで取り込み低下(指標的バイオマーカー) 連携医療機関
DAT-SPECT(ドパミントランスポーター) 脳内ドパミン神経の減少を見る(指標的バイオマーカー) 連携医療機関
睡眠ポリグラフ検査(PSG) レム睡眠時の筋緊張低下の消失=RBDの確定(指標的バイオマーカー) 連携医療機関

🏥 当院(旧・浜クリニック)の強み

五良ファミリークリニック センター南は、認知症外来・頭痛外来・脳神経内科を柱とし、さらに糖尿病専門外来(水曜)と心療内科専門外来(火曜午前)を併設しています。DLBのように「認知症・運動症状・自律神経・こころ・生活習慣病」がひとつながりになる病気こそ、1か所で横断的に診られることが患者さんとご家族の負担を減らします。

専門的な画像検査が必要な場合は速やかに連携医療機関へご紹介し、結果が出たあとの日常の管理は当院で継続する——この“橋渡し”が、地域のかかりつけ医としての私たちの役割です。旧・浜クリニックとして長く地域に親しまれてきた当院だからこそ、ご家族ぐるみでの長いお付き合いを大切にしています。

8.【最重要】絶対に避けたい薬〜抗精神病薬過敏性

この章だけは、DLBが疑われるすべてのご家族に読んでいただきたい内容です。DLBの方は、一部の薬に対して極端に敏感(抗精神病薬過敏性)で、通常量の半分以下でも重い副作用が出ることがあります。

⚠ 慎重投与・原則回避が必要な薬(自己判断で飲ませない)

  • 定型抗精神病薬(ハロペリドール等)——強い筋固縮・意識障害・悪性症候群を起こしうる
  • 一部の非定型抗精神病薬——必要な場合もあるが、必ず少量から、専門医の管理下で
  • 抗コリン作用のある薬——一部の胃薬・過活動膀胱の薬・古いタイプの抗うつ薬・第一世代の抗ヒスタミン薬。市販の風邪薬・鼻炎薬・睡眠改善薬にも含まれます
  • 制吐薬・めまい薬の一部——ドパミンを抑える作用でパーキンソニズムが悪化することがある

📊 「幻視を止めてください」が悪化の引き金になる

ご家族が幻視に困り果て、他院で強い薬を処方された結果、数日で歩けなくなり、飲み込みも悪くなって入院——認知症外来では、残念ながら実際に起こりうる経過です。

大切なのは順番です。まず①原因となっている薬を減らす(減薬こそ最良の治療)、次に②環境を整える、それでも生活に支障があるときにはじめて③薬を足す。この順番を守れば、多くの場合、強い薬は必要ありません。

💡 今日からできる備え:「お薬手帳に一行」

DLBまたはその疑いと言われたら、お薬手帳の表紙に「レビー小体型認知症の疑いあり/抗精神病薬・抗コリン薬に過敏」と書いておいてください。救急搬送されたとき、歯科や整形外科を受診したとき、この一行がご本人を守ります。当院でも、診断がついた方には必ずこのご説明をしています。

9. 治療と暮らしの工夫〜幻視は「否定しない」

DLBを根本から治す薬は、現時点ではまだありません。しかし症状をやわらげ、暮らしやすさを大きく改善する手段は確実にあります。日本は世界に先駆けてDLBの薬物治療を保険で使えるようにした国でもあります。

💊 薬による治療(いずれも医師の管理下で)

  • ドネペジル:日本では2014年、世界で初めてDLBに対する適応が承認されました。認知機能・幻視・認知の変動の改善が期待されます
  • ゾニサミド:DLBに伴うパーキンソニズムに対して2018年に適応追加。動作の遅さ・歩きにくさに用います
  • レボドパ製剤:パーキンソニズムに用いますが、幻視が強まることがあるため少量から慎重に
  • 抑肝散(よくかんさん):漢方薬。幻視・興奮・不眠などに用いられ、抗精神病薬より安全性が高いとされます
  • クロナゼパム・メラトニン受容体作動薬:RBD(夜間の暴れ)に対して用いられます

💡 部屋を明るく、影を減らす

薄暗さは錯視の最大の原因。廊下・トイレに足元灯を。壁の模様やハンガーの服を片づけるだけで幻視が減ります。

🛏 寝室の安全を確保する

ベッド周りの角のある家具・尖ったものを撤去。低いベッドに変える、床にマットを敷く。必要なら寝室を分けます。

🚶 転倒予防を最優先に

段差解消・手すり・滑らない靴。立ち上がりは「一度腰かけて一呼吸」。水分と塩分をこまめに。

🤝 介護保険は早めに申請

リハビリ・訪問看護・デイサービスは症状の安定に直結します。都筑区の地域包括支援センターへご相談を。当院で意見書を作成します。

💡 幻視への「3ステップ対応」

①受けとめる:「そう見えるんですね、怖かったですね」と、まず気持ちを認める。
②一緒に確かめる:その場所へ一緒に行き、明かりをつけ、触ってみる。「今はいないみたいですね」で十分です。
③話題を変える:お茶をいれる、音楽をかける、別の部屋へ移る。

否定も、話を合わせすぎることも必要ありません。ご本人が安心できるかどうかが唯一の基準です。ご家族が疲れてしまわないことも、同じくらい大切な治療の一部です。

10. 関連ブログ・関連クリニック

📚 当院ブログ・関連テーマ

🧠 手術で改善が見込める認知症「特発性正常圧水頭症(iNPH)」

歩幅が狭くなる・ぼんやり・トイレが近い——DLBと症状が重なりますが、こちらは手術で改善が期待できる認知症です。

▶ 記事を読む

⚡ その「ぼんやり」、認知症ではなく「てんかん」かもしれません

DLBの「認知の変動」とよく似た、高齢者てんかんの非けいれん発作。治療で劇的に改善する病気です。

▶ 記事を読む

✋ 手のふるえは「本態性振戦」かも?パーキンソン病との見分け方

DLBのパーキンソニズムと、ありふれた本態性振戦の違い。ふるえの「出るタイミング」が鍵になります。

▶ 記事を読む

🦵 夜、脚がむずむずして眠れない「むずむず脚症候群」

RBDと並ぶ、神経内科が扱う代表的な睡眠の病気。鉄不足との関係と治療法を解説しています。

▶ 記事を読む

👀 帰省で気づく親のもの忘れ|認知症の早期サインと受診の目安

久しぶりに会ったご家族だからこそ気づける変化。受診をすすめる言葉のかけ方まで。

▶ 記事を読む

🧓 レビー小体型認知症の症状・違い・治療

📍 ご覧の記事です

🏥 五良会グループ 姉妹クリニックの関連ブログ

DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院

糖尿病と「認知症」の深い関係|低血糖を避ける血糖管理が脳を守る

糖尿病は認知症のリスクを高め、なかでも重症低血糖の繰り返しは脳に大きな負担をかけます。「下げすぎない血糖管理」という考え方を、東京・田園調布の竹内内科小児科医院が解説しています。

▶ 記事を読む

SHIROKANETAKANAWA 五良会クリニック白金高輪

起立性低血圧・食後低血圧で転倒を防ぐ|高齢者と家族のためのチェックリスト

DLBの約半数にみられる起立性低血圧。その測り方・生活での防ぎ方を、チェックリスト形式で専門医が解説しています。転倒予防の実践編としてぜひご覧ください。

▶ 記事を読む

11. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 幻視があるのに、本人はまったく困っていないようです。それでも受診すべきですか?

A. はい、ぜひご相談ください。初期のDLBでは、ご本人が幻視を「不思議だけれど怖くない」と受けとめていることがよくあります。しかし受診の目的は幻視を消すことだけではありません。危険な薬を避ける・転倒を防ぐ・介護保険の準備をする——この3つは、症状が軽いうちに手を打つほど効果があります。「困っていない今」こそが、もっとも良いタイミングです。

Q2. 夫の寝言と寝ぼけがひどく、私が蹴られてケガをしました。どうすればよいですか?

A. まず寝室を分ける、またはベッドを離すことをご検討ください。介護される側だけでなく、ご家族の安全が守られることが最優先です。そのうえで神経内科をご受診ください。RBDには有効な薬があり、多くの方で夜間の動きが落ち着きます。また、いびきや無呼吸を伴う場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性もあり、対応が変わります。

Q3. 「レビー小体型」と診断されました。進行は速いのでしょうか?

A. 経過には個人差が大きく、一概には申し上げられません。ただし確実に言えるのは、不適切な薬・転倒・脱水・感染症・低血糖といった「引き金」を避けることで、経過は大きく変わるということです。とくに一度の転倒骨折が急激な悪化のきっかけになりますので、転倒予防は最重要の治療と考えています。定期的な通院で薬と生活を見直していくことが、いちばんの近道です。

Q4. 風邪をひいたとき、市販薬を飲ませても大丈夫ですか?

A. 自己判断での市販薬はお控えください。市販の総合感冒薬・鼻炎薬・睡眠改善薬の多くには抗コリン作用のある成分が含まれ、DLBの方ではぼんやり・幻視の悪化・尿が出にくくなるなどを招くことがあります。必ずかかりつけ医または薬剤師にご相談を。当院では、DLBの方向けに安全な解熱鎮痛薬・かぜ薬をご案内しています。

Q5. 予防はできますか? RBDがあると言われて不安です。

A. DLBを確実に防ぐ方法はまだ確立していません。ただし、高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理、有酸素運動、良質な睡眠、社会的なつながりは認知症全般のリスクを下げることが示されています(Lancet委員会 2024)。RBDがあるということは、他の方より何年も早く手を打てるということでもあります。悲観するのではなく、定期的にフォローしながら生活習慣を整えていきましょう。

Q6. 家族だけで先に相談に行ってもよいですか?

A. もちろんです。「本人が受診を嫌がる」というご相談は非常に多く、まずはご家族だけでお越しいただいて構いません。ご本人にどう声をかけるか、健康診断や持病の受診に合わせてどう組み立てるか——一緒に作戦を立てましょう。当院はセンター南駅から徒歩9分、駐車場も4台ございます。土曜は9:00〜14:00(休憩なし)で診療しておりますので、平日にお時間の取りづらいご家族もご相談いただけます。

🔁 3軸クロスポイント:レビー小体型認知症を「糖尿病」「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる

レビー小体型認知症は「脳だけの病気」ではありません。血糖・自律神経・睡眠・腸——全身がひとつながりになって現れる病気です。当院が大切にしている3軸アプローチで整理してみましょう。

🩸 軸1: 糖尿病・生活習慣病との関連

DLBの方にとって、糖尿病の合併は「二重の危険(ダブルジオパディ)」になります。理由は3つです。
①低血糖——ぼんやり・ふらつき・転倒を起こし、DLBの「認知の変動」と区別がつきにくい。②糖尿病神経障害——足の感覚が鈍り、ただでさえ不安定な歩行がさらに危うくなる。③自律神経障害の重なり——糖尿病でもDLBでも起立性低血圧が起こるため、合併すると失神・転倒のリスクが跳ね上がります。

ですからDLBの方の血糖管理は「厳しく下げる」のではなく、低血糖を起こさない安全域を保つことが第一。当院では水曜の糖尿病専門外来で、高齢者の目標値(日本糖尿病学会・日本老年医学会の合同基準)に沿った、下げすぎない設計を行っています。

🧠 軸2: 認知症・神経系との関連

DLBの診断で見落としてはならないのが、「治せる認知症もどき」との鑑別です。特発性正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、高齢者てんかん、甲状腺機能低下症、ビタミンB12欠乏、薬剤性——いずれも治療で改善が期待できます。「認知症だから仕方ない」で終わらせないために、最初の一回の評価が決定的に重要です。

もうひとつ、実臨床で重要なのがアルツハイマー病理との合併です。DLBの方の多くはアミロイドやタウの病理も併せ持つことが知られており、症状は教科書どおりに分かれてはくれません。だからこそ「一度診断がついたら終わり」ではなく、経過を追いながら見立てを更新していく——認知症外来の本当の仕事はここにあります。

🌱 軸3: 抗加齢医学・健康寿命

RBDが認知症の5〜10年前に現れるという事実は、抗加齢医学の立場から見れば「介入できる10年が手元にある」ということです。国際的な認知症予防の指針(Lancet委員会 2024)は、難聴の補正・高血圧管理・糖尿病管理・運動・社会参加・視力補正など複数の修正可能なリスク因子を挙げ、これらの是正で認知症の相当割合が予防しうると報告しています。

健康寿命と平均寿命のギャップは、日本ではおよそ男性8年・女性12年。その大半を生むのが「認知症」と「転倒骨折」であり、DLBはその両方を併せ持つ病気です。逆に言えば、DLBの方の転倒を1回防ぐことは、健康寿命を年単位で延ばす仕事にほかなりません。「老化の見える化」——歩行速度、握力、起立時血圧、HbA1c、睡眠の質を定期的に数値で追い、変化に早く手を打つ。これが当院の抗加齢医学の実践です。

執筆|医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)

五良ファミリークリニック センター南/竹内内科小児科医院/五良会クリニック白金高輪

※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。症状のご心配がある場合は、必ず医療機関にご相談ください。


GORYO FAMILY CLINIC CENTER MINAMI
五良ファミリークリニック センター南
内科・小児科・神経内科・認知症外来・頭痛外来・アレルギー科・糖尿病内科・消化器内科
内科 小児科 神経内科 認知症外来 頭痛外来
アレルギー科 糖尿病内科 予防接種 健康診断 消化器内科
※旧名称:浜クリニック
〒224-0006 神奈川県横浜市都筑区荏田東4-3-19
横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」徒歩9分/駐車場4台
診療時間 月 火 水 木 金 土 日・祝
9:00〜12:00 ○ ○ ○ ○ ○ 9:00
〜
14:00
休
15:00〜18:30 ○ 休 ○ ○ ○

休診日:火曜午後・日曜・祝日/土曜は9:00〜14:00(休憩なし)

melmoWEB予約 CLINICSWEB問診 melmo日祝は白金高輪
LINE 公式アカウント Instagram センター南公式 電話 045-942-7783

理事長 五藤 良将

HOME

最新の記事

「トイレの場所を確かめてからでないと、電車に乗れない」〜その腹痛・下痢・便秘は過敏性腸症候群(IBS)かもしれません。片頭痛との深い関係と、低FODMAP食・タイプ別の薬を理事長 五藤良将が解説〜
「手の力が入らなかったけれど、30分で戻りました」〜その一過性脳虚血発作(TIA)は、48時間が勝負です。症状・ABCD2スコア・検査を理事長 五藤良将が解説〜
「足の裏がジンジンする」「暗いところだと歩きにくい」〜しびれ・ふらつき・もの忘れが重なったら、ビタミンB12欠乏を疑います。胃と、糖尿病の薬と、胃薬の関係を理事長 五藤 良将が解説〜
「夢の中で戦っている」夜中の叫び声と手足の動き〜レム睡眠行動障害(RBD)はパーキンソン病・レビー小体型認知症の最も早いサインかもしれません。理事長 五藤良将が解説〜
「注射がこわい」お子さまへ。鼻にシュッとするだけのフルミスト、追加分のご予約受付中|対象年齢・受けられない方・注射との違いを理事長 五藤良将が解説
夜中に手がしびれて目が覚める、振ると少し楽になる〜手根管症候群の症状・頚椎との見分け方・治療を理事長 五藤良将が解説〜
「まだ見えているから、眼科は行っていません」〜糖尿病網膜症は"見えているうち"に進みます。眼底検査の頻度と、血糖を急に下げたときの落とし穴を理事長 五藤良将が解説〜
健診の腹部エコーで「膵臓に のう胞」と言われたら〜膵のう胞・IPMNと「50歳以降の急な糖尿病」が教える膵臓のサインを理事長 五藤良将が解説〜
毎週火曜の午前は「消化器内科外来」になりました〜元・川崎市立川崎病院 消化器内科部長 玉井博修医師の外来を理事長 五藤良将がご紹介〜
緊張型頭痛とは|肩こり頭痛の原因・片頭痛との見分け方・治し方を理事長 五藤良将が解説|五良ファミリークリニック センター南

ブログカレンダー

2026年10月
月 火 水 木 金 土 日
« 9月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME