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REM睡眠行動障害

[2025.08.24]

 睡眠にはREM睡眠とnon-REM睡眠があります。REMは英語の”Rapid Eye Movement(急速眼球運動)”の頭文字をとったものです。いわゆる、夢を見ている状態です。一晩の間に3~5回、約90分の間隔で出現します。夢を見ている時に眼球が左右にキュキュと素早く動いている為、この名称が付けられました。

 REM睡眠の特徴の一つは、体が脱力状態になることです。夢を見ていますが、手足が脱力状態で思うように動かせない状況が生じています。ところがこのREM睡眠時に脱力状態にならずに、見ている夢の通りに行動してしまう病気が“REM睡眠行動障害”です。夢の内容次第で自分自身がケガをしたり、もしくは一緒に寝ているパートナーにケガさせてしまったり、大暴れをして周囲の物を壊すこともあります。実際の症状としましては、寝言や大声、奇声を上げる。手足をバタバタ動かして暴れる。ベッドから転落する、周囲の物を壊す。また夢の内容を覚えている事が多いなどがある様です。
 診断には睡眠ポリグラフ検査が有用です。REM睡眠中に筋肉の緊張が低下をしていないかを確認する事が決めてとなります。

 通常、50歳以降に症状が目立つようになります。性差は男性に多い様です。一部の人はパーキンソン病やレビー小体型認知症を併発していることもあり、これらの病気の初期症状として発症することがあります。初診時だけでなく、長期にわたって注意深く観察をすることが大事です。

 夜間の行動が激しい場合には、動きを抑制するためにクロナゼパムなどの抗けいれん薬や漢方の抑肝酸などを使うことがあります。

 一緒に寝ている大切なパートナーを傷つけない為にも、もし夜間の行動を指摘されたなら脳神経内科を受診してください。

 

院長 篠原 伸顕

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