特殊な片頭痛:②脳幹型片頭痛
片頭痛には色々な亜型があります。この中には、その特殊性から片頭痛急性期薬であるトリプタン製剤か使えない特殊な片頭痛があります。
脳幹型片頭痛は、正式には脳幹性前兆を伴う片頭痛(以前は脳底動脈片頭痛)と呼ばれています。前兆としての脳幹症状(眩暈、耳鳴、構音障害、運動失調、意識障がいなど)が見られます。これらの脳幹症状と典型的な視覚異常を伴い、発作後1時間以内に頭痛が引き起こされるのが特徴です。診断には国際頭痛分類に基づき、脳幹梗塞や一過性脳虚血(TIA)などの脳血管障がいとの鑑別が必要となります。
特徴
・前兆症状:脳幹機能障がいによる様な症状が現れます。具体的には↓
・回転性眩暈、ふらつき(運動失調)
・耳鳴、難聴
・呂律障がい、構音障がい
・物が二重に見える複視
・歩行障がい(千鳥足)
・意識障がい
・他の症状:上記に加え、典型的な視覚性前兆(ギザギザ光;閃輝暗点)があるとされています。
・頭痛との関連:前兆症状の後に通常1時間以内に片頭痛発作が出現します。
鑑別診断や治療
・一過性脳虚血などの脳血管障がいが原因となる可能性を除外する為に頭部MRI検査や脳波検査が必要です。
・治療:ラスミディタン(レイボー)や抗CGRP製剤といった新しい治療薬があります。