特殊な片頭痛:①片麻痺型片頭痛
片頭痛には色々な亜型があります。この中には、その特殊性から片頭痛急性期薬であるトリプタン製剤か使えない特殊な片頭痛があります。
片麻痺型片頭痛は、片頭痛発作の時に体の片側に運動麻痺(脱力)や感覚障がい、言語障がいを伴う、まれなタイプの片頭痛です。多くは若年層に発症し、家族歴のある場合とない場合があります。脳梗塞や一過性脳虚血発作(TIA)と間違われる事があり、症状が回復しても脳萎縮が進行する可能性もあるため、早期に適切な診断がされることが大事です。
主な特徴
・運動症状(運動麻痺・脱力):片側の手足に始まる脱力や運動麻痺が起こり。時間が経つと完全に回復することが一般的ですが、まれに数週間続く場合があります。
・その他の前兆:視力障がい、感覚障がい、言語障がいなどを伴うことがあります。
・頭痛分類:国際頭痛分類では、前兆を伴う片頭痛の一型に分類されます。
・発症年齢:ほとんどの例が20歳前に発症をするとされています。
注意点
・脳梗塞との鑑別:片麻痺性片頭痛の症状は脳血管障がいと似ているために、脳梗塞や一過性脳虚血と間違われる事があります。
・脳委縮:一部には脳萎縮が進行するという報告があります。
診断と治療
・症状がある場合には頭痛専門医を受診する事が大事です。
・検査:脳梗塞との鑑別の為に、頭部MR I検査が必要です。
・治療:ラスミディタン(レイボー)や抗CGRP製剤といった新しい治療薬があります。