色々な症状を伴う頭痛-2
眼科、歯科・口腔外科、耳鼻科疾患や貧血、肝機能障害、甲状腺疾患などの内科疾患が原因で頭痛が起こる場合もあります。
前頭部や眼の周りの頭痛では眼の病気(緑内障など)の可能性もあります。副鼻腔炎(蓄膿症)や副鼻腔周囲・頭蓋底(脳の下側付近)の腫瘍などでも眼周囲、前頭部に頭痛が起こる場合があります。こめかみ~耳の後ろへの痛みの場合は、ヘルペスウイルスや耳の病気、特殊な病気である側頭動脈炎等の可能性もあります。
脳腫瘍などからの頭蓋内圧亢進(頭の中の圧が上昇)による頭痛では、嘔吐する割には吐き気が軽いことが多いのが特徴です。吐いた後でも普通に食事ができる様な場合には、頭蓋内圧亢進による頭痛が疑われます。また、起床後に強い頭痛がある場合にも慢性的な頭蓋内圧亢進の可能性もあります。
頭痛に伴って半身麻痺(体の半分が動かしづらい)、四肢麻痺(両手足が動かしにくい)、感覚障害や言葉が出にくいなど脳の異常で起る様な症状がある場合は注意が必要です。頭痛とこれらの症状の出現順序も重要です。前兆(閃輝暗点など視覚異常)を伴う片頭痛では、通常前兆としての症状が消失してから頭痛が起こりますが、脳自体の病気(脳卒中など)では、同時に起こることが多いとされています。発熱の有無は髄膜炎や脳炎の診断に重要なポイントです。
最近数か月以内に頭をぶつけた事があるかも大切です。慢性硬膜下血腫は頭部打撲後数か月(大体は2か月後くらい)して症状が出る事があります。常習飲酒者では本人に記憶がなくても、酩酊時に頭をぶつけている事があります、また高齢者では軽度の頭部打撲(家の中で転んで、畳の頭をぶつけたとか)で慢性硬膜下血腫を引き起こす事があります。
今までにない頭痛や頭痛以外に脱力、痺れ、急速に進行する認知症症状がある場合には、ぜひ頭痛専門医を受診してみてください。
院長 篠原 伸顕