メニュー

薬物乱用頭痛(medication overuse headache; MOH)

[2025.06.14]

  もともと一次性頭痛のある方が、急性期頭痛治療薬(一般的な鎮痛剤や片頭痛用のトリプタン製剤など)を頻回に服用すると、元の一次性頭痛が悪化したり、元の頭痛に加えて、薬により新たな頭痛が起きたりする場合があります。このような頭痛は「薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、medication overuse headache MOH)」といわれます。治療に難渋する厄介な頭痛です。

  MOHは女性が70~90%と圧倒的に多く、平均年齢は40~50歳代とされています。

  診断基準としましては、もともと月に15日以上も頭痛があり、そのために薬を頻回に服用する状態が3ヶ月以上続いた場合に起こるとされています。

  MOHを起こす薬には、一般的に処方される鎮痛剤、片頭痛用の薬(主にトリプタン製剤)などがあります。一般的に処方される鎮痛剤では月に15日以上、片頭痛用の薬ですと10日以上を3ヶ月以上にわたり使用する状態が続くと起こるとされています。MOHは起床時からなんとなく頭が痛くて、また薬を飲んでしまうというパターンが多いようです。厄介なのは、もともと頭痛持ちの方が、他の科(例えば整形外科)に通院し、その科の病気・症状を軽減されるためにずっと鎮痛剤がでているケースです。気が付くと以前より頭痛が治りにくくなってして頭痛外来へいらっしゃる事があります。

  さてMOHの治療ですが、結構難渋します。

  • まずMOHについて患者様に十分な説明をし、充分理解をして頂く。
  • 元の一次性頭痛の予防に必要な薬の投与や生活指導をする。
  • 原因となった乱用薬物を中止すること(これが一番やっかいです)
  • 乱用薬物中止後に起こる頭痛への対処

  MOHという疾患を認識してもらい、解決策を提示し一緒に治療をすることが大事とされています。単に今の薬をやめてくださいと言っても、患者さんも仕事や学校、家事などがありますので、なかなか素直には受け入れられないと思います。是非、頭痛専門医&指導医である私にご相談をしてください。根気強く一緒に治していきましょう。

 

  院長 篠原 伸顕

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME