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SAS(睡眠時無呼吸症候群)とCPAP(持続気道陽圧)療法について

[2024.07.29]
SLEEP APNEA & CPAP — DETECT, TREAT, PROTECT

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とCPAP療法 2026年版
〜「いびき・日中の眠気」を放置しない/脳・心臓・血糖を守る最新治療〜

医療法人社団 正友会 理事長・五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)より、SASの基礎・ESSセルフチェック・自宅検査の流れ・CPAPの保険適応条件・tirzepatide(Zepbound)の米国OSA適応(2024年12月)・舌下神経電気刺激療法・2024年改定で評価拡充されたオンライン診療と遠隔モニタリングまで、横浜・センター南のかかりつけ目線で2026年版に整理しました。

SAS外来 自宅検査PG/PSG CPAP導入・継続 オンライン診療対応

― 理事長より、はじめに ―

こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。「家族にいびきがうるさいと言われた」「夜中に呼吸が止まっていると指摘された」「会議や運転中に強烈な眠気に襲われる」「朝、頭が重くてスッキリしない」「血圧の薬を増やしても下がらない」――センター南の外来でも、こうしたお悩みでお越しになる方が年々増えています。旧名称・浜クリニックの時代から地域に親しまれてきた当院では、内科に加え神経内科・認知症外来・頭痛外来・心療内科を併設し、SASを単なる「いびきの病気」ではなく、脳・心臓・血管・血糖を守るための全身病として向き合っています。

結論からお伝えします。SASは、放置すると高血圧・心房細動・2型糖尿病・脳卒中・認知症のリスクを大きく上げる「全身病」です。一方で、自宅検査で診断でき、CPAP療法で多くの症状とリスクを取り戻せる「治療できる病気」でもあります。2024〜2026年は、tirzepatide(Zepbound)の米国OSA適応取得・舌下神経電気刺激療法の普及・CPAPオンライン診療の保険評価拡充と、SAS診療の選択肢が一気に増えた節目の時期です。

本記事では、SASの定義・3タイプ・ESS(エップワース眠気スケール)でのセルフチェックから、未治療で起こる5つの合併症(高血圧・心房細動・糖尿病・脳卒中・認知症)、自宅で受けられる簡易検査PG/精密検査PSGの違い、CPAPのしくみと費用、CPAP以外の治療法(マウスピース・舌下神経電気刺激・GLP-1/GIP製剤・減量・体位療法)、そしてセンター南の糖尿病×認知症×抗加齢「3軸クロスポイント」診療まで、ご家族目線で2026年版に整理します。お子さんから親世代まで、必ず一歩前進できる内容にしています📚。

📖 目次

  1. SASとは──「日本人900万人」「3つのタイプ」の現在地
  2. なぜSASになる?──気道が狭くなる7つの原因
  3. SASの主な症状とご家族が気づくサイン
  4. ESS(エップワース眠気スケール)でセルフチェック
  5. 放置するとどうなる?──5大合併症(高血圧・心房細動・糖尿病・脳卒中・認知症)
  6. SASの検査──自宅で受けられるPG/PSGの違いと費用
  7. CPAP療法──しくみ・効果・保険適応・費用感
  8. 当院でのSAS診療の流れ(オンライン診療・遠隔モニタリング対応)
  9. CPAP以外の治療──マウスピース・舌下神経刺激・GLP-1/GIP・体位療法
  10. CPAPを長く続けるコツ/関連ブログ・関連クリニック
  11. よくあるご質問(FAQ)
  12. 🔁 3軸クロスポイント(糖尿病×認知症×抗加齢)

1. SASとは──「日本人900万人」「3つのタイプ」の現在地

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に10秒以上の呼吸停止(無呼吸)または呼吸が浅くなる状態(低呼吸)が、1時間に5回以上繰り返される病気です。日本での有病率は全人口の約1.7%(男性 3.28%・女性 0.5%/Y. Ohta et al. Sleep 1993)と古くから知られていましたが、その後の調査では軽症含めて900万人以上がSAS該当と推計され、CPAP治療中の方は50万人を超えています。

📊 これは何を意味するのか?──未診断こそが最大の問題

SASは「いびきの病気」と思われがちですが、実際は夜間に何度も低酸素にさらされ、交感神経が興奮し、睡眠が分断される全身病です。「自分は大丈夫」と思っている方の中にこそ、軽症〜中等症の未診断SASが大量に隠れています。

💤 ご家族からの「いびきがうるさい」「呼吸が止まっていた」は、体からのSOSサイン。一度ESSセルフチェック(後述)と検査をご検討ください。

SASには大きく3つのタイプがあります。日本では90%以上が閉塞性(OSA)です🌬。

😴 ①閉塞性(OSA)約90%以上

上気道(のどの奥)が物理的に塞がるタイプ。肥満・小顎・扁桃肥大・舌根肥大・鼻づまりなどが原因。CPAP療法の主な対象です。

🧠 ②中枢性(CSA)約10%未満

脳の呼吸中枢からの呼吸指令そのものが弱まるタイプ。心不全・脳卒中後・特殊な薬剤が背景にあることが多く、CPAPに加えASV(適応補助換気)が検討されることも。

🔄 ③混合性

閉塞性と中枢性が混在するタイプ。背景疾患の評価と、CPAP導入後のデータをもとに治療方針を組み立てます。

2. なぜSASになる?──気道が狭くなる7つの原因

SASの原因は1つではなく、複数のリスク因子が重なって発症します。「太ったからSASになった」だけではない、ということを知っておくと、対策の幅がぐっと広がります。

要因 なぜ気道が狭くなる?
① 肥満 首回り・舌根・咽頭周囲に脂肪が沈着し、寝ているときに上気道が塞がりやすくなる。BMI上昇とAHIは強い相関。
② 小顎・骨格 日本人を含む東アジア人は欧米人より下顎が小さく気道が狭い。痩せていてもSASになる主因。
③ 扁桃肥大・アデノイド 小児の主因。若年成人にも残存し、痩せ型でもSASを起こす。耳鼻咽喉科で評価。
④ 鼻づまり(鼻炎・副鼻腔炎・鼻中隔湾曲) 鼻呼吸ができず口呼吸に。気道がさらに狭くなり、CPAPの装着感も悪化。
⑤ 加齢・閉経 咽頭周囲の筋緊張低下・女性ホルモン(プロゲステロン)の減少で女性も中高年以降は急増。
⑥ 飲酒・睡眠薬 咽頭筋の緊張がさらに緩み、無呼吸が悪化。寝酒・ベンゾジアゼピン系睡眠薬はSASを悪化させる代表格。
⑦ 喫煙 上気道の慢性炎症・粘膜浮腫により狭窄。禁煙はSAS治療の第一歩。

⚠ 「痩せているから関係ない」は誤解
日本人は欧米人より下顎が小さく気道が狭い骨格のため、BMIが正常でもSASを発症します。「太ってないから検査しなくていい」と判断せず、いびき・無呼吸の指摘・日中の眠気があれば、体型に関係なく検査をご検討ください。

3. SASの主な症状とご家族が気づくサイン

SASの厄介な点は、本人は眠っているため自覚しにくいこと。多くはご家族から指摘されて受診のきっかけになります。次のサインに当てはまる方は、ぜひ一度検査をご検討ください👀。

場面 こんなサインはありませんか?
就寝中 大きないびき/呼吸が止まる/むせる・あえぐ/寝汗・寝相が悪い/頻回の中途覚醒・夜間のトイレ(2回以上)
起床時 熟睡感がない/頭が重い・頭痛/のどがカラカラ/朝の血圧が高い
日中 強い眠気(会議・運転中)/集中力・記憶力の低下/易疲労感/抑うつ・イライラ/性欲低下
健診 血圧が下がらない(特に治療抵抗性高血圧)/HbA1cが下がらない/心房細動・不整脈の指摘/脂肪肝・メタボ

🚨 運転中の強い眠気は赤信号

高速道路や信号待ちで寝てしまう、車内で眠気覚ましのガムやコーヒーが必須――こうした方は、ご自身・ご家族・通行人の安全のためにも、必ず一度SASの検査を受けてください。重症のSASでは反応速度が飲酒運転と同等まで落ちることが知られています。職業ドライバー(トラック・タクシー・バス)の方は特に重要です🚗。

4. ESS(エップワース眠気スケール)でセルフチェック

日中の眠気を客観的に測るために世界中で使われているのが ESS(Epworth Sleepiness Scale)です。次の8つの場面で「うとうとする可能性」を 0〜3点で答え、合計点を計算します。11点以上でSASの疑いが強いと考えられます📝。

場面 点数(0〜3)
① 座って読書しているとき /3
② テレビを見ているとき /3
③ 人の集まる場所で座って何もしていないとき(会議・劇場など) /3
④ 1時間以上続けて車に乗せてもらっているとき(運転以外) /3
⑤ 午後、横になって休んでいるとき /3
⑥ 座って人と話しているとき /3
⑦ 飲酒なしの昼食後、静かに座っているとき /3
⑧ 運転中、信号や渋滞で数分間止まっているとき /3
合計(24点満点) /24

※ 0=決して眠くならない/1=まれに眠くなる/2=ときどき眠くなる/3=ほとんど・しばしば眠くなる

💡 結果の目安

  • 0〜10点:正常範囲(ただし いびき・無呼吸の指摘がある方は検査推奨)
  • 11〜14点:軽度〜中等度の眠気。SASの可能性があるので検査をお勧め
  • 15点以上:強い眠気。SASの可能性が高く、早めの検査を

5. 放置するとどうなる?──5大合併症(高血圧・心房細動・糖尿病・脳卒中・認知症)

SASは「眠気だけの病気」ではなく、眠っている間に全身が低酸素にさらされる病気。夜間の繰り返す低酸素・交感神経の興奮・睡眠の断片化が、長年のうちに脳・心血管・代謝に着実なダメージを与えていきます。これは「ダブルジオパディ(二重の危険)」とも呼ばれ、複数の臓器が同時に老化していくのが特徴です🩸。

領域 SAS未治療で上がるリスク 主な機序・エビデンス
高血圧 SAS合併者で約2倍。3剤併用しても下がらない治療抵抗性高血圧の合併率は約80% 夜間低酸素による交感神経亢進・血管収縮。JCS2023ガイドラインで明記。
心房細動 SAS合併率約80%。アブレーション後の再発率も高い CPAP使用で心房細動リスク約44%低下、再発抑制効果も報告。
2型糖尿病 SAS未治療で発症リスク・HbA1c悪化が上がる 睡眠分断・交感神経亢進によるインスリン抵抗性。CPAPで改善報告あり(糖尿病診療ガイドライン2024)。
脳卒中・心筋梗塞 未治療重症SASで死亡リスク約2〜3倍 高血圧・心房細動・血管内皮機能障害を介して発症リスクが累積。
認知症・アルツハイマー病 SAS合併でアルツハイマー病リスク約1.45倍(HR 1.45) 睡眠時のグリンパティック系(脳のお掃除タイム)の機能低下。2024〜2025年のメタ解析で確認。
居眠り事故 重症SASで事故率約2〜7倍 CPAP導入で事故率は健常人レベルまで低下。職業ドライバーは特に重要。

🩺 「使うか」より「どれだけ使えているか」が寿命を分ける

最新研究(RICCADSAなど)では、CPAPを1日4時間以上・週5日以上使えている方ほど心血管イベントの抑制効果が大きいことが繰り返し示されています。「CPAPは導入したけど夜中に外してしまう」では、せっかくの治療効果が出ません。当院では、最初の3か月の伴走を特に丁寧に行い、マスク・圧設定・加湿・鼻治療を粘り強く調整します🛏。

6. SASの検査──自宅で受けられるPG/PSGの違いと費用

SASの診断は、睡眠中の呼吸・酸素飽和度(SpO₂)・脳波などを測定する検査によって行います。当院では多くの方がご自宅で完結する2段階の検査で対応できます。重症度は AHI(無呼吸低呼吸指数:1時間あたりの無呼吸+低呼吸の回数)で判定します。

検査 場所 測定内容 3割負担の目安
簡易検査(PG) ご自宅 指先のSpO₂・鼻気流・いびき音・体位など 2,700円
精密検査(full PSG) ご自宅または提携施設で1泊 PG項目+脳波・眼球運動・筋電図(睡眠段階の解析) 1.1〜1.3万円(自宅型)

📐 AHI(無呼吸低呼吸指数)と重症度

  • 正常:AHI 5未満
  • 軽症:AHI 5〜15
  • 中等症:AHI 15〜30
  • 重症:AHI 30以上

📊 CPAPの保険適応基準(日本)

  • 簡易検査(PG)で AHI 40以上 → CPAP保険導入可
  • 簡易検査でAHI 20〜40の場合 → 精密検査(PSG)に進み、AHI 20以上でCPAP保険適応
  • 体位別の評価も可能(仰向けでAHI 40以上あれば適応となるケースあり)

7. CPAP療法──しくみ・効果・保険適応・費用感

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続気道陽圧療法)は、閉塞性SAS(OSA)に対する第一選択の治療です。鼻や口鼻に装着したマスクから機械的に陽圧の空気を送り、上気道(のど)の虚脱を物理的に防ぎます。睡眠中の無呼吸・低呼吸が劇的に減り、酸素飽和度が安定し、眠りが深くなります🌬。

🌬 しくみ

鼻マスクから一定の陽圧を送ることで、咽頭の虚脱・閉塞を防ぎ、気道を物理的に開いたまま保ちます。「呼吸の交通整理」とイメージするとわかりやすいです。

✨ 期待できる効果

日中の眠気・倦怠感の改善/血圧低下/心房細動再発の抑制/HbA1c改善/集中力・気分の改善/居眠り事故率の低下/長期的な心血管イベント・認知機能低下の抑制

🏥 適応

中等症〜重症の閉塞性SASが主な対象。中枢性が主体の場合はASV(適応補助換気)など他のモードも検討します。

💴 費用感(保険適応)

3割負担 月約4,000円/1割負担 月約1,300円(別途診察料)。装置・マスクのレンタル料・遠隔モニタリング加算を含む。

⚠ 「CPAPは根治ではなく管理」と知っておく

CPAPは装着している夜だけ気道を開く治療なので、外せば呼吸障害は戻ります。糖尿病の薬や血圧の薬と同じく、長く付き合う「管理の道具」とお考えください。とはいえ、CPAPで眠気が消えて運転が楽になった、朝の血圧が下がった、家族から「いびきが止まった」と言われた──こうした実感は数日〜数週間で多くの方に現れます😴。

8. 当院でのSAS診療の流れ(オンライン診療・遠隔モニタリング対応)

当院では、初診からCPAP導入・通院継続までを次のステップで進めます。2024年(令和6年)の診療報酬改定で、CPAPに関するオンライン診療と遠隔モニタリング加算(月150点)の評価が拡充され、対面通院の負担を大きく減らせるようになりました📡。

🪜 当院での標準的な流れ(最短2〜3週間でCPAP開始)

  1. WEB予約/お電話(CLINICSアプリ・melmoから予約。事前WEB問診で当日の待ち時間を短縮)
  2. 初診・対面診察:問診(ESS含む)・診察・検査の説明・自宅検査機器の貸し出し手配
  3. 簡易検査(PG):機器がご自宅に届く → 1〜2晩装着 → 返却
  4. 結果説明:AHIに応じて、CPAP導入/精密検査(PSG)/生活指導を判断
  5. 必要時:精密検査(PSG):機器がご自宅に届く(または提携施設で1泊入院)
  6. CPAP導入:機器の選定・マスクフィッティング・初期設定・使用方法の説明
  7. 導入後の通院:原則 月1回(最初の3か月は対面で課題確認)→ 3か月以降 安定すればオンライン診療+遠隔モニタリングへ切り替え可能

📡 オンライン診療・遠隔モニタリングの活用

現在のCPAP機器は通信機能内蔵で、毎晩の使用時間・AHI・マスク漏れなどのデータがクラウドに自動送信されます。これを医師が確認し、必要時にオンライン診療で対応する仕組みが、2024年度から正式に保険評価されました。

仕事や育児で通院が難しい方/センター南から遠方へ転居された方/出張や単身赴任の多い方でも、当院でCPAPを継続できる体制を整えています。日曜・祝日のオンライン診療は姉妹院・五良会クリニック白金高輪のmelmoオンライン診療枠もご利用いただけます🏥。

9. CPAP以外の治療──マウスピース・舌下神経刺激・GLP-1/GIP・体位療法

CPAPがどうしても合わない方、軽症の方、肥満が主因の方には、CPAP以外の選択肢を組み合わせます。「CPAPか、何もしないか」の二択ではありません。2024〜2025年は新しい治療が一気に増えた節目の時期です✨。

治療法 適応・特徴
口腔内装置(マウスピース/OA) 下顎を前方に保持して気道を確保。軽症〜中等症のSASやCPAPが合わない方に。歯科口腔外科で作製。
舌下神経電気刺激療法(HNS/Inspire®) 中等症〜重症で CPAPが使えない 方に、舌下神経を呼吸に同期させて刺激し舌根の落ち込みを防ぐ植込み型治療。2018年承認・2021年保険適応(AHI 20以上が目安)。実施は専門基幹病院。
減量・GLP-1/GIP受容体作動薬 肥満を伴うSASでは10%の減量でAHIが半減することも。tirzepatide(Zepbound)は2024年12月、米国FDAで中等症〜重症OSA+肥満に世界初承認(SURMOUNT-OSA試験:1年でAHIが25〜29回/時 減少、42〜50%が寛解または軽症化)。日本ではOSAに対する適応はまだですが、2型糖尿病・肥満症の治療として広く活用されています。
体位療法 仰向けで悪化する「体位依存性SAS」では、横向きを保つベルト・抱き枕などで AHI が下がることがあります。検査で体位別データを必ず確認。
鼻治療・口呼吸対策 アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎・鼻中隔湾曲は耳鼻科治療を併用。口呼吸が癖の方は、市販の口閉じテープ・加湿器の併用もCPAP継続のコツ。
外科治療 扁桃肥大・アデノイドが主因の場合の摘出術(小児や若年成人で有効)、顎顔面骨格手術など。耳鼻咽喉科・口腔外科と連携。

💡 「合わせ技」で良くなる方が多い
CPAP+減量、CPAP+鼻炎治療、マウスピース+体位療法など、組み合わせでAHIが大きく下がる方は多いです。最初のCPAPでうまくいかなくても、マスクや圧設定を変えるだけで快適になるケースが大半。「合わなかったから諦める」前にご相談ください

10. CPAPを長く続けるコツ/関連ブログ・関連クリニック

CPAPは「保険適応・月1回受診」が原則で、患者さんの経済的負担を抑える仕組みになっています。一方で、続けられるかどうかはマスクとの相性・初期2〜3週の伴走支援で大きく変わります。下記の6つを押さえれば、ほとんどの方が「夜の習慣」として続けられます🛌。

🛠 CPAPを長く快適に使う 6つのコツ

  • マスクの相性が9割:鼻マスク/鼻ピロー/フルフェイス。違和感があれば遠慮なく交換相談を。
  • 口呼吸の方は口閉じテープ:市販のいびきテープでも代用可。鼻だけで呼吸ができれば鼻マスクが最も快適。
  • 加湿は必須:特に冬場。CPAPの加湿器ユニットを必ず使い、のどの乾燥・鼻粘膜出血を防ぎます。
  • 鼻炎の積極治療:花粉症・通年性アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎は、当院(アレルギー科併設)で並行治療します。
  • 使用時間を「見える化」:毎晩の使用時間・AHIをスマホアプリでチェック。4時間/日 × 5日/週を最初の目標に。
  • 困ったら早めに連絡:CPAP取り扱い業者にも随時相談可能。一人で抱え込まないことが継続のいちばんの近道です。

🏥 五良会グループ 姉妹クリニックの関連ブログ

🔁 3軸クロスポイント:SASを「糖尿病」「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる

当院・センター南が大切にしている診療思想が、糖尿病×認知症×抗加齢の3軸クロスです。SASは「いびきと眠気の病気」ではなく、3つの軸すべてに直結する全身病。だからこそ、内科・神経内科・糖尿病内科・認知症外来を併設している地域のかかりつけ医として、私たちが担うべき役割が大きい領域です。

🩸 軸1: 糖尿病・生活習慣病との関連

SASはインスリン抵抗性を悪化させ、HbA1cが下がりにくくなる独立した要因です。治療抵抗性高血圧でのSAS合併率は約80%、心房細動でも約80%と極めて高く、CPAP治療で心房細動リスクは約44%低下と報告(JCS2023ガイドライン)。SASを治療することは、糖尿病・高血圧・脂質異常症の管理そのものの底上げにつながります。減量+GLP-1/GIP受容体作動薬(tirzepatide)の併用も、肥満を伴うSAS方の重要な選択肢になりつつあります。

🧠 軸2: 認知症・神経系との関連

睡眠中、脳はグリンパティック・システムでアミロイドβなどの老廃物を洗い流します。SASでこの「脳のお掃除タイム」が断片化されると、認知症リスクが上がります。Lancet 2024で睡眠は認知症予防の重要因子として明記され、2024〜2025年の複数のメタ解析でもOSAでアルツハイマー病リスクが約1.45倍(HR 1.45)と確認されました。当院は認知症外来・頭痛外来・神経内科を併設しているため、SASと認知機能の両方を同じ場所で評価・伴走できます。

🌱 軸3: 抗加齢医学・健康寿命

睡眠は最大の抗加齢ツール🌳。SASの夜間低酸素は酸化ストレス・慢性炎症・糖化(AGEs)を加速し、血管・脳・皮膚の老化を進めます。日本人男性で約9年、女性で約12年ある「平均寿命と健康寿命のギャップ」を縮めるには、CPAPで質の良い睡眠を取り戻すことが、抗酸化点滴やNMNなどの自由診療よりまず先に取り組むべき「土台の抗加齢」です。AGEs測定は姉妹院・竹内内科小児科医院(田園調布)、抗加齢点滴やNMNなどは五良会クリニック白金高輪2階・アンチエイジング外来でも対応できます。

11. よくあるご質問(FAQ)

Q1. いびきはうるさいけれど、自分が無呼吸かは分かりません。どうすれば?

A. ご家族にいびきを指摘されている時点で受診の根拠になります。とくに「呼吸が止まっている」と言われた・日中の眠気がある・治療中の高血圧/糖尿病があるなら、まず本記事のESSセルフチェックを行い、当院にご相談ください。検査機器はご自宅にお送りするので、入院は基本不要です。

Q2. CPAPを始めたら一生外せないのですか?

A. CPAPは「気道を機械的に開く治療」ですので、原則として続ける治療です。ただし、大幅な減量・体位の改善・鼻治療・口腔内装置の併用などでAHIが下がれば、CPAPを離脱できる方もいらっしゃいます。とくに肥満が主因の方は、減量+GLP-1/GIP製剤などで改善する可能性があります。「諦めずに減らす方向で」一緒に伴走します。

Q3. オンライン診療でCPAPの管理は可能ですか?

A. はい。CPAPは2024年(令和6年)診療報酬改定で、オンライン診療と遠隔モニタリング加算(月150点)が正式に保険評価されました。導入後3か月以上経過して安定している方は、当院でも対面とオンラインを組み合わせて継続できます。お仕事や育児で通院が難しい方、出張や引越しが多い方にも好評です。

Q4. マスクが合わなくて続けられそうにありません。

A. これは最もよくあるご相談です。鼻マスク・鼻ピロー・フルフェイスの3タイプ+多数のサイズからお顔に合うものを試せます。乾燥が気になる方は加湿器ユニットで、口が開いてしまう方は口閉じテープで対応できます。「合わなかった」で諦める前に、マスクを変える・圧を変える・加湿を強めるの順でほぼ解決できるケースが大半です。

Q5. tirzepatide(Zepbound)でSASが治ると聞きました。日本でも使えますか?

A. tirzepatide は 2024年12月、米国FDAで 「肥満を伴う中等症〜重症OSA」 に世界初承認されました(SURMOUNT-OSA試験)。日本では現時点でOSAそのものに対する適応はまだ取得されていませんが、2型糖尿病・肥満症の治療薬として使用が広がっており、結果としてSASが改善するケースが増えています。減量と並行してSASも軽くなる可能性があるため、肥満を伴う方は積極的に検討する価値があります。詳細はお気軽にご相談ください。

Q6. 出張や旅行のときCPAPは持ち運べますか?

A. 最新のCPAP機器は非常に小型・軽量で、出張カバンにも収まるサイズです。海外渡航時は変圧器の有無を確認し、機内持ち込み手続きをお勧めします。毎日装着しないと数日でAHIが元に戻るため、出張先でも装着を続けることが大切です。

Q7. 子どもや若い人もSASになりますか?

A. はい。小児は扁桃肥大・アデノイドが主因で、いびき・口呼吸・寝相の悪さ・集中力低下・成長への影響などで気づかれます。耳鼻咽喉科での評価が中心になりますが、当院は小児科併設のため、お子さんのSAS疑いについてもご相談を承ります。若年成人でも、痩せていても下顎が小さい方はSASになり得ます👶。

執筆|医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)

五良ファミリークリニック センター南/竹内内科小児科医院/五良会クリニック白金高輪


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理事長 五藤 良将

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