片頭痛・緊張型頭痛 〜頭痛専門医による診療のすすめ〜
― 理事長より、はじめに ―
こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。日本では片頭痛をお持ちの方は約840万人、緊張型頭痛は約2,000万人と推計されており、まさに国民病です。
にもかかわらず、患者さまの多くは「ただの頭痛」と思って受診せず、市販薬を飲み続けて薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)に陥っているのが現実です。「頭が痛いのは仕方ない」「自分の体質だから」とご自身を納得させて、本来の人生の質を大きく損ねている方を、私は数多く見てきました。
当院には、日本初の頭痛専門外来「東京頭痛クリニック」で6年間院長を務め、頭と顔の痛みだけを診てきた篠原 伸顕院長が在籍しています。慢性的な頭痛に苦しむ方に、新しい時代の選択肢があることを、ぜひお伝えしたく筆をとりました。
📖 目次
1. 頭痛は3つに分けて考える
頭痛診療の出発点は、まず「危険な頭痛」と「危険ではない頭痛」を区別することです。国際頭痛分類では、頭痛は大きく次の3つに分けられます。
| 分類 | 代表例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 一次性頭痛 | 片頭痛・緊張型頭痛・群発頭痛 | 脳には異常がない。慢性反復性。 |
| 二次性頭痛 | くも膜下出血・脳腫瘍・髄膜炎 | 原因疾患がある危険な頭痛。 |
| 有痛性脳神経障害 | 三叉神経痛・後頭神経痛 | 神経が原因。電撃のような痛み。 |
2. 片頭痛とは──ズキンズキン拍動性の激痛
片頭痛は、頭の片側(または両側)にズキンズキンと脈打つような中等度〜重度の痛みが4〜72時間続く一次性頭痛です。女性に多く(男性の約3〜4倍)、20〜40代に多発します。
⚡ 片頭痛の特徴
- 頭の片側または両側に拍動性の痛み(ドクンドクン)
- 動くと痛みが悪化する(階段昇降・お辞儀など)
- 吐き気・嘔吐を伴うことが多い
- 光・音・においに過敏になる
- 痛みが始まる前に「閃輝暗点」(キラキラ光る視野欠損)を伴うこともある(前兆あり片頭痛)
- 月経・天候・睡眠不足・寝過ぎ・空腹・チョコ・ワインなどが誘因
🔬 片頭痛のメカニズム(最新の理解)
かつて片頭痛は「血管が広がるから痛む」と説明されていましたが、現在では三叉神経終末から放出される「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)」という物質が、髄膜の血管拡張・神経炎症を引き起こすことが主因と理解されています。このCGRPを標的にした治療薬が、片頭痛治療を一変させました(→第6章)。
3. 緊張型頭痛とは──締めつけられる重い痛み
緊張型頭痛は、頭全体が締めつけられる、重く鈍い痛みが特徴の一次性頭痛です。最も頻度の高い頭痛で、日本人の成人の約2割が経験します。
🪨 緊張型頭痛の特徴
- 頭全体・後頭部・首筋にかけての締めつけ感(鉢巻き型)
- 痛みは軽度〜中等度。動いても悪化しない
- 吐き気は通常なし。光・音への過敏も少ない
- 肩こり・首こり・眼精疲労を伴うことが多い
- 長時間のデスクワーク・ストレス・姿勢不良が誘因
4. 片頭痛と緊張型頭痛の見分け方
片頭痛と緊張型頭痛は合併することも多く(混合型)、自己判断は意外と難しいものです。下表を参考にしながら、実際の診断は頭痛専門医にご相談ください。
| 特徴 | 片頭痛 | 緊張型頭痛 |
|---|---|---|
| 痛みの性質 | ズキンズキン(拍動性) | 締めつけられる、重苦しい |
| 部位 | 片側または両側 | 両側(後頭〜首) |
| 強さ | 中〜重度(仕事に支障) | 軽〜中等度 |
| 動作で悪化 | 悪化する | 変わらない |
| 吐き気 | あり | 通常なし |
| 光・音過敏 | あり | あっても軽度 |
| 持続時間 | 4〜72時間 | 30分〜数日 |
5. こんな頭痛は要注意──危険なサイン
以下のような頭痛は、くも膜下出血・脳腫瘍・髄膜炎など命に関わる二次性頭痛の可能性があります。一つでも当てはまる場合は、すぐに救急外来か当院へご連絡ください。
🚨 危険な頭痛のサイン(SNNOOP10)
- 「今までで最悪」「突然始まった」激しい頭痛(雷鳴頭痛)
- 50歳以降に初めて出た頭痛
- 発熱・首のこわばり・意識障害・けいれんを伴う
- 手足のまひ・しびれ・ろれつが回らない
- 視力・視野の異常
- 頭痛の頻度や強さが急に変化している
- がん・免疫不全・妊娠中の頭痛
6. 片頭痛の最新治療──CGRP関連薬の革命
片頭痛の治療は、「発作時に痛みを止める急性期治療」と「発作そのものを減らす予防療法」の二本立てです。近年、CGRPを標的とした新薬が次々登場し、頭痛治療は革命的に進化しました。篠原院長は「東京頭痛クリニック」時代に片頭痛予防注射薬の治験にも携わるなど、この分野の最前線を歩んでこられました。
💊 急性期治療(発作時に飲む薬)
- NSAIDs(ロキソニン・カロナール):軽度〜中等度の発作時の第一選択
- トリプタン製剤(イミグラン・マクサルト・レルパックス・アマージなど):中等度〜重度の片頭痛に有効。発作開始30分以内の服用が効果的
- ナルティーク(リメゲパント):2024年発売の新世代経口薬。CGRP受容体拮抗薬。トリプタン無効例にも有効
💉 予防療法(発作を減らす薬)
- 従来の経口予防薬:プロプラノロール(インデラル)、バルプロ酸、ロメリジン(ミグシス)など
- CGRP関連抗体薬(注射薬):エムガルティ・アジョビ・アイモビーグ。月1回の皮下注射で発作日数を半減以上できる方も多数
- ナルティーク:急性期と予防の両方に使える経口CGRP関連薬
💡 こんな方は予防療法をご検討ください
月に4日以上頭痛発作がある/生活への支障が大きい/急性期薬を月10日以上使う/トリプタンが効きにくい——こうした方は予防療法の良い適応です。CGRP関連抗体薬は3割負担で月12,000〜13,000円程度と高額ですが、QOLを劇的に改善するケースも多く、十分検討する価値があります。
7. 緊張型頭痛の治療と予防
緊張型頭痛の治療は、薬物療法と非薬物療法を組み合わせるのが基本です。
💊 急性期
アセトアミノフェン・NSAIDs。月10日を超える使用は注意。
💊 予防(慢性化時)
アミトリプチリン(少量)、筋弛緩薬など。
🧘 姿勢・運動
デスクワーク姿勢の改善、ストレッチ、ウォーキング。
😌 ストレス管理
十分な睡眠、リラクゼーション、認知行動療法。
8. 薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)
「市販の頭痛薬を毎日のように飲んでいる」「飲まないと不安で持ち歩く」——こうした状態が続くと、かえって頭痛が増えるパラドキシカルな現象が起こります。これが「薬剤の使用過多による頭痛(MOH:Medication Overuse Headache)」です。
⚠ 薬物乱用頭痛の診断基準
- 月15日以上の頭痛が3か月以上続く
- NSAIDs・アセトアミノフェン:月15日以上の服用
- トリプタン・複合鎮痛薬・オピオイド:月10日以上の服用
治療は原因薬剤の中止と予防療法の開始。当院では、頭痛専門医のもと安全に離脱を進めます。「市販薬がやめられない」とお悩みの方こそ、ぜひご相談ください。
9. 糖尿病・高血圧と頭痛の関係
頭痛は単独の病気のように見えても、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病と深く関わっていることがあります。
糖尿病と頭痛
高血糖(血流低下による肩こり頭痛)/低血糖(アドレナリン血管収縮による拍動痛)の両方で頭痛が起こります。糖尿病の記事もご覧ください。
高血圧と頭痛
血圧180/120以上になると頭痛が出現。「いつもと違う激しい頭痛」は脳卒中のサインかも。高血圧の記事を参照。
脂質異常症と動脈硬化
脳血管の動脈硬化進行→脳梗塞・脳出血リスク。脂質異常症の記事もあわせて。
三叉神経痛との鑑別
「片頭痛と思っていたら三叉神経痛だった」例も。三叉神経痛の記事を参照。
10. なぜ当院か──篠原院長の専門外来
頭痛診療は、「ただ薬を出す」だけではうまくいかない分野です。一人ひとりの頭痛タイプを丁寧に分類し、誘因をともに洗い出し、急性期と予防のバランスを長期的に組み立てていく——これは頭痛専門医ならではの仕事です。当院には、その第一人者である篠原院長が在籍しています。
DIRECTOR / 院長
篠原 伸顕
しのはら のぶあき / 令和7年6月就任
頭痛専門医
認知症
脳血管障害
パーキンソン病
昭和63年に大学を卒業後、大学附属病院で診療・教育・研究に従事。1999年にカナダ・オタワ大学へ医学研究留学。帰国後は大田区の池上総合病院で副院長を11年務め、救急医療の現場を支えました。
その後、日本で最初の頭痛専門外来「東京頭痛クリニック」(東京・渋谷区)の院長として6年間にわたり頭痛診療を専門に従事。片頭痛予防注射薬(CGRP関連抗体薬)の治験にも携わるなど、現代の頭痛診療の最前線を歩んでこられました。令和7年6月、五良ファミリークリニック センター南の院長に就任。
🧠 頭痛専門外来
日本初の頭痛専門外来 元院長の篠原院長が、CGRP関連薬を含む最新治療を提供。
🏥 高度医療機関連携
MRI・MRAなど精査が必要な場合、昭和大学横浜市北部病院・横浜新都市脳神経外科病院などへ速やかにご紹介。
👨👩👧 内科+頭痛をワンストップ
糖尿病・高血圧・脂質異常症の管理と、頭痛診療をひとりの主治医がまとめて担当。
🎯 個別化治療
頭痛日記の活用、誘因分析、急性期と予防のバランス調整まで丁寧に。
11. 関連ブログ・関連クリニック
📚 当院ブログ・関連テーマ
⚡ 三叉神経痛
電撃のような顔の痛みの正体
🩸 糖尿病と上手につきあう
HbA1c・薬物療法・合併症予防
💗 高血圧症の最新治療
JSH2025/130/80 mmHg時代へ
🥗 脂質異常症と動脈硬化
LDL目標値・スタチン治療
🏥 五良会グループ 姉妹クリニックのブログもご活用ください
SHIROKANETAKANAWA
五良会クリニック白金高輪
消化器内科・肝臓内科を中心に、最新の医療情報を配信。
→ ブログを見る
DEN-EN-CHOFU
竹内内科小児科医院
大田区田園調布。理事長・五藤良将監修の生活習慣病コラムが充実。
→ ブログを見る
12. よくあるご質問(FAQ)
Q1. CGRP関連抗体薬は当院で受けられますか?
A. 適応をご相談のうえ、施設要件を満たした上で対応可能です。「最適使用ガイドライン」に基づき判断しますので、まずは外来へお越しください。
Q2. MRIは当院で撮れますか?
A. 当院でMRIは撮像できませんが、必要時は連携病院(昭和大学横浜市北部病院・横浜新都市脳神経外科病院など)へ速やかにご紹介し、結果をもとに当院で継続診療します。
Q3. 妊娠中・授乳中でも頭痛治療は受けられますか?
A. はい。アセトアミノフェンなど安全性の高い薬を中心に、専門医が個別に判断します。CGRP関連抗体薬は妊娠中・授乳中は使用不可です。
Q4. 子どもの頭痛も診てもらえますか?
A. はい、当院は小児科も併設しており、お子さまの頭痛にも対応しています。お子さまの片頭痛は意外に多い疾患です。
執筆|医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将
五良ファミリークリニック センター南/竹内内科小児科医院/五良会クリニック白金高輪
| 内科 | 小児科 | 神経内科 | 認知症外来 | 頭痛外来 |
| アレルギー科 | 糖尿病内科 | 予防接種 | 健康診断 | 心療内科 |
〒224-0006 神奈川県横浜市都筑区荏田東4-3-19
横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」徒歩9分/駐車場4台
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| 9:00〜12:00 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 9:00 〜 14:00 |
休 |
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休診日:火曜午後・日曜・祝日/土曜は9:00〜14:00(休憩なし)
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理事長 五藤 良将
