メニュー

メタボリックシンドローム〜内臓脂肪・隠れメタボ・2024年新基準まで〜

[2026.05.04]





 
 
METABOLIC SYNDROME

メタボリックシンドローム
〜内臓脂肪・隠れメタボ・2024年新基準まで〜

医療法人社団 正友会 理事長・五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)より、メタボの最新基準、隠れメタボの怖さ、そして根本的な改善策を解説します。

メタボ
内臓脂肪
隠れメタボ
フィブロスキャン対応

― 理事長より、はじめに ―

こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。健診で「腹囲が基準オーバー」「メタボ予備軍」と言われたものの、自覚症状がなく放置されている方は多いのではないでしょうか。

しかしメタボは、糖尿病・心筋梗塞・脳卒中・認知症・がんへの「入り口」です。さらに見落とされがちなのが「隠れメタボ」——BMIが正常でも内臓脂肪が多いタイプで、日本人の痩せ型成人の約2割に存在すると報告されています。

本記事では、2024年の最新基準、内臓脂肪のメカニズム、当院のフィブロスキャンによる脂肪肝チェック、そして実践的な改善策まで、生活習慣病の専門医として丁寧にお伝えします。

1. メタボリックシンドロームとは?

メタボリックシンドローム(以下メタボ)とは、内臓脂肪型肥満を共通基盤として、高血糖・高血圧・脂質異常が重なった状態を指します。一つひとつは軽度でも、組み合わさることで動脈硬化が「相乗的に」進行するのが特徴です。

📌 メタボの本質
メタボは「太っているか・痩せているか」という見た目の問題ではなく、内臓脂肪を中心とした全身の代謝異常です。だからこそ「隠れメタボ」(後述)も問題となるのです。

2. 日本のメタボ診断基準(2024年版)

日本の診断基準は、「腹囲(ウエスト周囲径)」が必須項目になっているのが特徴です。

ステップ 基準
必須項目
腹囲
男性 85cm以上/女性 90cm以上(ヘソの高さ)
① 脂質 中性脂肪 150mg/dL以上、または HDLコレステロール 40mg/dL未満
② 血圧 収縮期血圧 130mmHg以上、または 拡張期血圧 85mmHg以上
③ 血糖 空腹時血糖 110mg/dL以上

腹囲基準を満たし、かつ ①〜③のうち 2項目以上該当でメタボリックシンドロームと診断

3. 「隠れメタボ」──痩せていても危ない

「私は痩せているからメタボとは無縁」——本当にそうでしょうか?日本人の特性として、BMIが正常でも内臓脂肪が多いタイプが一定数存在します。これが「隠れメタボ(hidden metabolic syndrome)」です。

⚠ こんな方は要注意

  • BMIは正常だがお腹だけぽっこりしている
  • 運動習慣が少ない(座りっぱなしの仕事)
  • 痩せ型でも健診で血糖値・中性脂肪・血圧のいずれか1つ以上が要注意
  • 家族に糖尿病・心筋梗塞・脳卒中の方がいる
  • 20歳の頃と比べて体重は変わらないのに体型が変わった

日本人は欧米人に比べてインスリン分泌能が低く、内臓脂肪が少し増えるだけで代謝異常が顕在化しやすい体質です。「見た目」ではなく「数値」で判断することが重要です。詳しくは姉妹院・竹内内科小児科医院の「メタボから糖尿病へ|2024年新基準・sd-LDL・隠れメタボを徹底解説」もご覧ください。

4. 内臓脂肪はなぜ「悪玉」か

脂肪は単なるエネルギー貯蔵庫ではなく、ホルモンを分泌する「臓器」です。特に内臓脂肪は「悪玉ホルモン(アディポサイトカイン)」を放出し、全身の代謝を狂わせます。

ホルモン 作用
TNF-α 慢性炎症を引き起こし、インスリン抵抗性を悪化
PAI-1 血栓を作りやすくし、心筋梗塞・脳梗塞のリスク上昇
アンジオテンシノーゲン 血圧を上昇させる
アディポネクチン↓ 「善玉」ホルモン。内臓脂肪が増えると分泌が減り、動脈硬化を防げなくなる

5. メタボから糖尿病・心筋梗塞・認知症へ

メタボは、放置すると以下の重大疾患のリスクを大きく高めます。

🩸 2型糖尿病

5年以内発症リスク約3〜5倍。糖尿病記事もご参照。

❤️ 心筋梗塞・脳卒中

リスク約2〜3倍。突然死の主因。

🧠 認知症

血管性・アルツハイマー型ともリスク上昇。糖尿病と認知症の記事もご覧ください。

🦠 がん

大腸がん・肝臓がん・乳がん・膵臓がんなどリスク上昇。

6. 脂肪肝──メタボの「肝臓の表れ」

メタボの方は脂肪肝(MASLD/MAFLD:代謝異常関連脂肪性肝疾患)を高率に合併します。「単なる肝臓に脂肪がついた状態」と軽く考えられがちですが、進行するとNASH(非アルコール性脂肪肝炎)→肝硬変→肝がんへと進む可能性があります。

📌 注目の事実
日本の肝がんは、かつてはB型・C型ウイルスが原因の大半でしたが、抗ウイルス薬の進歩により減少。現在、肝がんの新規原因として最も増えているのが「脂肪肝由来」です。メタボ=肝がんリスクという認識が広がっています。

7. フィブロスキャンによる肝臓評価

🩻 当院のフィブロスキャン

フィブロスキャンは、痛みなく・採血なしで肝臓の硬さ(線維化)と脂肪量を客観的に測定できる装置です。メタボの方の合併症スクリーニングとして極めて有用です。都筑区・港北ニュータウンで保有施設は限られており、当院の差別化ポイントです。

  • 所要時間 約10分、痛みゼロ
  • 結果はその場で数値化(CAP値=脂肪量、kPa=硬さ)
  • 定期測定で食事・運動・薬物療法の効果が可視化
  • 姉妹院・五良会クリニック白金高輪の米田政志院長(消化器病・肝臓専門医、愛知医科大学名誉教授)への連携相談も可能

8. 食事改善──カロリーより「質」と「順序」

🥦 食物繊維ファースト

野菜・海藻・きのこを最初に食べると食後血糖の急上昇が抑制。

🍞 精製糖質を減らす

白米→玄米、白パン→全粒粉。ジュース・菓子の果糖は内臓脂肪の最大の犯人

🐟 良質な脂質

青魚(EPA/DHA)、オリーブオイル、ナッツ。トランス脂肪酸は厳禁。

⏰ 食べる時間

夜遅くの食事は内臓脂肪に。夕食は就寝3時間前までに。

📚 ご参考:『あぶら落とすスープ』

五藤良将監修の書籍『あぶら落とすスープ』では、メタボ・脂肪肝・肥満をお持ちの方でも続けやすい食事療法のレシピをご紹介しています。当院でもご相談時にお話することがあります。

9. 運動──内臓脂肪を狙い撃ち

内臓脂肪は皮下脂肪より運動で落ちやすいのが朗報です。週150分の有酸素運動で、内臓脂肪は数か月で目に見えて減少します。

運動種別 推奨頻度 主な効果
🏃 有酸素運動(早歩き・ジョギング) 週150分以上 内臓脂肪減少、心肺機能向上
💪 筋トレ 週2〜3回 基礎代謝向上、インスリン感受性改善
🧘 ストレッチ・ヨガ 毎日10分 自律神経整える、ストレス低減

🔁 3軸クロスポイント:メタボを「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる

メタボリックシンドロームは「お腹周り」だけの問題ではありません。内臓脂肪は全身に老化を撒き散らす「もう一つの内分泌器官」であり、認知症・がん・骨粗鬆症・サルコペニアまで、あらゆる老化関連疾患の上流にあります。

🧠 認知症の視点

中年期の肥満は高齢期の認知症リスクを約1.4〜2倍に高めることが、複数の大規模研究で示されています。Lancet 2024の認知症予防委員会報告では、肥満・糖尿病・高血圧・脂質異常症・身体活動不足が認知症の主要修正可能リスクとして挙げられ、これらすべてがメタボの構成要素です。

内臓脂肪から分泌される炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)は脳に到達し、神経炎症を引き起こします。「メタボ脳」とでも呼ぶべき状態が、認知症の温床になるのです。詳しくは糖尿病と認知症の危険な関係認知症予防の食事・運動もご覧ください。

🔥 糖化・抗加齢の視点

メタボの方は慢性的な高インスリン血症と食後高血糖にさらされており、これがAGEs(終末糖化産物)の生成を加速させます。AGEsは血管壁に蓄積して動脈硬化を進行させ、脳にも蓄積してアルツハイマー病に関与します。

つまり、メタボ対策=抗糖化対策=認知症予防——三つは本質的に同じ取り組みです。お腹周りを5cm減らすことは、ただの美容ではなく「脳の若さ」を守る医療行為とも言えます。詳しくは高血糖と老化(AGEs・糖化)をご参照ください。

🏥 当院の脂肪肝専門診療

メタボのもう一つの重要な側面が脂肪肝(MASLD:代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)です。脂肪肝は単なる「肝臓の脂」ではなく、全身のインスリン抵抗性・糖尿病・心血管疾患の上流にあります。

当院ではフィブロスキャン(肝硬度・脂肪量を非侵襲的に評価)を導入し、脂肪肝の早期診断・進行度評価を可能にしています。これは横浜市都筑区エリアでは数少ない診療体制です。さらに白金高輪の五良会クリニック白金高輪では、肝臓専門医・愛知医科大学名誉教授の米田政志院長による脂肪肝の専門診療も行っています。

10. 関連ブログ・関連クリニック

📚 当院ブログ・関連テーマ

🩸 糖尿病と上手につきあう

HbA1c・薬物療法・合併症予防

 


🧠 糖尿病と認知症の危険な関係

久山町研究/3型糖尿病

 


🔥 高血糖と老化(AGEs・糖化)

体の焦げつき・抗加齢医学

 

🍔 メタボリックシンドローム

内臓脂肪・隠れメタボ

📍 ご覧の記事です

 

💪 高齢者の糖尿病

フレイル・サルコペニア予防

 

🧠 認知症予防の食事・運動

MIND食事法・運動・睡眠

 

💗 高血圧症の最新治療

JSH2025/130/80 mmHg時代

 

🥗 脂質異常症と動脈硬化

LDL・HDL・中性脂肪

 

🧠 片頭痛・緊張型頭痛

頭痛専門医による診療

 

🏥 五良会グループ 姉妹クリニックの関連ブログ

DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院

AGEs(終末糖化産物)と老化・病気の関係

体内糖化度検査でアルツハイマー病・糖尿病合併症リスクを「見える化」する記事です。

 


DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院

AGEs(糖化)対策の実践ガイド 2026

食事・調理法・運動・薬剤の最新エビデンスで老化と糖尿病合併症を防ぐ実践記事。

 


SHIROKANETAKANAWA 五良会クリニック白金高輪

糖尿病・脂肪肝(MASLD)診療

名誉教授・米田政志院長のもと、メタボリックシンドロームと脂肪肝を専門的に診療しています。

 

11. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 健診で「メタボ予備軍」と言われました。受診すべき?

A. ぜひお越しください。予備軍の段階で生活改善を始めれば、糖尿病・心血管病への進行を高い確率で防げます。早期介入の意義は計り知れません。

Q2. 体重を何kg減らせばメタボ改善しますか?

A. 一般に体重の3〜5%減で、血糖・血圧・脂質のすべてが改善することが示されています。70kgなら2〜3.5kgです。「現実的な目標」から始めましょう。

Q3. お酒は控えるべき?

A. 特に脂肪肝のある方は厳しく制限が必要です。糖質ゼロのアルコールでも、肝臓に負担をかける点は同じ。「休肝日」を週2日以上を目標に。

Q4. フィブロスキャンはどんな人が受けるべき?

A. メタボ・糖尿病・脂質異常症のいずれかをお持ちの方、健診でAST/ALT/γ-GTPが指摘された方、BMI 25以上の方など、ご相談ください。当院で対応しております。

執筆|医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)

五良ファミリークリニック センター南/竹内内科小児科医院/五良会クリニック白金高輪


GORYO FAMILY CLINIC CENTER MINAMI
五良ファミリークリニック センター南
内科・小児科・神経内科・認知症外来・頭痛外来・アレルギー科・糖尿病内科・心療内科

内科 小児科 神経内科 認知症外来 頭痛外来
アレルギー科 糖尿病内科 予防接種 健康診断 心療内科

※旧名称:浜クリニック
〒224-0006 神奈川県横浜市都筑区荏田東4-3-19
横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」徒歩9分/駐車場4台

診療時間 日・祝
9:00〜12:00 9:00

14:00
15:00〜18:00

休診日:火曜午後・日曜・祝日/土曜は9:00〜14:00(休憩なし)


melmoWEB予約

CLINICSWEB問診

melmo日祝は白金高輪


LINE
公式アカウント

Instagram
センター南公式

電話
045-942-7783

理事長 五藤 良将

HOME

ブログカレンダー

2026年6月
« 5月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME