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糖尿病の治療|食事・運動・最新の薬物療法

糖尿病治療は「血糖を下げる」だけが目的ではありません
将来の合併症(心筋梗塞・脳卒中・腎不全・失明・認知症)を防ぎ、健康寿命を延ばすことが本当のゴールです。当院では最新の糖尿病診療ガイドライン2024に準拠し、お一人おひとりの病態・生活背景・年齢に合わせたオーダーメイド治療をご提案します。

糖尿病治療の3本柱

糖尿病治療の基本は食事療法・運動療法・薬物療法の3本柱です。「薬を飲めば食事は気にしなくていい」「運動さえすれば大丈夫」というものではなく、3つを組み合わせて初めて効果が最大化します。

①食事療法
適正なエネルギー量と栄養バランス、食べる順番(ベジファースト)の工夫
②運動療法
有酸素運動とレジスタンス運動の組み合わせ、食後の軽い運動が血糖スパイクを抑制
③薬物療法
病態・年齢・体重・合併症に応じた最適な薬剤の選択(経口薬・注射薬)

血糖コントロールの目標

日本糖尿病学会の「熊本宣言2013」と「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」に基づき、患者さんの年齢・合併症・低血糖リスクに応じて目標を個別設定します。

目標 HbA1c 対象
血糖正常化 6.0% 未満 適正な食事・運動のみで達成可能な方
合併症予防 7.0% 未満 大多数の糖尿病患者の標準目標
治療強化困難 8.0% 未満 高齢・低血糖リスクが高い方など

高齢者の場合は、低血糖を避けるためにあえて緩めの目標(7.5〜8.5%)を設定することが多くなります。「数値だけを追わず、その方の人生の質を守る」治療を心がけています。

食事療法のポイント

適正エネルギー量を知る

標準体重(身長m × 身長m × 22)に身体活動係数(25〜30 kcal/kg)を掛けた値が、1日の目安エネルギー量です。極端な糖質制限よりも、バランスの取れた適正エネルギーが長期継続のカギとなります。

食べる順番の工夫(ベジファースト)

同じ食事内容でも、野菜・きのこ・海藻たんぱく質(肉・魚・大豆)炭水化物(ごはん・パン)の順に食べると、食後血糖値の急上昇(血糖スパイク)が大きく抑えられます。

控えたい食品・推奨される食品

清涼飲料水・菓子パン・揚げ物・加工食品(特に超加工食品)は控えめに。食物繊維(野菜・きのこ・海藻・全粒穀物)良質な油(オリーブオイル・青魚)発酵食品(納豆・ヨーグルト・味噌)を意識的に摂りましょう。

運動療法のポイント

有酸素運動

ウォーキング・自転車・水中歩行などを1回20〜60分、週に150分以上を目標に。「会話できるが歌は歌えない」程度の中等度強度が理想です。

レジスタンス運動(筋トレ)

スクワット・腕立て伏せ・ダンベル運動などを週2〜3回。筋肉量が増えるとブドウ糖を取り込む能力が上がり、インスリン抵抗性が改善します。サルコペニア・フレイル予防にも欠かせません。

食後の軽い運動が効果絶大

食後30分〜1時間以内に10〜15分の軽いウォーキングをするだけで、食後高血糖が大きく抑えられます。「食べてすぐ動く」を習慣化することが、薬一錠分の効果に匹敵することも珍しくありません。

薬物療法(経口薬)

2型糖尿病の薬物療法は、日本糖尿病学会「2型糖尿病の薬物療法アルゴリズム」と「糖尿病診療ガイドライン2024」に基づき選択します。当院では患者さんの病態・体重・合併症・年齢・低血糖リスクを総合的に判断します。

ビグアナイド薬(メトホルミン)

代表薬:メトグルコ、グリコラン

肝臓での糖新生を抑え、インスリン抵抗性を改善します。肥満傾向のある2型糖尿病の第一選択薬として最も使用される薬剤。長年の使用実績があり、安価で、心血管イベント抑制効果も報告されています。

SGLT2阻害薬

代表薬:フォシーガ、ジャディアンス、スーグラ、カナグル、ルセフィ、デベルザ

腎臓から余分なブドウ糖を尿に排出させ、血糖値・体重を下げます。さらに心不全による入院リスクを17〜35%減少させ、慢性腎臓病(CKD)の進行を抑制することがエビデンスで示されており、糖尿病の有無にかかわらず心不全・CKDの第一選択級薬剤となっています。ジャディアンスはEMPA-REG試験で心血管死を38%減少、フォシーガはDAPA-HF・DAPA-CKD試験で広い適応を取得しています。

DPP-4阻害薬

代表薬:ジャヌビア、グラクティブ、エクア、ネシーナ、トラゼンタ、テネリア など

食後にインクレチンというホルモンを長持ちさせ、必要なときだけインスリン分泌を促します。低血糖を起こしにくく、高齢者にも使いやすい薬剤として日本で最も処方されているクラスの一つ。週1回内服タイプ(マリゼブ、ザファテック)もあります。

スルホニル尿素薬(SU薬)/グリニド薬

代表薬:アマリール、グリミクロン、オイグルコン/グルファスト、シュアポスト

膵臓からのインスリン分泌を直接刺激します。効果は強力ですが、低血糖と体重増加に注意が必要。グリニド薬は作用時間が短く、食後高血糖の改善に有用です。

α-グルコシダーゼ阻害薬/チアゾリジン薬

代表薬:ベイスン、グルコバイ、セイブル/アクトス

α-GIは小腸での糖の吸収を遅らせて食後高血糖を改善。チアゾリジン薬はインスリン抵抗性を改善し、脂肪肝にも有効ですが、体重増加・浮腫に注意します。

経口GLP-1受容体作動薬(リベルサス)

代表薬:リベルサス

2021年に登場した世界初の経口GLP-1製剤。注射が苦手な方にも導入でき、HbA1c低下・体重減少効果が期待できます。起床時に空腹で少量の水で服用し、内服後30分は飲食を避けるという独特の服用ルールがあります。

注目の注射薬:GLP-1受容体作動薬とマンジャロ

GLP-1受容体作動薬は食後にインスリン分泌を促し、食欲を抑制し、胃排出を遅らせる作用を持つ画期的な薬剤です。HbA1c低下効果と体重減少効果を併せ持ち、心血管イベント抑制効果も報告されています。

代表的な注射製剤:オゼンピック(週1回)ビクトーザ(毎日1回)トルリシティ(週1回)ビデュリオン(週1回)

マンジャロ(チルゼパチド)— 持続性GIP/GLP-1受容体作動薬

2023年に日本で発売された新世代の二重作動薬。従来のGLP-1作用に加え、GIP(もう一つのインクレチンホルモン)にも作用し、強力な血糖降下・体重減少効果を発揮します。

国際臨床試験ではHbA1cを平均2.0〜2.4%低下体重を平均8〜12kg減少させる効果が報告されており、肥満を伴う2型糖尿病に特に有効です。週1回の皮下注射で、専用の注入器により針が見えない設計です。

※注意:GLP-1受容体作動薬・マンジャロは、近年「ダイエット目的」の自費利用が話題になっていますが、当院では2型糖尿病の保険診療における適正使用を厳守します。健康な方への美容目的の処方は行いません。

インスリン療法

インスリン分泌が著しく低下している方、経口薬・GLP-1製剤で十分なコントロールが得られない方、妊娠中の方、ステロイド治療中の方などにはインスリン療法を導入します。最新のペン型注射器は針が極細で痛みもほとんどなく、ご高齢の方でも自己注射が可能です。
詳しくは「インスリン療法」のページもご参照ください(準備中)。

当院の治療方針

ガイドライン準拠 × 個別最適化

日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」に準拠しつつ、お一人おひとりの病態・生活背景に合わせた治療を提案します。

心腎保護を重視

「血糖値を下げる」だけでなく、心不全・慢性腎臓病・脳卒中を防ぐ薬剤選択を心がけます。SGLT2阻害薬・GLP-1製剤の心腎保護効果を最大限活用します。

糖尿病×認知症×抗加齢

糖尿病は認知症リスクを約2倍に上げます。アンチエイジング医学の知見を取り入れ、認知機能・サルコペニア予防まで見据えた治療を行います。

治療方針にお悩みの方、セカンドオピニオンもお気軽に

「薬が多くて不安」「最新の治療を試したい」「他院から転院を検討中」
そんなご相談もお受けしています。

TEL: 045-942-7783

五良ファミリークリニック センター南(旧・浜クリニック)

五良ファミリークリニック センター南
理事長 五藤 良将
日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医

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