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認知症予防の食事・運動・睡眠〜MIND食事法・有酸素運動・最新エビデンス〜

[2026.05.04]





 
 
DEMENTIA PREVENTION

認知症予防の食事・運動・睡眠
〜MIND食事法・最新エビデンスを総まとめ〜

医療法人社団 正友会 理事長・五藤 良将より、認知症リスクを下げる科学的な生活習慣をわかりやすくお伝えします。

認知症外来
MIND食事法
抗加齢医学
予防医療

― 理事長より、はじめに ―

こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。世界的医学誌『Lancet(ランセット)』が2024年に発表した認知症予防委員会の報告書では、認知症の約45%は生活習慣の改善で予防可能と結論されました。

つまり、「認知症は運命」ではなく「多くは日々の選択の積み重ね」なのです。何を食べるか、どう動くか、どう眠るか——これらが将来の脳の健康を大きく左右します。

今回は、認知症予防に効果が科学的に証明された「MIND食事法」「運動」「睡眠」「社会的つながり」「聴覚ケア」など、明日から実践できる予防策を、最新エビデンスに基づいてご紹介します。

1. Lancet 2024:認知症の45%は予防可能

世界的に最も権威ある医学誌の一つ『The Lancet』は、認知症予防委員会(Lancet Commission on Dementia Prevention)を設置し、定期的に最新のエビデンスを統合した報告書を発表しています。2024年の最新版では、14のリスク因子を完全に取り除けば、世界の認知症の約45%は予防または遅延が可能と試算されました。

📊 これは何を意味するのか?

現在、世界には認知症の方が約5,500万人。日本でも65歳以上の約7人に1人が認知症と推計されています。Lancet 2024の試算によれば、そのうち2,500万人以上の発症は本来防げた可能性がある——これは衝撃的な数字です。

2. 14のリスク因子と寄与度

Lancet 2024が示した14のリスク因子と、人口寄与危険度割合(PAF:その因子を取り除けば理論上どれだけ認知症を減らせるか)の概略は以下です。

時期 リスク因子 PAF(寄与度の目安)
幼少期 教育(低学歴) 5%
中年期
(45〜65歳)
難聴 7%
LDLコレステロール高値(新規) 7%
頭部外傷 3%
高血圧・肥満・過剰飲酒 各2〜3%
運動不足 2%
うつ 3%
高齢期
(65歳以上)
糖尿病 2%
喫煙 2%
社会的孤立 5%
大気汚染 3%
視力障害(未治療)(新規) 2%

この表でぜひ注目していただきたいのは、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満といった生活習慣病の管理だけで認知症リスクの相当部分が下げられるという事実です。これらは当院が日々診療している疾患そのものです。

3. MIND食事法──認知症リスクを53%下げる食事

MIND食事法」は、米国ラッシュ大学が開発した、地中海食とDASH食(高血圧予防食)を組み合わせた認知症予防のための食事パターンです。米国の高齢者を対象とした研究では、MIND食を厳密に守った人ではアルツハイマー病リスクが53%減少、そこそこ守った人でも35%減少と報告されています。

🥗 積極的に摂りたい10の食品(推奨頻度の目安)

  • 緑色葉物野菜:ほうれん草・ケール・小松菜など(週6回以上)
  • その他の野菜:トマト・ブロッコリー・ピーマンなど(毎日)
  • ナッツ類:くるみ・アーモンドなど(週5回以上、無塩を)
  • ベリー類:ブルーベリー・いちごなど(週2回以上)
  • 豆類:大豆・レンズ豆など(週3回以上)
  • 全粒穀物:玄米・大麦・全粒粉パスタ(毎日3食)
  • :青魚(サバ・サンマ・イワシ)が特に推奨(週1回以上)
  • 鶏肉:赤身肉より優先(週2回以上)
  • オリーブオイル:主たる調理油として(毎日)
  • ワイン:1日1杯まで、それ以上は不可

⚠ 控えたい5つの食品

  • 赤身肉:週4回未満に
  • バター・マーガリン:1日大さじ1杯未満
  • チーズ:週1回未満
  • 菓子・スイーツ:週5回未満
  • 揚げ物・ファストフード:週1回未満

4. 運動──週150分の有酸素運動が脳を守る

運動は認知症予防の中で最もエビデンスが豊富な介入です。週150分以上の中強度有酸素運動を行う高齢者は、運動しない人と比べて認知症リスクが30〜40%低いと報告されています。

🚶 有酸素運動

ウォーキング・水泳・サイクリング。脳由来神経栄養因子(BDNF)を増やします。

🏋️ レジスタンス運動

週2回程度の筋トレ。サルコペニア・転倒予防にも。

🧘 デュアルタスク

「歩きながら計算」など、運動+認知の同時実行。

🌳 屋外活動

日光浴でビタミンD合成も。社会的つながりにも貢献。

💡 「歩く」だけでも十分に効果的

運動が苦手な方は、まず「1日8,000歩、そのうち20分は速歩」を目標にしてみてください。これだけで認知症・心血管疾患・糖尿病・高血圧のリスクが大きく下がるという日本の中之条研究のデータがあります。高齢者の糖尿病とフレイル予防もご参照ください。

5. 睡眠──質と長さが認知症を左右する

脳には「グリンパティック系」と呼ばれる老廃物排出システムがあります。これは深い睡眠中にだけ強く働き、アミロイドβなど認知症の原因物質を脳から洗い流します。慢性的な睡眠不足は、この浄化機能を阻害します。

睡眠時間 認知症リスク
5時間以下 約2倍に上昇
6〜8時間 最適範囲
9時間以上 逆にリスク上昇傾向(既存の脳病変を反映している可能性)

⚠ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)にもご注意
いびきが強い・日中の眠気が強い・夜間頻尿がある方は、SASの可能性があります。SASは認知症リスクを高めるだけでなく、糖尿病・高血圧・心血管疾患のリスクも上げます。当院でも簡易検査をご相談いただけます。

6. 難聴対策──新たに加わった重要因子

Lancet 2024において、中年期の最大のリスク因子は「難聴」でした。難聴があると以下のように脳に負担がかかります。

  • 聴覚刺激の減少→脳の聴覚野が萎縮
  • 会話への参加が減る→社会的孤立→認知刺激低下
  • 「聞き取ろう」とする認知負荷→他の認知機能のリソース枯渇

対策はシンプルです:難聴は早めに補聴器でカバーする。これだけで認知症リスクが大きく下がる可能性が示されています。「年だから仕方ない」ではなく、積極的にケアしましょう。

7. 社会的つながりと脳の健康

「社会的孤立」は認知症リスクを5%押し上げる重要因子です。家族・友人との交流、趣味のグループ、ボランティア、地域活動——どんな形でも他者との関わりが脳を活性化します。

👥 対面交流

直接会う関係を週数回維持する。

🎨 趣味・学習

新しいことへの挑戦が脳を活性化。

📚 読書・学習

「認知予備能」を高める鍵。

🤝 ボランティア

役割と目的が脳と心を支える。

8. 禁煙・節酒・口腔ケア

🚭 禁煙

喫煙者は認知症リスクが約1.6倍。禁煙はいつから始めても効果あり。

🍷 節酒

過剰飲酒(週21単位以上)は認知症リスクを2〜3倍に。1日純アルコール20g以下が目安。

🦷 口腔ケア

歯周病菌が脳に到達し、アルツハイマー病に関与する可能性。歯磨き+定期歯科受診を。

😷 大気汚染

PM2.5長期曝露が認知症リスクに。空気清浄機・マスク活用を。

9. 生活習慣病管理は認知症予防そのもの

これまで見てきた通り、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満の管理は、それ自体が認知症予防の中核です。当院ではこれらをワンストップで管理できる体制を整えています。

🏥 当院の認知症外来+生活習慣病トータル管理

  • 糖尿病・高血圧・脂質異常症の管理
  • 認知症スクリーニング(MMSE、HDS-R等)
  • 頭部画像検査が必要な場合は連携病院へ速やかにご紹介
  • 家族支援・介護保険申請のご相談
  • 脳神経内科専門医・頭痛専門医の篠原院長による頭痛・物忘れ精査
  • フィブロスキャンによる脂肪肝・代謝評価

🔁 3軸クロスポイント:認知症予防を「糖尿病」「抗加齢」の視点でとらえる

認知症予防の話題は、一見すると認知機能だけの問題に思えるかもしれません。しかし認知症予防の本質は「全身の老化を遅らせること」「糖尿病をはじめとする生活習慣病をしっかり管理すること」と完全に一致します。バラバラに見える対策が、実は同じ目的に向かっています。

🩸 糖尿病管理は最大の認知症予防

Lancet 2024の14リスク因子のうち、糖尿病・高血圧・脂質異常症・肥満・運動不足の5因子は、すべて当院で日常診療している生活習慣病に直結します。これらを的確に管理するだけで、理論的に認知症リスクを15〜20%下げられる計算になります。

とくに食後高血糖(血糖スパイク)の制御は重要で、HbA1cが正常範囲でも、食後2時間血糖が140mg/dLを超える方では認知症リスクが上昇します。詳しくは糖尿病と上手につきあう糖尿病と認知症の危険な関係をご覧ください。

🔥 抗糖化(AGEs対策)と認知症予防

AGEs(終末糖化産物)は脳に蓄積してアルツハイマー病の進行に関与します。MIND食事法・運動・睡眠は、実はすべてAGEs対策と重なる取り組みです。

たとえば緑色葉物野菜・ベリー類・オリーブオイルはいずれも抗酸化・抗糖化作用を持ち、揚げ物・焼き肉・加工肉はAGEsを多く含むため避けるべき食品です。「認知症予防の食事=抗糖化食」と言っても過言ではありません。詳しくは高血糖と老化(AGEs・糖化)と、姉妹院のAGEs対策の実践ガイドをご参照ください。

💪 抗加齢医学の3本柱

認知症予防・糖尿病予防・フレイル予防は、すべて「老化速度を遅らせる」という同じ目標を持っています。抗加齢医学では、これを以下の3本柱で実現します。

代謝の若さを保つ(食後高血糖の制御・内臓脂肪の管理)
筋肉と骨を守る(たんぱく質摂取・レジスタンス運動)
慢性炎症と酸化ストレスを抑える(地中海食・MIND食・良質な睡眠・禁煙)

これらを統合した医療を、当院ではメタボリックシンドローム外来高齢者糖尿病・フレイル外来・認知症外来を統合してご提供しています。

10. 関連ブログ・関連クリニック

📚 当院ブログ・関連テーマ

🧠 糖尿病と認知症の危険な関係

久山町研究/3型糖尿病

 


🩸 糖尿病と上手につきあう

HbA1c・薬物療法・合併症予防

 


🔥 高血糖と老化(AGEs・糖化)

体の焦げつき・抗加齢医学

 


🍔 メタボリックシンドローム

内臓脂肪・隠れメタボ

 


💪 高齢者の糖尿病

フレイル・サルコペニア予防

 


💗 高血圧症の最新治療

JSH2025/130/80 mmHg時代

 


🥗 脂質異常症と動脈硬化

LDL・HDL・中性脂肪

 


🧠 片頭痛・緊張型頭痛

頭痛専門医による診療

 

🏥 五良会グループ 姉妹クリニックの関連ブログ

DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院

AGEs(終末糖化産物)と老化・病気の関係

体内糖化度検査でアルツハイマー病・糖尿病合併症リスクを「見える化」する記事です。

 


DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院

AGEs(糖化)対策の実践ガイド 2026

食事・調理法・運動・薬剤で老化と認知症リスクを抑える実践記事。

 


SHIROKANETAKANAWA 五良会クリニック白金高輪

糖尿病・脂肪肝(MASLD)診療

名誉教授・米田政志院長による生活習慣病の専門診療。

 

11. よくあるご質問(FAQ)

Q1. もう70歳ですが、今からでも認知症予防は意味がありますか?

A. はい、大いに意味があります。Lancet 2024でも高齢期の介入(社会的孤立対策・難聴対策・大気汚染対策)が認知症予防に有効と報告されています。

Q2. MIND食事法は完璧に守る必要がありますか?

A. いいえ。研究では「ある程度守った」グループでも35%のリスク低下が確認されています。完璧を目指さず、できる範囲から始めましょう。

Q3. サプリメント(DHA・EPA・ビタミン等)は効きますか?

A. 単独サプリでの認知症予防効果はエビデンスが限定的です。食事全体のパターンの方がはるかに重要です。

Q4. 物忘れが気になります。検査だけでも受けられますか?

A. はい。当院の認知症外来では、ご本人もご家族もお気軽にご相談いただけます。早期発見こそ最大の予防です。


GORYO FAMILY CLINIC CENTER MINAMI
五良ファミリークリニック センター南
内科・小児科・神経内科・認知症外来・頭痛外来・アレルギー科・糖尿病内科・心療内科

内科 小児科 神経内科 認知症外来 頭痛外来
アレルギー科 糖尿病内科 予防接種 健康診断 心療内科

※旧名称:浜クリニック
〒224-0006 神奈川県横浜市都筑区荏田東4-3-19
横浜市営地下鉄ブルーライン・グリーンライン「センター南駅」徒歩9分/駐車場4台

診療時間 日・祝
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14:00
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