「クレアチニンは正常です」では、腎臓は守れません〜糖尿病関連腎臓病(DKD)を尿アルブミンで10年早く見つける|理事長 五藤良将が解説〜
― 理事長より、はじめに ―
こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。「HbA1cは7%前後で落ち着いていますし、毎年の血液検査でも腎臓の数値(クレアチニン)は正常と言われ続けてきました。それなのに、先日いきなり『腎臓が悪くなってきています』と言われて、頭が真っ白になりました」。水曜の糖尿病専門外来で、こうしたお話を伺うことが少なくありません。
結論からお伝えします。血液検査のクレアチニンやeGFRは、腎臓のはたらきが半分近くまで落ちてからでないと動かないことがあります。糖尿病の方の腎臓を守るために本当に見るべきなのは、血液ではなく「尿アルブミン」です。この検査は、尿タンパクが出るより約10年早く異常をとらえるといわれており、しかもその段階なら、今の薬で進行をかなり抑えられます。
本記事では、いま日本で透析が始まる原因の第1位であり続けている糖尿病関連腎臓病(DKD)について、①なぜクレアチニンでは間に合わないのか、②尿アルブミンの数値をどう読むのか、③SGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬・フィネレノンという「腎臓を守る薬」がどこまで進行を止められるのか、④食事と生活で何を変えるべきかを、最新のガイドラインの数値とともに整理してお伝えします。「腎臓は、痛くも痒くもないうちにしか守れない臓器」です。今日の1本の尿検査が、10年後のご自身の生活を決めます。
THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY
医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将
日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医
この記事は五藤 良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。
📖 目次
- 透析が始まる原因、第1位はいまも「糖尿病」です
- 「クレアチニンは正常」が安心材料にならない理由
- 尿アルブミン検査とは|尿タンパクとの決定的な違い
- 数値の読み方|30と300という2つの分かれ道
- 「糖尿病性腎症」から「糖尿病関連腎臓病(DKD)」へ
- なぜ高血糖が腎臓のフィルターを壊すのか
- 治療の土台|血糖・血圧・脂質・禁煙の目標値
- 「透析を防ぐ薬」の時代|SGLT2阻害薬・GLP-1・フィネレノン
- 食事と生活|塩分・たんぱく質・鎮痛薬と脱水の落とし穴
- 🏥 センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)
- 関連ブログ・関連クリニック
- よくあるご質問(FAQ)
- 🔁 3軸クロスポイント(糖尿病×認知症×抗加齢)
1. 透析が始まる原因、第1位はいまも「糖尿病」です
日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在)」によれば、日本で透析を受けている方は337,414人。そして2024年の1年間に新しく透析を始めた方は36,404人で、その原因疾患の第1位が糖尿病性腎症(37.6%)でした。第2位は腎硬化症(19.1%)、第3位は慢性糸球体腎炎(13.5%)です。
📊 新しく透析を始めた方の内訳(2024年)
・糖尿病性腎症 37.6%(第1位)
・腎硬化症(高血圧・動脈硬化が主因) 19.1%(第2位)
・慢性糸球体腎炎 13.5%(第3位)
・新規導入時の平均年齢 71.69歳
出典:日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在)」
第1位の糖尿病性腎症と第2位の腎硬化症を合わせると、新規導入のおよそ半数以上が「血糖と血圧」という、私たちが外来で毎月向き合っている数字の延長線上にあることになります。言い換えれば、透析導入の過半数は、生活習慣病の診療室で食い止められる可能性があるということです。ここに、内科のクリニックが腎臓の話を真正面からする意味があります。
もうひとつ見逃せないのが、新規導入時の平均年齢が71.69歳という数字です。多くの方は、糖尿病と診断されてから15年、20年という長い時間をかけて、静かに腎臓を削られていきます。50代・60代で「クレアチニンは正常です」と言われていた期間こそ、勝負どころなのです。
2. 「クレアチニンは正常」が安心材料にならない理由
健康診断でおなじみの血清クレアチニンは、筋肉から出る老廃物で、腎臓が捨てきれなくなると血液中にたまってきます。ここから計算されるのがeGFR(推算糸球体濾過量)で、「腎臓が1分間に何mLの血液をきれいにできるか」を表します。とても大切な検査なのですが、糖尿病の方の腎臓を守るという目的に限っていえば、致命的な弱点があります。
⚠ クレアチニンの弱点
腎臓には約200万個の糸球体(血液をこす小さなフィルター)があり、一部が壊れても残りが働きを肩代わりします。このためクレアチニンは、腎臓のはたらきが半分近くまで落ちるまで、基準値内にとどまり続けることがあります。「正常」と言われ続けた10年の間に、フィルターは静かに減っているかもしれません。
さらにクレアチニンは筋肉量に大きく左右されます。筋肉の少ないご高齢の方や女性では、腎機能が落ちていてもクレアチニンが低めに出て、eGFRが実際より良く見えてしまうことがあります。
そこで必要になるのが、「フィルターが壊れ始めたこと自体」を見つける検査です。それが尿アルブミンです。壊れた量ではなく、壊れ始めた瞬間を見にいく——これが、この10年で腎臓の診かたが大きく変わったポイントです。
3. 尿アルブミン検査とは|尿タンパクとの決定的な違い
アルブミンは、血液中でいちばん多いタンパク質です。健康な糸球体は、このアルブミンを通さないようにできています。ところが高血糖が続いてフィルターが傷むと、ごく微量のアルブミンが尿にもれ始めます。この「ごく微量」が曲者で、健診でおこなう尿タンパク定性検査(試験紙で±や+を判定するもの)では、まったく引っかかりません。
| 尿タンパク(試験紙) | 尿アルブミン(定量) | |
|---|---|---|
| 見つけられる量 | おおむね1日300mg以上から | 1日30mg程度から |
| わかるタイミング | 腎症がかなり進んでから | 尿タンパクが出る約10年前 |
| 元に戻る可能性 | 戻りにくい段階が多い | 治療で陰性化しうる段階 |
| 健診での扱い | 標準項目に含まれる | 含まれないことが多い(要依頼) |
検査そのものは、受診時に採尿カップに尿をとるだけです。痛みもなく、絶食も要りません。尿は濃さが変わるため、同時に測った尿クレアチニンで補正した「mg/gCr(ミリグラム/グラムクレアチニン)」という単位で評価します。糖尿病で通院中の方であれば、保険診療の中で定期的に測ることができる検査です。
💡 どのくらいの頻度で測ればよいか
日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」では、糖尿病のある方の尿アルブミン測定を少なくとも半年に1回、診断が確定した後は3か月に1回を目安に実施することが示されています。「去年測ったから今年はいい」ではなく、血糖の数字と同じリズムで追いかける検査だとお考えください。
4. 数値の読み方|30と300という2つの分かれ道
尿アルブミンの結果は、次の3つの区分で読みます。境目は30と300。この2つの数字だけ覚えていただければ、ご自身の検査結果の意味がわかります。
| 区分 | 尿アルブミン(mg/gCr) | 意味と、やるべきこと |
|---|---|---|
| 正常アルブミン尿 | 30未満 | 現時点で漏れはなし。ただし半年〜1年ごとの再検を続けます。 |
| 微量アルブミン尿 | 30〜299 | 最大の勝負どころ。ここで治療を強化すれば、陰性化も十分に期待できます。 |
| 顕性アルブミン尿 | 300以上 | 尿タンパクとしても出てくる段階。進行を「遅らせる」治療を総動員します。 |
📊 リスクは「アルブミン尿 × eGFR」の掛け算で決まります
腎臓の危険度は、尿アルブミンとeGFRの組み合わせで判定します(CKDの重症度分類、いわゆるヒートマップ)。たとえばeGFRが同じ55でも、尿アルブミンが20の方と350の方では、その後の腎機能の落ち方も、心筋梗塞・脳卒中のリスクも大きく違います。「eGFRだけ」「尿アルブミンだけ」では判断できない——これが現在の考え方です。
💡 1回の結果だけで決めません
尿アルブミンは、激しい運動の直後・発熱時・高血糖がひどいとき・月経中・尿路感染があるときなどに一時的に増えることがあります。このため、1回だけ高い値が出ても確定にはせず、3〜6か月のあいだに複数回測って、2回以上陽性なら「あり」と判断するのが原則です。「1回出た=腎症確定」ではありませんので、どうか一人で心配を抱え込まないでください。
5. 「糖尿病性腎症」から「糖尿病関連腎臓病(DKD)」へ
以前は、糖尿病の方の腎臓病といえば「糖尿病性腎症」、つまり①微量アルブミン尿が出る → ②顕性アルブミン尿になる → ③eGFRが落ちるという、決まった順番で進む病気だと考えられていました。ところが実際の診療では、アルブミン尿がほとんど出ないまま、eGFRだけがじりじり下がっていく方が思いのほか多いことがわかってきました。高血圧・動脈硬化による腎硬化症、加齢、脂質異常症、肥満、痛み止めなどの薬剤性の影響が重なっているケースです。
そこで登場したのがDKD(Diabetic Kidney Disease)という考え方です。日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」では、この日本語訳がこれまでの「糖尿病性腎臓病」から「糖尿病関連腎臓病」へと改められました。糖尿病がどの程度関わっているかにかかわらず、糖尿病そのもの・糖尿病に関連する病態・併存疾患・治療の影響までを含めた、より広い概念です。
🏥 この名前の変更が、患者さんにとって持つ意味
「アルブミン尿が出ていないから腎臓は大丈夫」とは言えない、ということです。糖尿病がある方は、尿アルブミンとeGFRの両方を、別々の目で追いかける必要があります。同時に、腎臓を守るために血糖だけを見ていてはいけない——血圧・脂質・体重・喫煙・薬の使い方まで含めて腎臓を守る、という発想の転換でもあります。
6. なぜ高血糖が腎臓のフィルターを壊すのか
腎臓は、ひとことで言えば「血管のかたまり」です。左右あわせて約200万個ある糸球体は、細い血管が毛糸玉のように丸まったもので、ここで血液をこして尿をつくっています。血管がダメージを受ける病気である糖尿病が、なぜ腎臓を攻撃するのか——答えは、腎臓が血管そのものだからです。
🔥 ① 糸球体の「働きすぎ」
高血糖が続くと、腎臓は余分な糖を捨てようとしてフィルターに高い圧をかけ続けます(過剰濾過)。糖尿病の初期にeGFRがかえって高く出るのは、この「働きすぎ」のサインです。
🍬 ② AGEs(終末糖化産物)の蓄積
糖がタンパク質と結びついてできるAGEsが血管壁にたまり、しなやかさを失わせます。「体のコゲ」とも呼ばれ、老化そのものを進める物質です。
🩸 ③ フィルターの目が粗くなる
糸球体の基底膜が厚く変質し、本来通さないアルブミンが漏れ出します。これが尿アルブミン陽性の正体です。
🌡 ④ 慢性炎症と線維化
傷んだ組織に慢性的な炎症が起き、腎臓が硬い線維に置き換わっていきます。ここまで来ると元には戻りません。
重要なのは、①〜③の段階なら引き返せるということです。実際、微量アルブミン尿の方が血糖・血圧の管理と適切な薬物治療によって正常アルブミン尿に戻る(陰性化する)ことは、日常診療でしばしば経験します。逆に④の線維化まで進むと、どんな治療も「進行を遅らせる」ものになります。腎臓の治療は、早いほど選択肢が多いのです。
7. 治療の土台|血糖・血圧・脂質・禁煙の目標値
新しい薬の話をする前に、必ず押さえておきたいのが土台の数値です。「CKD診療ガイド2024」が示す管理目標は次のとおりです。
| 項目 | 目標 | 補足 |
|---|---|---|
| HbA1c | 7.0%未満を目安 | 年齢・低血糖リスク・併存疾患により個別に設定します。高齢の方には下限も設けます。 |
| 診察室血圧 | 130/80 mmHg未満 | 腎臓を守るうえで、血糖と並ぶ最重要項目です。 |
| 家庭血圧 | 125/75 mmHg未満 | 朝晩の家庭血圧手帳が、そのまま腎臓の記録になります。 |
| 喫煙 | 禁煙 | 喫煙はアルブミン尿を増やし、腎機能の低下を加速させます。 |
アルブミン尿がある方の降圧薬は、ARB・ACE阻害薬(レニン・アンジオテンシン系阻害薬)が基本となります。これらは血圧を下げるだけでなく、糸球体の内圧を直接下げてアルブミン尿そのものを減らす作用を持つためです。「血圧が高くないのに降圧薬が出ている」のは、多くの場合この腎保護を狙ってのことです。自己判断での中止は、どうかお控えください。
8. 「透析を防ぐ薬」の時代|SGLT2阻害薬・GLP-1・フィネレノン
ここ数年で、糖尿病と腎臓の診療はまったく違うものになりました。かつては「血糖と血圧を下げて、祈るように進行を見守る」しかなかった領域に、腎臓そのものを守ることが臨床試験で証明された薬が3系統そろったからです。ここが、この記事でいちばんお伝えしたい希望のある部分です。
💊 ① SGLT2阻害薬 ― いまや腎臓病治療の第一選択
「CKD診療ガイド2024」では、eGFR 20 mL/分/1.73m²以上であれば第一選択薬として投与することが示されています(eGFR 15未満では新規開始しません)。開始直後にeGFRが一時的に数mL下がることがありますが、これは糸球体の圧が正常化した証拠で、長い目で見れば腎臓を守る変化です。驚いて中止しないことが大切です。
💉 ② GLP-1受容体作動薬 ― 腎機能にかかわらず使える
ただし、これらは糖尿病や肥満症の治療として、適応と医師の判断のもとで用いる医療用医薬品です。「痩せる薬」として安易に使うものではなく、腎機能や消化器症状を確認しながら進める必要があります。
🌿 ③ フィネレノン(非ステロイド型MRA) ― 炎症と線維化に効く第3の柱
「CKD診療ガイド2024」では、eGFR 60未満で1日10mgから開始し、血清カリウム値とeGFRを見ながら増量することが示されています。高カリウム血症が主な注意点で、開始後の採血フォローが欠かせません。
⚠ 薬はすべての方に当てはまるものではありません
ここに挙げた薬は、腎機能・脱水の有無・カリウム値・他のお薬・年齢・シックデイ時の対応など、さまざまな条件を確認したうえで選びます。効果を保証するものでも、どなたにも使えるものでもありません。ご自身に合うかどうかは、必ず主治医とご相談ください。また、SGLT2阻害薬を服用中の方は、発熱・下痢・食欲不振のとき(シックデイ)に休薬の判断が必要になります。あらかじめ主治医と決めておきましょう。
9. 食事と生活|塩分・たんぱく質・鎮痛薬と脱水の落とし穴
日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準2014年版」にもとづく、成人CKDの基準は次のとおりです。ステージによって内容がまったく変わるのが最大のポイントで、自己流の制限はかえって危険です。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| エネルギー | 全ステージ共通で25〜35 kcal/kg標準体重/日(性別・年齢・活動度で調整) |
| 食塩 | ステージG3〜G5で6g/日未満 |
| たんぱく質 | G3aで0.8〜1.0 g/kg標準体重/日、G3b以降で0.6〜0.8 g/kg標準体重/日 |
| カリウム | G3aまで制限なし、G3bで2,000mg/日以下、G4〜G5で1,500mg/日以下 |
⚠ たんぱく質制限を「自己判断で」始めないでください
腎臓に良いと聞いて肉や魚を減らす方がいらっしゃいますが、エネルギーが足りないまま、たんぱく質だけを減らすのは最悪の組み合わせです。体は足りない分を自分の筋肉から補おうとし、サルコペニア・フレイルが進んで転倒・骨折・要介護のリスクが跳ね上がります。とくにご高齢の方では、腎臓を守るつもりが健康寿命を縮めてしまうことがあります。たんぱく質制限は、ステージと年齢と栄養状態を見たうえで、医師・管理栄養士と決めるものです。
🥗 減塩は「引き算」より「置き換え」で
・汁物を1日1杯までに。麺類のスープは残す(これだけで2〜3g違います)
・しょうゆは「かける」から「つける」へ。小皿を1枚出すだけで量が半分になります
・だし・酢・レモン・香辛料・香味野菜で塩以外の輪郭をつける
・加工肉・練り物・漬物・インスタント食品は回数を決めて楽しむ
・カリウム制限が指示されている方は、いも類・果物・野菜ジュース・減塩しお(カリウム塩)にご注意を
⚠ 腎臓を一気に落とす「3つの落とし穴」
① 市販の痛み止め(NSAIDs)の常用:頭痛・腰痛・生理痛でロキソプロフェンなどを常用すると、腎臓の血流が落ちます。慢性の痛みは、鎮痛薬を重ねるのではなく原因の診断から始めてください。
② 脱水:夏の発汗、冬の暖房、下痢・嘔吐、飲酒の翌朝。脱水は腎臓に最も直接的なダメージを与えます。SGLT2阻害薬や利尿薬を使っている方はとくに注意が必要です。
③ 造影CT・MRIの造影剤:検査を受けるときは、「腎臓の数値が下がっている」「この薬を飲んでいる」と必ず申告してください。事前の対策で守れるダメージです。
💡 今日からできる、3つのこと
1. 次の受診で「尿アルブミンを測ってください」と一言伝える。糖尿病の方なら、それだけで腎臓の10年先が見えます。
2. 過去の検査結果から、eGFRの数字を3年分ならべてみる。基準値内かどうかより、年にどれだけ下がっているかが大事です。
3. 家庭血圧を朝晩測って記録する。目標は125/75 mmHg未満。腎臓を守る最も安上がりな方法です。
🔁 3軸クロスポイント:腎臓を「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる
当院では、糖尿病・認知症・抗加齢医学を切り離さずに診る「3軸アプローチ」を診療の軸に据えています。腎臓は、この3つがもっとも濃く交差する臓器のひとつです。腎臓を守ることは、血糖の数字を整えることであり、脳を守ることであり、そして老化のスピードそのものに介入することでもあります。
🩸 軸1: 糖尿病・生活習慣病との関連 ― アルブミン尿は「全身の血管の通知表」
当院のブログでは糖尿病網膜症や歯周病(糖尿病の第6の合併症)についても解説していますが、いずれも「細い血管と慢性炎症」という同じ土俵の話です。尿アルブミンが1つ動いたら、目・歯・足・心臓もまとめて見直す——これが当院の考え方です。
🧠 軸2: 認知症・神経系との関連 ― 腎臓が落ちると、薬が体に残る
さらにCKDそのものが、慢性炎症・血管性の変化・貧血などを通じて認知機能の低下と関連することも指摘されています。「腎臓を守ることは、10年後の頭を守ること」。認知症外来と糖尿病専門外来を同じ建物で行っている当院が、いちばん強く申し上げたい一点です。
🌱 軸3: 抗加齢医学・健康寿命 ― eGFRは「老化の見える化」です
抗加齢医学の視点で見れば、「基準値内かどうか」より「1年に何mL下がっているか」がすべてです。傾きを自然老化のペースまで戻せれば、透析は現実的な問題ではなくなります。血管の糖化(AGEs)を抑え、筋肉を落とさず、脱水を避ける——腎臓を守る生活は、そのまま健康寿命と平均寿命のギャップを縮める生活でもあります。
🏥 センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)
腎臓を守る診療は、派手な処置ではなく「半年に1回の尿検査を、10年間続けられるかどうか」で決まります。続けられる場所であること——ここまでお読みいただいた内容を、当院では次のような体制で診ています。
理由① 水曜日の糖尿病専門外来
毎週水曜日に糖尿病専門外来を設けており、理事長・五藤 良将(日本糖尿病協会登録医・日本抗加齢医学会専門医)が担当します。血糖だけでなく、腎臓・血圧・脂質までまとめてご相談いただけます。
理由② 認知症外来・脳神経内科を併設
「腎機能の低下 → 低血糖 → もの忘れ」という流れを、同じ窓口で追いかけられます。糖尿病とご家族の気になるもの忘れを、別々の病院に分けずに診られる体制です。
理由③ 3軸アプローチ
糖尿病・認知症・抗加齢医学を分断せずに診ます。尿アルブミンを「腎臓の検査」で終わらせず、目・歯・足・脳・血管まで含めて読み解きます。
理由④ 平日は18:30まで/土曜は休憩なし
月・水・木・金の午後は18:30まで(2026年9月より延長)、土曜は9:00〜14:00を休憩なしで診療しています。お仕事を続けながら、定期検査を切らさずに通える時間帯です。
理由⑤ センター南駅徒歩9分・駐車場4台
横浜市営地下鉄「センター南駅」から徒歩9分、駐車場も4台ございます。旧・浜クリニックとして地域に親しまれてきた場所で、そのまま診療を続けています。
理由⑥ グループ3院の連携
日曜・祝日は五良会クリニック白金高輪のオンライン診療へおつなぎします。AGEs(糖化)の測定は竹内内科小児科医院で対応するなど、グループで役割を分担しています。
「クレアチニンは正常」と言われ続けている糖尿病の方こそ、一度、尿アルブミンを測りにいらしてください。
ご予約はmelmoから24時間受付中です。/お電話 045-942-7783
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🩸 糖尿病関連腎臓病(DKD)と尿アルブミン
クレアチニンが正常でも腎臓は減っていく。尿アルブミンで10年早く見つけ、透析を防ぐ治療までを解説。
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DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院
高齢者の糖尿病は「下げすぎ」にもご注意を
年齢と認知機能で変わるHbA1cの目標値、そして腎機能が落ちた方ほど注意したい低血糖とフレイル対策を、田園調布の竹内内科小児科医院が解説しています。
SHIROKANETAKANAWA 五良会クリニック白金高輪
HbA1cが実際の血糖値と合わないことがあります
腎機能が低下すると腎性貧血を伴い、HbA1cが本当の血糖より低く見えることがあります。グリコアルブミンによる補正の考え方を、港区・白金高輪の糖尿病内科が解説しています。
よくあるご質問(FAQ)
Q1. 健康診断の尿検査で「尿タンパク(−)」でした。それでも尿アルブミンを測る必要がありますか?
A. 糖尿病がある方は、必要です。健診の尿タンパクは試験紙による検査で、おおむね1日300mg以上にならないと反応しません。一方、尿アルブミンは1日30mg程度からとらえられます。「尿タンパク(−)でも、微量アルブミン尿がある」という状態はごくありふれており、ここが治療でいちばん取り返せる段階です。「CKD診療ガイド2024」でも、糖尿病のある方には少なくとも半年に1回の測定が示されています。
Q2. 微量アルブミン尿と言われました。もう透析は避けられないのでしょうか?
A. そうではありません。微量アルブミン尿(30〜299 mg/gCr)は、治療によって正常アルブミン尿に戻りうる段階です。血糖・血圧の管理に加え、ARB/ACE阻害薬、SGLT2阻害薬、必要に応じてフィネレノンといった腎保護の選択肢があり、臨床試験でも腎機能の悪化リスクが大きく下がることが示されています。ただし効果には個人差があり、どなたにも同じ結果を保証できるものではありません。できるだけ早く治療を組み立て直すことが、いちばん確実な一手です。
Q3. SGLT2阻害薬を始めたら、eGFRが少し下がりました。腎臓が悪くなったのでしょうか?
A. 開始直後に数mL程度下がる現象はよく知られたもので、糸球体にかかっていた過剰な圧が正常に戻ったサインと考えられています。その後はむしろ低下のスピードがゆるやかになり、長期的には腎臓を守る方向に働きます。ただし、下がり幅が大きい場合や脱水を伴う場合は評価が必要ですので、自己判断で中止せず、必ず主治医にご相談ください。
Q4. 腎臓が心配なので、たんぱく質を自分で減らそうと思います。よいでしょうか?
A. 自己判断はお勧めしません。たんぱく質制限が必要になるのは、おおむねステージG3a以降で、G3aは0.8〜1.0、G3b以降は0.6〜0.8 g/kg標準体重/日が目安です。エネルギーが足りないまま制限すると、筋肉が落ちてサルコペニア・フレイルが進み、かえって健康寿命を縮めます。ご高齢の方はとくに慎重な判断が必要です。まずはご自身のステージを確認するところから始めましょう。
Q5. 尿アルブミンが1回だけ高く出ました。腎症と決まったのでしょうか?
A. 1回の結果では確定しません。激しい運動の直後、発熱時、著しい高血糖、月経中、尿路感染などで一時的に上がることがあります。通常は3〜6か月のあいだに複数回測り、2回以上陽性であれば「あり」と判断します。まずは条件を整えて、落ち着いた状態でもう一度測ることをお勧めします。
Q6. 糖尿病は他院で診てもらっています。腎臓の検査だけ受けることはできますか?
A. ご相談いただけます。現在の処方内容がわかるもの(お薬手帳)と、直近の血液・尿検査の結果をお持ちください。水曜日の糖尿病専門外来のほか、通常の内科外来でも承っております。主治医の先生との併診についても、ご希望をお伺いしながら進めますので、まずはお気軽にお問い合わせください(045-942-7783)。
AUTHOR / SUPERVISOR
医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)
- 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
- 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
- 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
- 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
- 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
- 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数
執筆・監修責任について
本記事は、五藤 良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良ファミリークリニック センター南(045-942-7783)までお知らせください。
📚 主な参考資料
・日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2024年12月31日現在)」
・日本腎臓学会「CKD診療ガイド2024」第4章 糖尿病関連腎臓病
・日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第9章 糖尿病性腎症
・日本腎臓学会「慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014年版」
・CREDENCE試験(N Engl J Med 2019)/DAPA-CKD試験(N Engl J Med 2020)/FIDELIO-DKD試験(N Engl J Med 2020)/EMPA-KIDNEY試験(N Engl J Med 2023)
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理事長 五藤 良将
