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横になると、うそのように頭痛が消える〜その頭痛は「脳脊髄液の漏れ」かもしれません。低髄液圧症候群を理事長 五藤良将が解説〜

[2026.09.24]
CSF LEAK / ORTHOSTATIC HEADACHE
横になると、うそのように頭痛が消える
〜その頭痛は「脳脊髄液の漏れ」かもしれません。低髄液圧症候群を理事長 五藤良将が解説〜

医療法人社団 正友会 理事長・五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)より、「起き上がると痛い/寝ると治る」という頭痛のサインの意味と、見逃さないための手順をお伝えします。

起立性頭痛 脳脊髄液漏出症 ブラッドパッチ 頭痛外来・センター南

― 理事長より、はじめに ―

こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。「朝、起き上がって15分もすると後頭部が重くなってくる。でも、横になって少し休むとうそのように消える」——こうお話しになる患者さんが、頭痛外来には一定数いらっしゃいます。多くの方が「片頭痛でしょう」「肩こりからでしょう」と言われ、市販の鎮痛薬を飲みながら数か月を過ごしています。

結論からお伝えします。「起き上がると痛くなり、横になると軽くなる」という姿勢による変化そのものが、脳脊髄液(髄液)が漏れているサインかもしれません。これは低髄液圧症候群(脳脊髄液漏出症)と呼ばれ、鎮痛薬では治りませんが、診断がつけば治療で改善が期待できる頭痛です。

本記事では、この「姿勢で変わる頭痛」をどう見分けるか、片頭痛や気象病との違い、診断の進め方、保存療法とブラッドパッチ(硬膜外自家血注入・2016年から保険適用)、そして放置したときに起こりうることまでを、ご家族にも読んでいただける言葉で整理しました。旧・浜クリニックとして地域に親しまれてきた当院の頭痛外来で、実際にお伝えしている順序そのままにご説明します。🧠

THIS ARTICLE IS WRITTEN AND SUPERVISED BY

医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将

日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医
この記事は五藤 良将が執筆・監修し、内容に責任を持っています。

📖 目次

  1. 「起き上がると痛い、横になると消える」が最大の手がかり
  2. なぜ髄液が漏れると頭が痛むのか
  3. 頭痛以外に出るサイン(首・耳・吐き気・集中力)
  4. きっかけは何か──むち打ち・くしゃみ・重い物、そして「誘因なし」
  5. 片頭痛・緊張型頭痛・気象病との見分け方【比較表】
  6. 診断はどう進めるか──MRIと専門施設との連携
  7. 治療①保存療法/②ブラッドパッチ(2016年保険適用)
  8. 放置の落とし穴──慢性硬膜下血腫と「脳が下がる認知症」
  9. セルフチェックと受診の目安
  10. 関連ブログ・関連クリニック
  11. よくあるご質問(FAQ)
  12. 🏥 センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)
  13. 🔁 3軸クロスポイント(糖尿病×認知症×抗加齢)

1. 「起き上がると痛い、横になると消える」が最大の手がかり

頭痛にはさまざまな種類がありますが、その中で姿勢によってはっきり増減する頭痛は、実はそれほど多くありません。だからこそ、この特徴は診断の強力な手がかりになります。医学用語では起立性頭痛(きりつせいずつう)と呼びます。

📊 典型的な起立性頭痛のパターン

  • 座る・立つと、おおむね15分以内に頭痛が始まる、または強くなる
  • 横になると、数分〜数十分で軽くなる、または消える
  • 後頭部から首にかけての、締めつけられるような・重い痛みが多い
  • 朝より午後から夕方にかけて悪化しやすい(起きている時間が長いほどつらい)
  • 鎮痛薬を飲んでも、あまり効いた実感がない

「午後になるとつらくなる」というのは、患者さんご自身がお薬のせいでも気分のせいでもなく、起きている時間の長さと関係していると気づかれるポイントです。国際頭痛分類(ICHD-2)では、起立後15分以内に悪化する頭痛に加えて、項部(うなじ)のこわばり・耳鳴り・聴力低下・光過敏・吐き気のいずれかを伴うことが、診断の目安として挙げられてきました。現行の国際頭痛分類(ICHD-3)では、髄液漏れや低髄液圧の所見との時間的な関連が診断の中心に据えられていますが、この「姿勢で変わる」という臨床的な特徴が最重要のサインであることは変わりません。

💡 ご家族へのお願い

ご本人は「頭が痛い」としか言わないことがあります。ぜひ一度、「横になると楽になる?」と聞いてみてください。この一言で診断が動くことがあります。逆に「横になった方が痛い」という答えなら、まったく別の病気を考える必要があります(第6章で説明します)。

2. なぜ髄液が漏れると頭が痛むのか

脳と脊髄は、脳脊髄液(髄液)という無色透明の液体の中に浮かんでいます。成人でおよそ130〜150mLが循環しており、脳という約1,300gの臓器を水に浮かべることで、実際に頭蓋内で脳にかかる重さを50g程度にまで軽くしている——いわば「水まくら」の役割を果たしています。

この髄液を包んでいるのが硬膜(こうまく)という丈夫な膜です。何らかの理由で背骨のあたりの硬膜に小さな破れ目ができると、そこから髄液が少しずつ漏れ出します。すると髄液の「量」と「圧」が下がり、脳を浮かべる力が足りなくなります。

🧠 立つと痛くなる理由

横になっているときは、脳は重力の影響をあまり受けません。ところが起き上がると、浮力を失った脳が自分の重さで下に沈み込みます。すると、脳を頭蓋骨につなぎとめている硬膜・血管・神経が引っぱられ、これが痛みとして感じられます。さらに、減った髄液のぶんを補おうとして脳の静脈が広がることも、痛みや重だるさの一因と考えられています。姿勢を変えるだけで痛みが変わるのは、引っぱられ方が変わるからです。

この仕組みがわかると、なぜ鎮痛薬が効きにくいのかも理解できます。痛みの原因は炎症ではなく「物理的に引っぱられていること」だからです。元を断つには、漏れを止めるか、髄液の量を回復させる必要があります。

3. 頭痛以外に出るサイン(首・耳・吐き気・集中力)

この病気は「頭痛だけ」で来られるとは限りません。むしろ耳や首の症状を主訴に、耳鼻科や整形外科を先に受診されている方が少なくありません。次のような症状が、姿勢と連動して現れていないかを確認してみてください。

👂 耳の症状

耳鳴り、耳が詰まった感じ、聞こえにくさ。飛行機に乗ったときのような「こもり」を訴える方が多くいらっしゃいます。内耳の圧は髄液の圧とつながっているためです。

🦴 首・肩の症状

うなじのこわばり、首の後ろの痛み、肩の重さ。「ひどい肩こり」として扱われ、マッサージに通い続けてしまうことがあります。

🌀 めまい・吐き気

ふらつき、吐き気、嘔吐。立っている時間が長いほど強くなる傾向があります。乗り物酔いに似た感覚と表現される方もいます。

👀 目の症状

かすみ目、まぶしさ、ものが二重に見える(複視)。脳が下がることで、目を動かす神経が引っぱられて起こることがあります。

🧠 集中力・思考

集中が続かない、言葉が出にくい、頭に霧がかかったよう。うつ病や認知症と間違われることがあり、注意が必要な症状です。

😴 全身のだるさ

強い倦怠感、睡眠障害。「起きていられない」ために、仕事や学業を続けられなくなることもあります。

💡 診断のカギは「症状の種類」より「姿勢との関係」

症状そのものは、どれもありふれたものばかりです。決め手になるのは「横になると、これらがまとめて軽くなるかどうか」。この一点を意識して症状を振り返っていただくことが、遠回りを防ぐ最短の道になります。

4. きっかけは何か──むち打ち・くしゃみ・重い物、そして「誘因なし」

髄液の漏れは、大きく2つに分けて考えます。診断の遅れは、多くの場合「そんな大げさなケガはしていない」という思い込みから生まれます。

分類 きっかけとして報告されているもの
外傷がはっきりしている場合 交通事故によるむち打ち、転倒・尻もち、スポーツ中の衝突や着地、腰椎穿刺(背中からの検査)や脊椎の手術のあと、出産時の硬膜外麻酔のあと
日常動作がきっかけの場合 激しいくしゃみ・咳、重い物を持ち上げる、強くいきむ、ゴルフのスイング、急に体をひねる、激しい運動
誘因がはっきりしない場合 思い当たるきっかけがまったくないことも珍しくありません。もともと硬膜(結合組織)がやや弱い体質の方では、特別な出来事がなくても漏れが起こりうると考えられています

⚠ 「事故から数週間たってから」でも関係することがあります

交通事故のあと、しばらくしてから起立性の頭痛が出てきて、「事故とは関係ないでしょう」と言われてしまうケースがあります。むち打ち後に横になると楽になる頭痛が続いている場合は、その経過を必ず医師にお伝えください。時間が経っているからという理由だけで、可能性を消してしまう必要はありません。

発症は決して多い病気ではなく、海外からは年間10万人あたり数人程度との報告があります。ただしMRIの精度が上がったことで診断される機会は増えており、「まれだから考えない」ことこそが、見逃しの最大の原因だと私は考えています。30〜50代の働き盛りの方に多い点も、見過ごされやすい理由のひとつです。

5. 片頭痛・緊張型頭痛・気象病との見分け方【比較表】

実際の外来では、次の表のように整理してご説明しています。ご自身の頭痛がどの列に近いか、確かめてみてください。

項目 脳脊髄液漏出症 片頭痛 緊張型頭痛
姿勢との関係 起きると悪化・横になると改善(最重要) 姿勢よりも、動くと響く。横になっても痛みは続く 姿勢での変化は乏しい
痛みの性質 後頭部〜首の、重い・締めつける痛み 片側が多く、ズキンズキンと脈打つ 両側を締めつけられる、圧迫感
1日の中の変化 午後〜夕方に悪化(起きている時間に比例) 発作的に数時間〜3日続く 夕方に強まることが多い
光・音への過敏 伴うことがある 強く伴う(暗い静かな部屋を好む) 乏しい
鎮痛薬の効き 効きにくい トリプタン製剤が有効なことが多い ある程度効く
治療の方向性 安静・補水、必要ならブラッドパッチ 急性期治療薬と予防薬 姿勢・運動・ストレス対策

⚠ 気象病(天気痛)と重なって見えることがあります

低気圧が近づくと頭痛が悪化する気象病と、症状が似て見えることがあります。ただし気象病は「天気」で変動し、脳脊髄液漏出症は「姿勢」で変動します。判断に迷うときは、1週間ほど「起きていた時間」「頭痛の強さ」「天気」を3点セットで記録していただくと、外来での見分けが格段にしやすくなります。📊

6. 診断はどう進めるか──MRIと専門施設との連携

⚠ まず確認すべき「逆パターン」

「横になると痛みが強くなる」「朝起きたときが一番痛い」「吐いてから楽になる」——これは脳脊髄液漏出症とは正反対の、頭蓋内の圧が高まっているサインです。脳腫瘍などの可能性を考えて、速やかな画像検査が必要になります。また、突然、経験したことのない激しい頭痛が起きた場合は、くも膜下出血を疑ってためらわず救急要請をしてください。

診断は、①問診 → ②画像で「脳が下がっている所見」を探す → ③漏れている場所を特定する、という順に進みます。

STEP 1 問診(ここが最も大切です)

起立と臥位で症状がどう変わるか、発症のきっかけ、経過。検査よりも先に、ここでほぼ見当がつきます。「いつから」「何をしたあとから」を、思い出せる範囲でメモしてご持参ください。

STEP 2 頭部MRI(造影)

低髄液圧を示す所見として、びまん性の硬膜肥厚・造影増強、脳の下垂(小脳扁桃の下降)、脳幹の扁平化、硬膜下の水のたまり、脳表静脈の拡張などを確認します。ただしこれらの所見がはっきり出ない方も一定数いらっしゃり、「MRIが正常=否定」とはなりません。

STEP 3 漏れている場所の特定(専門施設)

脊髄MRI/MRミエログラフィー、CTミエログラフィー、RI脳槽シンチグラフィーなどを用いて、漏出部位を探します。これらは入院や専門設備を要するため、当院では診断の見当をつけたうえで、対応可能な医療機関へご紹介する流れをとっています。

7. 治療①保存療法/②ブラッドパッチ(2016年保険適用)

治療は段階的です。いきなり注射や手術をするわけではありません。まずは体が自分で破れ目をふさぐのを助ける方法から始めます。

① 保存療法(第一選択・おおむね2週間)

  • 安静臥床:横になっている時間を意識的に増やします。漏れた部分に圧がかからない姿勢を保つことが目的です
  • 十分な水分補給:髄液のもとになる水分を確保します。必要に応じて1日1,000〜1,500mLの点滴を行う場合があります
  • カフェイン:脳血管を収縮させ、症状をやわらげる目的で用いられることがあります
  • 重い物を持つ、強くいきむ、激しい運動は、この期間は控えていただきます

軽症であれば、この段階で改善する方も少なくありません。2週間ほど続けても改善が乏しい場合に、次の段階を検討します。

② ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入療法)

ご自身の血液を20〜30mL程度採取し、漏れている場所の近くの硬膜外腔に注入する治療です。注入された血液が固まることで、破れ目にふたをする(パッチをあてる)とともに、周囲の圧を高めて漏れを止める効果が期待されます。

  • 2012年に先進医療として承認され、2016年4月から保険適用となりました(診療報酬 800点)
  • 特発性・外傷性の場合は、X線透視下での実施が推奨されています
  • 効果については、初回で約3〜4割、複数回の施行で5割前後で有効との報告があります。1回で十分な効果が得られず、複数回を要することがあります
  • 実施後は、一定時間の安静が必要です

※ ブラッドパッチは入院・専門設備のもとで行う治療です。当院では実施しておらず、適応が考えられる場合は連携医療機関へご紹介します。

💡 鎮痛薬の飲みすぎにご注意ください

効きにくいからと鎮痛薬を毎日のように飲み続けると、今度は薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)が重なり、本来の頭痛の姿が見えなくなってしまいます。市販薬を月に10日以上使う状態が続いているなら、それ自体が受診の理由になります。

8. 放置の落とし穴──慢性硬膜下血腫と「脳が下がる認知症」

「痛いけれど、横になれば治るのだから」と何年も付き合ってしまう方がいらっしゃいます。しかし、放置によって起こりうる問題が2つあります。ここは、頭痛外来と認知症外来の両方をもつ当院として、とくにお伝えしたい部分です。

📊 落とし穴① 慢性硬膜下血腫

脳が下に沈み込んだ状態が続くと、脳と硬膜をつなぐ細い静脈(架橋静脈)が引き伸ばされ、切れて出血することがあります。これが慢性硬膜下血腫です。頭をぶつけた記憶がなくても起こりえます。血腫が大きくなると、頭痛だけでなく手足の動かしにくさ・歩行のふらつき・もの忘れが現れ、手術が必要になることもあります。

📊 落とし穴② 認知症と間違われる「脳下垂症候群」

近年、髄液漏れによる脳の下垂が、前頭側頭型認知症によく似た症状——性格の変化、意欲の低下、無関心、だらしなくなる、言葉が出にくい——を引き起こすことが報告されています。国際的には「脳下垂認知症(brain sagging dementia)」と呼ばれ、Neurology 誌(2022年)などで、髄液漏れを治療することで症状の改善が得られた例が報告されています。高齢の方では頭痛が目立たず、行動の変化だけが表に出ることもあるため、認知症外来でも念頭に置くべき病態です。

当院が「治せる認知症(treatable dementia)」を繰り返しお伝えしているのは、こうした理由からです。原因がわかれば手が打てるタイプのもの忘れは、確実に存在します。

9. セルフチェックと受診の目安

✅ 起立性頭痛セルフチェック

次のうち、当てはまるものはいくつありますか。

  • □ 起き上がって15分以内に、頭痛が始まる・強くなる
  • □ 横になると、頭痛がはっきり軽くなる
  • □ 朝より午後・夕方のほうがつらい
  • □ 後頭部やうなじが痛い、こわばる
  • □ 耳鳴り・耳のつまり・聞こえにくさがある
  • □ 鎮痛薬がほとんど効かない
  • □ 事故・転倒・激しいくしゃみ・重い物を持った出来事のあとから始まった

上の2つ(起き上がると悪化/横になると改善)にチェックがついた方は、ぜひ一度ご相談ください。この2つがそろうことが、何よりの手がかりです。

⚠ すぐに救急受診をご検討いただきたい症状

  • 突然の、経験したことのない激しい頭痛(くも膜下出血の可能性)
  • 手足の麻痺、ろれつが回らない、顔のゆがみ(脳卒中の可能性)
  • 意識がもうろうとする、けいれん
  • 高熱とともに、首が硬くて曲がらない(髄膜炎の可能性)
  • 頭を打ったあとに、頭痛が日ごとに強くなる

そこまでの症状でなくても、頭痛が1か月以上続いている/市販薬を月10日以上使っている/日常生活や仕事に支障が出ているのであれば、それは十分に受診の理由になります。「このくらいで行ってよいのだろうか」と迷われる必要はありません。🏥

🔁 3軸クロスポイント:脳脊髄液漏出症を「糖尿病」「認知症」「抗加齢」の視点でとらえる

髄液の漏れは、一見すると「頭痛だけの、限られた領域の病気」に見えます。けれども当院が大切にしている3軸アプローチ——糖尿病・生活習慣病、認知症・神経、抗加齢——のレンズを通すと、この病気を診断し損ねることの意味が変わってきます。「姿勢で変わる症状」は、3つの軸すべてに顔を出すからです。

🩸 軸1: 糖尿病・生活習慣病との関連

「立ち上がるとつらい」という訴えは、糖尿病の方では自律神経障害による起立性低血圧としてまず疑われます。実際その多くは低血圧ですが、両者は区別できます。起立性低血圧は立った直後の数十秒〜数分でふらつき、座れば比較的すぐ回復します。一方、髄液漏れは立ってから15分ほどかけて頭痛が育ち、横にならないと引きません。見分けの鍵は「立ってから何分後か」です。また、保存療法で安静と補水を行う際、糖尿病のある方では活動量の低下による血糖変動に注意が必要で、点滴の内容も含めて主治医と相談しながら進めるのが安全です。当院では水曜午前の糖尿病専門外来で、こうした調整もあわせてご相談いただけます。

🧠 軸2: 認知症・神経系との関連

第8章でお伝えしたとおり、髄液漏れは「治せる認知症」のひとつの顔を持っています。脳が下がることで前頭葉が圧迫され、意欲の低下・性格の変化・言葉の出にくさが前面に出ると、前頭側頭型認知症と区別がつきにくくなります。高齢の方ほど頭痛の訴えが乏しく、ご家族が気づくのは「人が変わったようだ」という点です。ここでも問診の切り口は同じで、「午後になると、ぼんやりが強くなりませんか」「横になった後は、少し戻りますか」という一言です。当院は頭痛外来と認知症外来を同じ窓口で持っているため、「頭痛の患者さん」と「もの忘れの患者さん」を分けずに考えられることを強みだと考えています。

🌱 軸3: 抗加齢医学・健康寿命

この病気が健康寿命に影響するのは、「横にならないと過ごせない」状態が長引くこと自体によってです。30〜50代の働き盛りで発症すると、仕事や家事から離れざるをえず、活動量が落ち、筋力と体力が低下していきます。安静は治療として必要ですが、長期の臥床は廃用(使わないことによる衰え)を招く——このバランスをとることが抗加齢医学の視点です。保存療法の期間はおおむね2週間と区切り、改善が乏しければ次の手を検討する。漫然と寝て過ごす月日をつくらないことが、結果として健康寿命と平均寿命のギャップを広げないことにつながります。硬膜という結合組織の質を保つという意味でも、日ごろの十分な水分摂取・たんぱく質・睡眠という基本は、やはり土台になります。

🏥 センター南で診るという選択(当院が選ばれる理由)

ここまでお読みいただいた「姿勢で変わる頭痛」を、当院ではこう診ています。この病気は最終的に専門施設での治療が必要になることもありますが、入口で疑えるかどうかが、その後の年月を左右します。

理由① 頭痛外来を専門医が担当

篠原伸顕院長が頭痛外来を担当しています。頭痛専門医・指導医として、片頭痛の予防薬(エムガルティ・アジョビ等)にも対応しています。

理由② 脳神経内科・認知症外来を併設

しびれ・めまい・ふるえ・もの忘れを同じ窓口で診られます。頭痛と認知機能の変化が同時にある方を、科をまたがずに検討できます。

理由③ 専門施設への紹介体制

ミエログラフィーやブラッドパッチは入院・専門設備を要します。当院で見当をつけたうえで、対応可能な医療機関へご紹介します。

理由④ 平日は18:30まで診療

月・水・木・金は18:30まで(2026年9月〜延長)、土曜は9:00〜14:00 休憩なし。お仕事帰りや土曜にご相談いただけます。

理由⑤ 3軸アプローチ

糖尿病×認知症×抗加齢を分断せずに診ます。起立時の症状を、血圧・自律神経・髄液の三方向から検討できます。

理由⑥ 通いやすい立地とグループ連携

市営地下鉄「センター南駅」徒歩9分・駐車場4台。日曜・祝日は五良会クリニック白金高輪のオンライン診療をご利用いただけます。

「横になると楽になる頭痛」が続いているなら、一度ご相談ください。

ご予約はmelmoから24時間受付中です。/お電話 045-942-7783

10. 関連ブログ・関連クリニック

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11. よくあるご質問(FAQ)

Q1. MRIで「異常なし」と言われました。この病気は否定されたということですか?

A. いいえ、否定はできません。硬膜の肥厚や脳の下垂といった所見がはっきり現れない方も一定数いらっしゃいます。また、通常の頭部MRIだけでは漏れている場所そのものは写りません。画像が正常でも、「起き上がると悪化し、横になると改善する」という経過が明確であれば、引き続き検討する価値があります。これまでの検査結果をお持ちのうえで、あらためてご相談ください。

Q2. 自然に治ることはありますか?

A. 軽い漏れであれば、安静と十分な水分補給で自然にふさがり、改善する方もいらっしゃいます。実際、保存療法が第一選択とされているのはそのためです。ただし、2週間ほど続けても改善が乏しい場合や、症状が強くて日常生活が送れない場合は、次の段階の治療を検討します。「そのうち治るだろう」と何か月も様子を見ることは、第8章でお伝えした合併症の面からもおすすめできません。

Q3. ブラッドパッチは当院で受けられますか?費用はどのくらいですか?

A. ブラッドパッチ(硬膜外自家血注入療法)は入院と専門設備が必要な治療のため、当院では実施しておりません。適応が考えられる場合は、対応可能な医療機関へご紹介します。費用については、2016年4月から保険適用となっており、手技料は診療報酬上800点と定められています。実際のご負担額は、入院費・検査費・保険の負担割合によって変わりますので、紹介先の医療機関でご確認ください。

Q4. 交通事故のあとから続いている頭痛です。関係がありますか?

A. むち打ちのあとに起立性の頭痛が続くことは、実際に報告されています。事故から時間が経ってから症状が出てくることもあり、それだけを理由に関連を否定する必要はありません。受診の際は、事故の日付・受傷の状況・症状が始まった時期・これまでの検査や治療の経過を整理してお持ちいただけると、判断がしやすくなります。

Q5. 家族が「頭が痛い」と言い、最近ぼんやりしています。何を見ればよいですか?

A. ぜひ「横になったあとで、少し戻るかどうか」を観察してみてください。午後になるほどぼんやりが強くなり、しばらく横になると受け答えがはっきりする——この変動があれば、髄液漏れを含めて検討する理由になります。もの忘れや性格の変化が中心で頭痛が目立たないこともありますので、気づかれた変化を時系列でメモしてご一緒に受診してください。当院は頭痛外来と認知症外来を併設しており、同じ窓口でご相談いただけます。

AUTHOR / SUPERVISOR

医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(ごとう よしまさ)

  • 防衛医科大学校 医学部 卒業(27期)。防衛医科大学校病院、自衛隊中央病院、自衛隊横須賀病院ほかで臨床経験を積む
  • 医療法人社団 五良会 理事長/医療法人社団 正友会 理事長/竹内内科小児科医院 院長
  • 日本内科学会 認定内科医/日本抗加齢医学会 専門医/日本糖尿病協会 登録医/日本旅行医学会 認定医
  • 日本温泉気候物理医学会 温泉療法専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/難病指定医
  • 所属学会:日本内科学会、日本糖尿病学会、日本アレルギー学会、日本東洋医学会、日本リウマチ学会、日本外来小児科学会、日本抗加齢医学会、日本睡眠学会、日本美容内科学会、日本旅行医学会 ほか
  • 著書『あぶら落とすスープ』(アスコム)。NHK・TBS・フジテレビ・日本テレビ・テレビ朝日などメディア出演多数

執筆・監修責任について

本記事は、五藤 良将が公的機関の発表・国内外の診療ガイドライン・査読済み論文を確認したうえで執筆・監修しています。内容は公開時点の情報に基づくものであり、新しい知見やガイドラインの改訂があった場合は、こちらで記事を更新します。
本記事は一般的な医学情報の提供を目的としており、個々の患者さんの診断・治療に代わるものではありません。症状や治療のご判断については、必ず医師にご相談ください。記載内容について気になる点がございましたら、五良ファミリークリニック センター南(045-942-7783)までお知らせください。

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理事長 五藤 良将

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