一次性頭痛の特徴
我々脳神経内科医が拝見する頭痛は、一次性頭痛が多いと思います。一次性頭痛の特徴を記載します。皆様の参考になれば幸いです。
痛みの特徴;片頭痛は中等度から重度のズキンズキンと拍動する痛みが特徴です。緊張型頭痛は軽度から中等度の圧迫感またはギューと締め付けられる鈍い痛みが一般的です。群発頭痛は重度から極めて重度の激しい痛みです。
発現部位;片頭痛は多くは片惻性ですが、両側性の事もあります。緊張型は両側性、群発性頭痛は片惻性で通常は片眼の周囲または奥に激しい痛みが起こります。
持続時間;片頭痛は4〜72時間、緊張型頭痛は30分〜1週間、群発頭痛は15〜180分です。
頻 度;片頭痛は様々な頻度で再発します。緊張型頭痛は稀発性から連日性まで様々です。群発頭痛は1〜2ヶ月の発作期間で、1日1回以上出現します。
随伴症状;片頭痛では吐き気や嘔吐、音や光過敏、動作による頭痛の増悪があります。緊張型頭痛はこめかみや後頭部の圧痛で、時には音過敏または光過敏もあります。群発頭痛は痛みがある側だけの鼻閉、鼻汁、顔面発汗、眼球結膜発赤、眼瞼浮腫です。
人口統計学的特性;片頭痛では男性より女性が2〜3倍多く、緊張型頭痛も男性より女性が多い傾向にあります。逆に群発頭痛は女性より男性が3倍多いのが特徴です。
上記の特徴を踏まえて頭痛外来では診断を進めて行き、適切な治療を行なっていく事が大切です。
脳の検査をして異常がなかった場合には一次性頭痛となる事が多いのですが、そこからさらに一歩進んで、どのタイプの一次性頭痛かを判断していく事が頭痛外来をしている医師の責任と思っています。
院長 篠原 伸顕