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インフルエンザで頭痛が起きる理由 

[2025.12.19]

 インフルエンザによる頭痛が起きる原因には下記の3つの原因が考えられています。 

 

1.プロスタグランディン(Prostagrandin,PG)の産生 

   プロスタグランディンは体内でアラキドン酸から作られる生理活性物質の一種です。インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、免疫細胞がウイルスに対抗する物質を放出します。その過程で生成されるのがプロスタグランディンです。 プロスタグランディンはウイルスの増殖を抑える為に体温を上げる役割があります。プロスタグランディンは同時に痛みを引き起こす作用がある為に、頭痛や筋肉・関節痛の原因となります。 

 

2.サイトカイン(Cytokine)による炎症反応 

 インフルエンザウイルスなどの侵入により免疫系が活性化されると白血球からサイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-αなど)という物質が大量に放出されます。このサイトカインが脳内の視床下部に作用し、痛みに対して過敏な状態を作ります。サイトカインは脳を包む膜(髄膜)の血管で炎症を引き起こします。これにより血管が拡張し、周囲の三叉神経が刺激される事でズキズキとした強い痛みが生じます。さらに過剰なサイトカイン(サイトカインストーム;Cytokine Storm)は、脳を保護するための血液脳関門(Blood-Brain-Barrier)の透過性を高め、脳内の炎症を悪化させる事があります。 

 

3.血管の拡張と脳圧の変化 

 ウイルスを抑える為の発熱に伴い、脳の血管が拡張します。これにより周囲の神経が圧迫、刺激され、片頭痛と同じ様な拍動する痛みが生じます。さらに高熱による発汗過多で水分不足が生じると、血流が悪化し頭痛がさらに悪化する事があります。 

 

 現在日本で流行しているインフルエンザ変異株(サブクレードK)でも急激な高熱と強い頭痛が初期症状として報告されています。 

 一番怖いのはお子さんなどで起きるインフルエンザ脳症です。インフルエンザ脳症の特徴は、①意識がぼんやりして、呼びかけても反応しない、②異常な言動や痙攣発作、③繰り返す激しい嘔吐などが特徴です。 

 

 まだまだインフルエンザが猛威を奮っております。高熱に頭痛や筋肉・関節痛を伴う場合はインフルエンザ感染の可能性があります。この様な症状がある場合は医療機関への受診が望ましいですが、発熱をして数時間で受診をなされても検査でインフルエンザが陽性に出る可能性が低いので、お辛いとは思われますが発熱してから最低でも12時間を経過してからの受診をお勧めします。 

 

院長 篠原 伸顕 

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