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高血糖と老化(AGEs・糖化)〜「糖化」が引き起こす全身の老化と病気〜

[2026.05.04]
 
 
AGES & GLYCATION

高血糖と老化(AGEs・糖化)
〜「糖化」が引き起こす全身の老化と病気〜

医療法人社団 正友会 理事長・五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)より、近年「老化の主犯」として注目されるAGEs(終末糖化産物)について、最新エビデンスと検査方法を解説します。

AGEs
糖化
アンチエイジング
SAF測定

― 理事長より、はじめに ―

こんにちは。医療法人社団 正友会 理事長の五藤 良将です。「同じ年齢なのに、なぜあの人はあんなに若く見えるのだろう?」——その答えの一つが、体内に蓄積したAGEs(終末糖化産物)の量の違いにあります。

AGEsは、糖とタンパク質が結合してできる「老化物質」です。一度できると体内で分解されにくく、皮膚のコラーゲン・血管壁・神経・脳に長年蓄積し続け、シワ・たるみ・血管病・認知症・骨粗鬆症・がんといったあらゆる老化関連疾患の元凶となります。

本記事では、AGEsの最新科学と、当グループの白金高輪「AGEs外来」での測定・対策まで、糖尿病・抗加齢医学の専門医として丁寧にお伝えします。

1. AGEsとは?──体内で起きる「焦げつき」反応

AGEs(Advanced Glycation End Products/終末糖化産物)とは、タンパク質・脂質・核酸が「還元糖(ブドウ糖・果糖)」と非酵素的に結合してできる物質群の総称です。専門用語では「メイラード反応」と呼ばれます。

わかりやすく言えば、パンケーキやステーキの表面が焼けて茶色くなる「焦げ」と同じ反応が、体内で長い時間をかけて進んでいるイメージです。一度生成されたAGEsは、体内の分解酵素ではほぼ除去できず、生涯にわたって蓄積し続けます。

🔬 AGEs生成の3要素
① 糖(ブドウ糖・果糖)の濃度・滞在時間
② タンパク質の存在量
③ 時間(年齢)
→糖尿病の方は①が高いため、AGEsが10〜20年早く蓄積します。

2. 糖化と酸化──老化の二大悪役

老化の科学では、「糖化(glycation)」と「酸化(oxidation)」が二大悪役とされています。

項目 糖化 酸化
原因 高血糖・糖質の過剰摂取 活性酸素(ROS)
イメージ 体の「焦げつき」 体の「サビつき」
主な被害 コラーゲン硬化、血管・脳・骨 DNA損傷、ミトコンドリア
対策 血糖管理、低AGEs食 抗酸化食、運動

この二つは独立しているのではなく、互いに増悪しあう「糖化-酸化スパイラル」を作ります。AGEs自体が活性酸素を発生させ、酸化ストレスがAGEs生成を加速します。

3. AGEsが引き起こす全身の病気

AGEsの蓄積は、頭の先からつま先まで、文字通り全身の老化と病気に関与します。

🧠 脳・神経

アルツハイマー病、血管性認知症、糖尿病性ニューロパチー

❤️ 心血管

動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、血管の硬化

👁 眼

白内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症

🦴 骨

骨質劣化、骨折リスク増加(骨密度正常でも)

🧴 皮膚

シワ、たるみ、くすみ、シミ、コラーゲン硬化

🫁 内臓

慢性腎臓病、肝硬変進行、サルコペニア

4. AGEs-RAGE軸──炎症と老化の中心経路

AGEsは細胞表面のRAGE(Receptor for AGEs/AGE受容体)に結合することで、慢性炎症や酸化ストレスを引き起こします。これが「AGEs-RAGE軸」と呼ばれ、現代の老化研究の中心的な分子経路です。

🧬 RAGE活性化の連鎖

AGEs結合 → RAGE活性化 → NF-κB(炎症転写因子)→ 炎症性サイトカイン放出 → 慢性炎症 → 動脈硬化・神経変性・がん化

RAGEは皮膚の線維芽細胞・血管内皮細胞・神経細胞・骨芽細胞など、ほぼ全身に発現しています。だからこそ、AGEs対策は「全身の若々しさ」を守る根本療法になりうるのです。

5. 体内のAGEs量を測る方法(SAF測定)

「自分の体内に、AGEsがどのくらい蓄積しているか?」——これが皮膚蛍光測定(Skin Auto-Fluorescence:SAF)法でわかります。

🔬 SAF測定の仕組み

AGEsの代表格である「ペントシジン」などの蛍光性AGEsは、370nmの近紫外光を当てると440nmの青色蛍光を発する性質があります。前腕の皮膚に1分ほどセンサーを当てるだけで、体内のAGEs総蓄積量を非侵襲的に推定できます。

  • 採血不要・痛みゼロ
  • 測定時間約1分
  • 結果を年齢標準値と比較して「体内年齢」を算出
  • 定期測定で生活改善の効果が可視化

6. 食事のAGEs──調理法で大差が生まれる

体内のAGEsは、自分の高血糖から作られる「内因性AGEs」と、食事から摂取する「外因性AGEs」があります。食事のAGEs量は、調理法で何倍も変わります

調理法 AGEs生成量 特徴
🍲 蒸す・茹でる 少ない 水分が多く100℃以下。最も推奨。
🍳 焼く・炒める 100℃以上で焦げ目がつく。要注意。
🍤 揚げる 多い 200℃近い高温+油。最もAGEs多。
🥩 焼肉・ステーキ 非常に多い 焦げ目がAGEsの塊。週1〜2回までに。

⚠ 「焦げ」を避ける生活
同じ鶏肉でも、蒸し鶏とフライドチキンではAGEs量が約10倍違います。「ヘルシーに見える」ローストビーフ・パンの耳・カリカリベーコン・トーストの焦げ目もAGEsの宝庫です。「茹でる→焼く→揚げる」の順で、低AGEs調理を意識しましょう。

7. AGEs対策──食事・運動・薬剤の最新エビデンス

🥗 抗AGEs食材

緑茶(カテキン)、ブロッコリースプラウト(スルフォラファン)、生姜、シナモン、ハーブ類

🍷 ポリフェノール

レスベラトロール、クルクミン、ケルセチンなどがAGEs生成抑制を示唆

🏃 運動

有酸素運動と筋トレでAGEs蓄積を抑制。インスリン抵抗性改善が鍵。

💊 薬剤

メトホルミン・SGLT2阻害薬・ピオグリタゾンが間接的にAGEs抑制

8. 糖尿病の方は特にAGEsチェックを

糖尿病の方は、健常者よりもAGEsの蓄積が10〜20年早く進むことがわかっています。HbA1cの管理だけでは見えない「隠れた老化進行」を、AGEs測定で可視化することが重要です。

⚠ こんな方はAGEs測定をおすすめ

  • 糖尿病・境界型糖尿病と診断された方
  • HbA1cが過去に高かった時期がある方(HbA1cが正常化しても残るAGEsを評価)
  • 糖尿病性合併症が出始めている方
  • 「見た目の老化が早い」と感じる方
  • 動脈硬化や認知症の家族歴がある方

9. 姉妹院・白金高輪「AGEs外来」のご紹介

五良会グループでは、姉妹院の五良会クリニック白金高輪 2階(美容皮膚科・アンチエイジング)にて、「AGEs外来」を日祝限定で開設しています。

SHIROKANETAKANAWA 2F

AGEs外来(日祝限定)

担当:医療法人社団 五良会/正友会 理事長 五藤 良将

  • SAF法によるAGEs体内糖化度測定(採血不要・1分・痛みゼロ)
  • 体内年齢の算出と、年齢標準値との比較
  • 食事・運動・サプリ・薬剤による個別アンチエイジング戦略の立案
  • 定期測定で生活改善の効果を「見える化」

📖 AGEs外来 詳細ページへ →

詳しくは、白金高輪クリニックのブログ「【新設】日曜・祝日の特別外来『AGEs外来』開始のお知らせ」にて、最新の医学的解説と当院での検査・ケア内容をご覧いただけます。

🔁 3軸クロスポイント:AGEs(糖化)を「糖尿病」「認知症」の視点でとらえる

AGEsは「老化物質」というと美容や肌の問題に矮小化されがちですが、実際には糖尿病の合併症と認知症の根本的な病態に深く関わっています。AGEs対策こそ、糖尿病・認知症・全身の老化を同時に防ぐ「三方良し」のアプローチです。

🩸 糖尿病の視点

AGEsは慢性高血糖の最も忠実な記録者です。HbA1cが過去1〜2か月の血糖を反映するのに対し、AGEsは過去数年〜十数年の累積した糖化ストレスを反映します。AGEsが高い方は、HbA1cが正常範囲でも、過去に長期間の食後高血糖や血糖変動があった可能性が高いと考えられます。

当院ではHbA1c・食後血糖・必要に応じてCGM(持続血糖測定)を組み合わせ、見えにくい血糖スパイクまで評価します。詳しくは糖尿病と上手につきあうをご覧ください。メトホルミン・SGLT2阻害薬はAGEs-RAGE経路を抑制することが報告されており、抗糖化作用も期待される薬剤です。

🧠 認知症の視点

脳に蓄積したAGEsは、アミロイドβの凝集を促進し、慢性神経炎症を引き起こします。これがアルツハイマー病の核心的な病態の一つです。糖尿病の方でアルツハイマー病リスクが約1.4倍に上昇する背景には、まさにこの「脳の糖化」があります。

つまり、AGEs対策は単なる美容・抗加齢対策ではなく、未来の認知症リスクを下げる予防医療そのものです。具体的な戦略は糖尿病と認知症の危険な関係認知症予防の食事・運動・睡眠をご参照ください。

🍔 メタボ・全身老化の視点

AGEsは内臓脂肪・脂肪肝・動脈硬化・骨粗鬆症・サルコペニア——あらゆる加齢関連疾患の共通基盤です。逆に言えば、AGEs対策(食後血糖の抑制/調理法の工夫/運動/良質な睡眠/禁煙)は、これら全ての疾患をまとめて防ぐ「抗加齢の本丸」です。

院長五藤の著書『血液と体の「あぶら」を落とすスープ』(アスコム、2024)でも、内臓脂肪・中性脂肪・コレステロールを下げながら糖化対策にもつながるスープレシピを紹介しています。「無理なく続けられる」を最重視した実践書ですので、ぜひご活用ください。メタボリックシンドロームの記事もあわせてどうぞ。

10. 関連ブログ・関連クリニック

📚 当院ブログ・関連テーマ

🩸 糖尿病と上手につきあう

HbA1c・薬物療法・合併症予防

 


🧠 糖尿病と認知症の危険な関係

久山町研究/3型糖尿病

 

🔥 高血糖と老化(AGEs・糖化)

体の焦げつき・抗加齢医学

📍 ご覧の記事です

 

🍔 メタボリックシンドローム

内臓脂肪・隠れメタボ

 

💪 高齢者の糖尿病

フレイル・サルコペニア予防

 

🧠 認知症予防の食事・運動

MIND食事法・運動・睡眠

 

💗 高血圧症の最新治療

JSH2025/130/80 mmHg時代

 

🥗 脂質異常症と動脈硬化

LDL・HDL・中性脂肪

 

🧠 片頭痛・緊張型頭痛

頭痛専門医による診療

 

🏥 五良会グループ 姉妹クリニックの関連ブログ

DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院

AGEs(終末糖化産物)と老化・病気の関係

体内糖化度検査でアルツハイマー病・糖尿病合併症リスクを「見える化」する記事です。

 


DEN-EN-CHOFU 竹内内科小児科医院

AGEs(糖化)対策の実践ガイド 2026

食事・調理法・運動・薬剤の最新エビデンスで老化と糖尿病合併症を防ぐ実践記事。

 


SHIROKANETAKANAWA 五良会クリニック白金高輪

糖尿病・脂肪肝(MASLD)診療

名誉教授・米田政志院長のもと、メタボリックシンドロームと脂肪肝を専門的に診療しています。

 

11. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 糖尿病ではないですが、AGEs測定する意味はありますか?

A. 大いにあります。AGEsは糖尿病でなくても加齢で蓄積し、見た目年齢・骨・血管に大きく影響します。「自分のいまの体内年齢」を知ることは、抗加齢医療の出発点です。

Q2. AGEsを「減らす」ことはできますか?

A. 一度生成されたAGEsは分解しにくいため、「これ以上増やさない」が現実的な戦略です。それでも長期的には皮膚のターンオーバー等で一部が入れ替わるので、対策の継続には必ず意味があります。

Q3. NMNやレスベラトロール等のサプリは効きますか?

A. 科学的に有望ですが、ヒトでのエビデンスは発展途上です。「サプリだけに頼らず、食事・運動を土台に」が抗加齢医学専門医の見解です。

Q4. AGEs外来の費用と所要時間は?

A. 自費診療です。詳細は白金高輪クリニックの専用ページでご確認ください。測定自体は約1分、診察を含め30分程度です。

執筆|医療法人社団 正友会 理事長 五藤 良将(日本抗加齢医学会専門医・日本糖尿病協会登録医)

五良ファミリークリニック センター南/竹内内科小児科医院/五良会クリニック白金高輪


GORYO FAMILY CLINIC CENTER MINAMI
五良ファミリークリニック センター南
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