アレルギー性鼻炎
アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎は、空気中のアレルゲン(花粉、ダニ、カビなど)に対して免疫系が過剰に反応することで起こる鼻粘膜の炎症性疾患です。日本では国民の約40%が何らかのアレルギー性鼻炎を有していると報告されており、特にスギ花粉症はその代表格です。
約40%
日本国民のアレルギー性鼻炎有病率
(Okubo et al., 2020)
🔬 2つのタイプ
季節性アレルギー性鼻炎
(花粉症)
スギ、ヒノキ、イネ、ブタクサなどの花粉によって引き起こされ、特定の季節に症状が出現します。
ヒノキ(3〜5月)
イネ科(5〜7月)
ブタクサ(8〜10月)
通年性アレルギー性鼻炎
(ハウスダストアレルギー)
ダニ、カビ、ペットの毛やフケなどの室内アレルゲンにより、一年中症状が続きます。
カビ
ペットの毛
ゴキブリ
主な症状
これらの症状は、アレルゲンが鼻粘膜に接触することでIgEを介した即時型アレルギー反応によって引き起こされます。
⚡ 3大症状
鼻水(鼻漏)
透明でサラサラとした
水様性の鼻水
くしゃみ
発作的に連続して
出るくしゃみ
鼻づまり(鼻閉)
鼻粘膜の腫れによる
通気障害
📋 その他の症状
鼻や目のかゆみ
目の充血・涙目
嗅覚障害
頭重感・頭痛
集中力の低下
睡眠障害
診断方法
アレルギー性鼻炎の診断は、以下の検査を組み合わせて総合的に判断します。原因アレルゲンを特定することで、より効果的な治療が可能になります。
問診
症状の出現時期・程度、家族歴、ペットの有無、住環境、職業などを詳しくお聞きします
鼻鏡検査
鼻腔内の粘膜の状態(腫れ・色調)や分泌物の性状を観察します
血液検査(特異的IgE抗体検査)
採血でアレルゲンに対する抗体を測定し、何に対してアレルギーがあるか特定します(View39など)
皮膚プリックテスト(必要時)
皮膚にアレルゲンを少量つけて反応を見る検査です
鼻汁好酸球検査(必要時)
鼻水中のアレルギー細胞を調べ、アレルギー性かどうかを判断します
治療法
日本アレルギー学会の「アレルギー性鼻炎診療ガイドライン2020」に基づき、症状の種類・重症度・年齢に応じて最適な治療法を選択します。
薬物療法
点鼻ステロイド薬
全症状に有効で、最も効果的な治療薬です。鼻粘膜に直接作用するため全身への影響も少なく安全です。
例:モメタゾン、フルチカゾン、ベクロメタゾン
抗ヒスタミン薬(第2世代)
くしゃみ・鼻水に効果的。眠気が少なく、1日1〜2回の服用で効果が持続します。
例:フェキソフェナジン(アレグラ)、ロラタジン(クラリチン)、デスロラタジン(デザレックス)、ビラスチン(ビラノア)
ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)
鼻づまりに特に効果的。喘息を合併している方にも有効です。
例:モンテルカスト(シングレア/キプレス)、プランルカスト(オノン)
経口ステロイド薬
重症例に対して短期間(1週間程度)使用することがあります。
舌下免疫療法(アレルゲン免疫療法)
根本治療
アレルゲンを少量から投与することで体を徐々に慣らし、アレルギー体質そのものの改善を目指す唯一の根本的治療法です。スギ花粉とダニに対する舌下錠が保険適用となっています。
70-80%
有効率
3〜5年
治療期間
5歳〜
適応年齢
📋 当院で処方可能な舌下錠
🏠 ミティキュア(ダニ)
👨⚕️ 当院の対応医師
理事長 五藤良将 医師
シダトレン・シダキュア・ミティキュア受講修了
エピペン処方登録医(アナフィラキシー対応)
院長 阿部馨子 医師
シダキュア・ミティキュア受講修了
手術療法
薬物療法で十分な効果が得られない重症例では、下甲介粘膜焼灼術やレーザー治療などの手術療法が検討されます。必要な場合は、専門の医療機関をご紹介いたします。
環境整備と生活習慣
薬物療法と併せて、アレルゲンとの接触を減らす工夫が症状改善に重要です。
室内環境の整備
- 空気清浄機(HEPAフィルター付き)の使用
- こまめな掃除・換気
- 寝具のダニ対策(防ダニカバー、週1回の洗濯)
- カーペット・ぬいぐるみを減らす
- 室内の湿度管理(40-60%)
外出時の対策
- 花粉情報をチェックし、飛散量が多い日は外出を控える
- マスク・花粉症用メガネの着用
- ツルツルした素材の服を選ぶ
- 帰宅時は玄関で花粉を払い落とす
- すぐに手洗い・うがい・洗顔
生活習慣の見直し
- 十分な睡眠をとる
- バランスの良い食事
- 適度な運動
- 禁煙(受動喫煙も避ける)
- ストレス管理(免疫バランスに影響)
小児のアレルギー性鼻炎
お子さまのアレルギー性鼻炎は、集中力の低下や睡眠障害を引き起こし、学業成績や日常生活に影響を及ぼす可能性があります(Katelaris et al., 2017)。
当院では、お子さまの年齢・体重に応じた適切な薬剤選択と投与量の調整を行い、安全で効果的な治療を提供しています。舌下免疫療法は5歳から開始可能です。
当院での対応
五良ファミリークリニックセンター南では、日本アレルギー学会所属医師による丁寧な診察と、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画をご提案しています。
アレルゲン検査
(血液検査)
症状に合わせた
薬物療法
舌下免疫療法
(スギ・ダニ)
小児から成人まで
幅広く対応
📚 参考文献・ガイドライン
- Okubo K, et al. Japanese Guidelines for Allergic Rhinitis 2020. Allergol Int. 2020;69(3):331–345.
- Fujimura T, et al. Sublingual immunotherapy for Japanese cedar pollinosis. Allergol Int. 2016;65(1):8–13.
- Katelaris CH, et al. Impact of allergic rhinitis on school performance. J Paediatr Child Health. 2017;53(7):622–628.
- 日本アレルギー学会「アレルギー性鼻炎診療ガイドライン2020」
